市町村介護保険事業計画を読んでいますか?

市町村介護保険事業計画とは、国の基本指針に従い3年に1回定められる「介護保険に関する事業計画書」である。

市町村は、計画の作成や変更においては、被保険者や都道府県の意見を反映させなければならない。

また、市町村は、作成した介護保険事業計画を都道府県知事に提出しなければならない。

介護保険事業計画書に定められる項目として、以下のものがある。

1)認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の必要利用定員総数
2)地域支援事業の量の見込み
3)必要利用定員総数やその他介護給付対象サービスの見込み量を確保するための方策
4)介護保険サービス別の量・費用・保険料の水準
5)指定居宅サービス事業者間の連携確保に関する事業
6)認知症の被保険者への自立支援
7)医療との連携
8)高齢者の居住にかかわる施策と連携

4b789e014fa224aac9fa936dac10f498_s 介護保険の保険者は市町村であることから、介護保険事業計画の内容を確認することは介護事業所にとって重要である。

地域における要介護者の状況、市町村の施策などから求められるサービスの形態や質、介護保険マーケティングの在り方などを考えることができる。

特に、介護保険事業計画からは「地域における実情」を知ることができる。

地域における介護に関する問題点
地域に不足しているサービス
地域で期待されるサービス
市町村独自の考え
など介護事業に必要な情報が記載されている。

介護事業にかかわる経営者や管理者は必読と言える資料であろう。

介護保険事業計画書は、各市町村のホームページに掲載されているので、ぜひ、一度、ご確認をいただきたい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

セラピストの独立志望者必読!起業家と企業家の違いは何か?

起業家と企業家の違いはどこにあるのだろうか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の独立志望者が増えている。

しかし、起業することは難しくない。

税務署に行って、個人事業主の登録をするだけで起業家になれる。

しかし、起業家にはなれても企業家になれる人は少ない。

ピーター・ドラッガーは、企業家になることの難しさをトーマス・エジソンの事例を挙げて説明している。

トーマス・エジソンは優れた発明家であり、自身が発明した成果物を活用して経営者になることを目標にしていた。

しかしながら、彼の創立した企業すべてにおいて経営は失敗し、最終的に経営から手を引くことになった。

多くのハイテク企業も同じような経過をたどっていると解説されている。

このような企業は社会においてイノベーションを担うことはできず、ある商品やサービスを発明したに過ぎないと言える。

つまり、真の企業家は、製品や商品の発明にとどまらず、社会のイノベーションを実現しなければならないと言える。

ピーター・ドラッガーは、そのイノベーションを実現するためには「異なる知識と技術をもつ複数の人間を組織化するためのノウハウ」である「経営管理」が必要と述べている。

また、企業家として成功するためには、アイデアのひらめきを待っているだけでは不可能であり、企業家たるものは、主体的に行動しなければならないと述べている。

また、企業家は次のようなイノベーションの機会を利用していると述べている。

  • 予期せざるものの存在
  • 調和せざるものの存在
  • プロセス上のニーズの存在
  • 産業や市場の構造変化
  • 人口構成の変化
  • 価値観の変化
  • 新しい知識の獲得

これらを活用しイノベーションを起こせる者が真の企業家になれると考えられる。

しかし、残念ながら理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「経営管理」を学んでもいないし、実践した経験も少ない。

そのため、起業家になれても企業家になることは難しいと言える。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の知識や経験を起業を通じて真に社会に貢献させるためには、起業家ではなく企業家を目指す必要がある。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

