役割葛藤とは、
利害関係者より自分に期待されていることが、
その他の利害関係者にとってはマイナスな事柄である時に生じる葛藤である。
例えば、上司からの指示に従うことが、現場から要望されていることに反する場合には、自分の役割に対して「葛藤」が生まれる。
具体的には、利用者の稼働率をあげろと上司から指示されているが、現場のマンパワーが不足している場合は、中間管理職として役割に葛藤することになる。
中間管理職は、様々な利害関係者との調整事項に追われるため役割葛藤に陥る危険性が高い。
組織の崩壊は、「中間管理職のマネジメントがうまくいかなかった時」に生じやすい。
中間管理職が上司にイエスマンとなり、現場をかき回す
現場不満の伝書鳩となり、不満組合のリーダー化する
上司や現場からの板挟みになり、思考停止となって何も行動しない
このような事象では、組織は硬直化し、意思決定がおくれ運営のベクトルが定まらない。
中間管理職は、多くの利害関係を調整しなければならない
そのため、役割葛藤に陥り、思考停止、伝書鳩、イエスマンが顕在化する。
こういった事態を防ぐにはどうすればよいだろうか?
一つは自分自身の意見を持つことである。
正しいことなんか、誰もわからない。
神様でもない人間は推測や仮説を用いて評論しているだけなので、他人の意見を気にしないことが重要である。
また、正しい情報を常に上司と現場に提示することも役割葛藤を軽減させる。
常に現状の状況、未来の状況を提示しながら、上司をコントロールすることも中間管理職の仕事である。
どんなに手を尽くしても、周りが協力してくれない時は、自分以外の人間が対応しても変わらない組織であり相手の理解力が低いと思い、開き直ることが重要である。
役割葛藤に陥ると思考停止になってしまう。
しかし、役割葛藤の原因は自分にもあることを認識しなければならない。
役割葛藤を防ぐことができれば、中間管理職としての能力が最大化され、組織が強くなる。