理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとって、後ろ向きな情報と前向きな情報が常にアップデートされている。
社会が後ろ向きな世の中になると、前向きな世の中を実現したい人が前向きな情報を流す傾向がある。
そのため、後ろ向き・前向き情報が錯綜し、情報弱者ほど情報に右往左往する。
市場原理で考えると、セラピスト業界には逆風が吹いているのは間違いない。
疾患別リハビリテーションの維持期リハビリテーションの厳格化
回復期リハビリテーション病棟のアウトカム要件強化
地域包括ケア病棟のリハビリテーション料の包括化
軽度者向けサービスの総合事業への移行
など、様々な改革はリハビリテーション費用の圧縮が図られているものであり、セラピストの給与に強く影響するものである。
しかし、このような状況をチャンスと捉えるセラピストも多く、新しい価値を創造し新市場を生み出しているツワモノもいる。
つまり、ピンチはチャンスでもあるということである。
しかし、新市場を生み出し、自身の所得を上げているセラピストは、セラピスト全体においてはかなり希少である。
その他大勢のセラピストは、状況が悪化しているにも関わらず、何も行動を起こすことはしない。
なぜか?
それは、「現状維持バイアス」が作用しているからである。
「現状維持バイアス」とは、現状からの変化を回避する心理現象であり、人は現状に大きな不満がない限り、変化を望まないというものである。
変化することで生じるリスクを、強く恐れる傾向が人間にはあり、リスクを背負うぐらいなら現状を維持する方が良いと考えるのが人間である。
「現状維持バイアス」が作用していると、いつもと同じ日常を繰り返すことの選択を最優先する。
変化のない日々
流れ作業のような仕事
家と勤務先の往復の日々
他人の目を気にして、周囲に迎合する日々
が繰り返されることになる。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を合わせて20万人の時代。
日本の債務超過はどんどん進み、さらに少子高齢化は伸展する。
このような状況でも、「現状維持バイアス」は協力に発揮され、多くのセラピストの行動の変化は生じない。
しかし、変化することで生じるリスクを恐れ行動をしなければ、将来、現実的に生じるリスクに飲まれる可能性が高い日本社会である。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として勝ち残るために、必要なのは「ほんの少しの勇気」だけなのかもしれない。
何の変化もない日々を過ごしているセラピストは現状維持バイアスに支配されている可能性が高い。