成果主義や目標管理制度が浸透しつつある日本において、年功序列制度は「悪」として考えられている。
年功序列制度とは
勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のシステム
である。
日本経済が上昇の一途を辿っていた1965年から1990年代において、企業における年功序列制度は一般化し、日本の社会における一種の文化となった。
その後、年功序列制度は実力のない人が高い賃金を得られる、実力があっても若い人が評価されない、企業にとって優秀な人が評価しにくいなどの理由から、徐々に衰退の一途を辿っている。
しかし、年功序列制度は人材育成の本質を実践する制度として、近年見直されている。
「年齢を重ねた人が高い給与をもらう」と言うのが今までの年功序列制度の解釈である。
しかし、次のような解釈がこれからの年功序列制度の在り方である。
「年齢を重ねるごとに、知識や経験が豊富になり、それにより企業価値を高めることが出来るようなった人が高い給与をもらう」
年功とは
年と共に生じる功
である。
年功序列制度が問題になる企業の問題の本質は、人材育成が出来ていないことである。
人間は年を重ねれば知識や経験が増えるのが普通である。
そんな普通のことが実現できない企業の人材育成の在り方が、年功序列制度における本質的な問題である。
皆さんの組織に40代・50代で大した企業への貢献もしていないのに高い給与をもらっている人いないだろうか?
その人の給与を下げる方法は、企業への貢献を中心にした人事考課制度を導入することである。
人材育成や人事考課を適切に行えば、必然的に「年と共に生じる功」が実現し、年功序列となる。
皆さんの組織の年功序列制度は、組織への貢献がない人も高い給与がもらえる制度か?それとも、「年と共に生じる功」を実現する制度か?
今一度、自社の年功序列の在り方を考えていただきたい。