現場は経営者を批判し、経営者は現場を批判するという三流経営が蔓延する医療・介護業界

「うちの院長は、現場のこと何にもわかっていない。」
「介護報酬の加算内容を理解していない経営者はだめだ!」
「在宅支援の現場をしらないあの人には経営はできない」
という現場の作業療法士、理学療法士、看護師等の経営者への批判

「うちのセラピストは18単位取得できずに仕事をさぼっている」
「あの作業療法士は他部門から評判が悪い」
「理学療法士のA君は治療は好きだが、経営のことは何も考えてくれない」
という経営者の現場の作業療法士、理学療法士、看護師等への批判

三流の医療機関・介護事業所はこの両方の批判が組織内に蔓延っている。

現場のサービスは経営なくして存立しない。
経営は現場のサービスなくして存立しない。

残念ながら、このような当たり前のことを理解できない医療・介護従事者や経営者は非常に多い。

ひどいことに、コンサルタントやセミナー講師業をしている人にもこのことを理解していない人がいる。

厳しさを増している医療・介護の経営環境は、経営と人の協働による創造的活動を必要としている。

経済が順調に成長している頃の日本では、経営と人の協働による創造的活動はそれほど必要とされていなかった。

生産性の低い職員を抱えていても最低限の労務さえこなしてもらえれば利益を確保できた。

また、従業員も高い生産性を求められない、いわゆる楽な職場に胡坐をかいていた。

しかし、今の日本の経済情勢において、各企業は生産性を高めることができなければ利益を確保できず経営が破たんする。

つまり、経営者と現場はともに協業して、利益を確保することに全力を尽くす必要がある。

だが、未だに、批判の応酬に終始している現状があり、また、医療や介護のコンサルタントの中にも現場よりコンサルタント、経営者よりコンサルタントが存在し、この状況に拍車をかけている。

現場の職員は経営の勉強
経営者は現場の勉強
現場と経営の整合性を高めていく必要があるが、現実的にはハードルが高い。

そのハードルをさげるためには、現場と経営に精通した医療・介護従事者を育成・採用することが重要である。

一定水準の理学療法・作業療法・言語聴覚療法・看護技術を有し、かつ、経営に長けた人材が今の時代は求められている。

このような人材が求められる時代になったのは、国民皆保険、介護保険制度が始まって初めてではないだろうか。

一方的に、経営者は何もわかっていない、現場は仕事をしていないと言っても、状況は一ミリも変わらない。

その状況を打開するのも、現場の職員の仕事であり、経営者の仕事である。

批判は仕事の放棄である。

あなたは経営者を批判していないだろうか?

あなたは現場を批判していないだろうか?