介護事業所・医療機関あるある 〇〇なサービスをしたいがする人がいない症候群

医療機関・介護事業所の経営は年々厳しさを増している。

高齢者人口は増えているが、国の財政的な問題により診療報酬・悔悟報酬の算定ルールはより厳しくなっている。

そのため、一昔前の「経営感覚」で経営を行っていると、気づいたときには収益が大幅ダウンとなり、倒産の危機が訪れるということも少なくない。

そのため、危機感を持つ経営者は自社の経営を変革させようとして様々なサービスイノベーションに取り組もうとする。

筆者がコンサルタントとして出会ってきた経営者が考えるサービスイノベーションは次のようなものが多い。

クリニック
疾患別リハビリテーションの導入
通所リハビリ・訪問リハビリなどの介護保険リハビリの導入
在宅医療の導入

老人保健施設
在宅復帰への取り組み
重度化対応への取り組み
看取り対応への取り組み

通所介護
個別機能訓練加算ⅠとⅡの算定内容の充実
重度者ケアの導入
リハビリ内容の充実

急性期病院
認知症の対応
手術症例の増加
救急外来の強化
在宅医療機関との連携強化

訪問看護
24時間対応の強化
看取り件数の増加

確かにこれらのサービスイノベーションを実現することができれば、地域の利用者やケアマネジャーなどのステークホルダーより信頼が高まり、利用者数の増加が見込める。

しかし、多くの医療機関・介護事業所は「サービスイノベーションを担える人材がいない」と言うボトルネックを解消することができない。

つまり、経営者はサービスイノベーションの中身は思いつくが、サービスイノベーションを担える人材を採用し、育成することができていないという現状が多いと言える。

これからの時代は65歳以下の人口が減少する社会となる。

つまり、労働者が劇的に減少するという事である。

このような中では「採用」「育成」という技術を持たない医療機関・介護事業所は、結局のところサービスイノベーションを実現できずにいるだろう。

「〇〇なサービスをしたいがする人がいない症候群」にならないように読者の事業所においては人事部門の強化に努めていただきたい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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たでいけ至福の園
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ハンバーガーショップを起業するものは企業家と言えるか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業する事例が増えているが、起業すれば全員が「企業家」になれるのだろうか?

そもそも「企業家」とは何か?

ピーター・ドラッカー曰く、「企業家」とは、「真の企業家は経営管理のという技術を用いて社会のイノベーションを実現する者」である。

ハンバーガーショップの起業家の事例を用いて説明する。

結論から言えば、ハンバーガーショップを起業する者は企業家とは言えない。

ハンバーガーショップを起業することで、当事者は食事を提供するというサービスは行っているが、これだけでは、企業家と呼ぶことはできない。

しかし、同じハンバーガーショップでもマクドナルドは企業家と呼ぶにふさわしい。

マクドナルドでは、顧客の満足を満たすための商品を決定し、その商品を安定的に生産するための生産工程を確立させている。

生産から顧客への販売のプロセスにおいては、サービスの早さ、清潔性、接遇などに配慮している。

また、それらを実現するための、人材育成や給与体系を整備している。

このような総合的な取り組みを行うことで、利益の最大化を実現している。

マクドナルドは画期的な商品やサービスを発明しているわけでないが、利益を最大化するための経営管理と言う技術を有している。

したがって、ハンバーガーショップを開設するだけでは、企業家の要件を満たすことはできない。

経営管理という技術を軸にした事業を展開することが企業家の条件だからである。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業しても、果たして「企業家」になれるだろうか?

通所介護
訪問看護
ネットショップ
予防事業
自費リハビリ
コンサルタント
などは誰でも起業できる。

起業家になれても企業家になれる人は一握りである。

起業家なら、企業家になれる努力を怠ってはならない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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関西医療大学 客員准教授

 

 

リーダーシップは信頼性に宿る

筆者はクライアントより「部下のリーダーシップが乏しい」「管理職が現場スタッフを引っ張っていくことができない」というリーダーシップに関する相談を受けることが多い。

リーダーシップに関する理論は様々な報告がなされている。

リーダーシップは性格的素因の影響を受ける。
リーダーシップの影響を与える相手によってリーダーシップの内容は異なる。
現場のスタッフを支える貢献型のリーダーシップが効果的である。
など様々なリーダーシップ理論が存在している。

その中でも、今回は信頼蓄積理論を紹介したい。

信頼蓄積理論とはエリック・ホランダーが提唱したもので「リーダーシップとは生まれ持った資質ではなく、日常的な信頼の蓄積により決まる」という理論である。

つまり、リーダーが過去、どんな言動をしてきたのかという過去の信頼の蓄積がリーダーシップに影響を与えるということである。

信頼されているリーダーだからこそ、部下はリーダーに従って、モチベーションを高く保ち、行動することができるが、信頼されていなければ、部下はリーダーに魅力を感じることはなく、リーダーに貢献する意欲が低下する。

実は、常日頃から上司は部下から「この人は信頼できるかどうか?」と評価を受けており、部下の評価が高ければ信頼度が高まり、上司は部下にリーダーシップを発揮することができるのである。

上司が部下より信頼を得るためには
嘘をつかない
発言と行動が一致している
感情的ではない
誠実に物事に取り組む
一貫性がある
約束を守る
という人間として当たり前のことができるかどうかである。

リーダーシップに悩んでいる管理職の方
部下が自分の指示に従わないことに悩んでいる方
職員が何かと非協力的で困っている方
は一度、ご自身の信頼性について考えてみることが大切である。

 

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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