自分と向き合うことで「なりたい自分」は描くことができる

「なりたい自分」を描くことは、キャリア・デザインにおいて重要である。

しかし、多くの人にとって、「なりたい自分」を描くことは非常に難しいことである。

「なりたい自分」を描くためには、「なりたい自分」を描くことができる状況にならなければならない。

多くの人は、その状況になることができないため、「なりたい自分」を描くことができないのである。

では、その状況とはどのようなものなのか?

それは自分に向き合っている時である。

具体的には
自分で自分のことが嫌になっている時
悔しくてたまらない時
自分の未来が不安で仕方ない時
などである。

このような状態になければ、「なりたい自分」を描くことは難しい。

現実から目を背ける
自分の外にしか不満を向けない
周囲の状況に鈍感になっている このような状態では、自分に向き合うことは難しい。 ®‘ÌŽt—« 自分に納得できない
自分で自分を否定する
自分の現状に心底、不安を感じる

こういったことに真剣に向き合ったときに、自分自身の未来を変えていくエネルギーが生まれてくる。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は医療機関や介護事業所に勤めており、自身の未来を勤め先に委ねている感覚を持っている人が多い。

また、国家資格を付与されているため、雇用が政府に保障されていると勘違いしている人も多い。

したがって、このような状況にある理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとって、「なりたい自分」を描くことは難しい。

いつまでたっても、自分の未来が描けない、行動が起こせないことは現象であり原因ではない。

原因は、自分自身に向き合っていないことである。

 

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

PT・OT・STが知っておきたい支援困難事例のパターンとその対応

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が対応する患者や利用者の中には、支援困難な方がいる。

支援困難事例を担当すると、セラピストも混乱をしてしまい冷静な判断ができず支援内容が一貫性や整合性を維持できなくなることがある。

支援困難事例に直面した時こそ、冷静になり支援方法の基本に立ち戻ることが重要である。

支援困難事例の発生には3つのパターンがある。

1.個人的要因
患者・利用者に個人的な要因がある。
強い不安・精神的不安定性・気力や意欲の低下・判断能力の低下・病気

2.社会的要因
社会や生活環境に要因がある。
生活環境の悪化・家族の病気・家族との不和・近隣住民との関係性悪化・孤立

3.不適切な対応
援助者側の不適切な対応に要因がある。
本人の意思の無視・連携が不備・ネットワークが構築できていない。

各要因はそれぞれ個別で作用するよりも、複合的に重なり合うことで、支援困難事例が生じる。

例えば次のような事例が考えられる。

利用者が認知症を発症し、その娘には精神障害がある場合に、援助者が娘の精神障害を把握せずに、利用者の介護をお願いしたとする。

その結果、娘の精神障害が悪化して、利用者への虐待が生じた。

この場合、個人的要因・社会的要因・不適切な対応がすべて混在している。 167f40062191e3987b54902456d3210b_s 支援困難事例への対応における基本的な視点
支援困難事例への働きかけで重要なのは、「価値」に基づいた援助を実践することである。

対人援助は、知識・技術・価値という3つの要素で構成されている。

援助者は価値を対人援助の根拠として専門的な知識や技術を用いて利用者を支援する。

この場合の「価値」とは、援助者の個人的な価値観ではなく、対人援助の専門職の共通の価値観である。

価値の中核を成すものは、「取り組みの主体を本人におく」というものである。

「取り組みの主体を本人におく」とは具体的には以下のような取り組みとなる。

1)本人のいるところから始める
本人の人生観・生き方・価値観などについて理解を深める。
2)最初の一歩を支える
本人の存在を尊重する。
本人が存在している意味や価値を本人が感じられるように支援する。
3)援助関係を活用する
本人と援助者に信頼関係を構築し、本人の居場所を確保する。
4)本人が決めるプロセスを支える
援助過程において、本人が決めるプロセスを尊重し、主体性を確保することができるよう働きかける。
5)新しい出会いと変化を支える
本人を取り巻く周囲の家族や友人、地域住民などとの関係を調整し、新しい出会いができるように働きかける。
本人と新しい関係者が新しい関係を気づけるプロセスを支える。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、支援困難事例に直面すると自分の考えている理学療法・作業療法・言語聴覚療法を患者や利用者に当てはめようとしてしまう傾向がある。

しかし、支援困難事例だからこそ、主体性を本人においた取り組みが必要となってくる。

「本人が自己決定できるプロセスを如何に作り出すことができるか」という技術がセラピストには求められる。

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

No2を作れない管理職のキャリアデザインは難しい

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のキャリアデザインの一つとして、「管理職」として成功する方法がある。

臨床技術だけでなく、管理能力を磨き組織を管理することで、勤め先から評価されることで、「管理職」としてのキャリアを築くことは、複雑化している現代のリハビリテーション業界において大きな意味を成すものである。

管理職として成功するためには様々な能力を磨かなければならない。

リーダーシップ
人材育成
経営戦略
会計管理
IT管理
マーケティング
イノベーション
技術経営 など幅広い能力の開発が必要である。

しかし、これらの能力を高めれば優秀な管理職になれるか?と言うと、答えは「No」である。

これらの能力がどれだけ高くても、その能力を組織の隅々まで効果的に行き渡らせることができなければ、全く意味を持たない能力になってしまう。 Fotolia_79726724_Subscription_Monthly_M-e1438655206363 管理能力を飛躍的に向上させる鍵は「伝達機能」である。

「伝達機能」とは、リーダーの意思や戦略を組織全体に伝達する機能であり、優秀な組織においてはNo2のポジションにある人がその役割を担う。

端的に言えば、No2が作れない管理職はどれだけ能力が高くても、その能力は「宝の持ち腐れ」となる可能性が極めて高い。

したがって、No1はNo2を育成することが最大の課題である。

独善的なマネジメントを行っているリーダーにはNo2は決して育たない。

No1とNo2とは、信頼で結ばれる必要がある。 信頼があるから、No2はどのような状況になろうともNo1を支えるのだ。

信頼関係を築くには、日頃の言動が大切である。

管理職として成功したければ、信頼関係を基軸にしたNo2の育成に最大限の努力が必要である。

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

PT・OT・STのキャリア~資格や学位の取得を通じて得た知識を何に役立てるのか~

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が他の資格や学位の取得を目指すことが一般的なことになっている。

特に理学療法士・作業療法士の過剰供給という話題が世間に出てからは、自身のキャリアアップのために資格や学位の取得を目指す人が急にふえている。

しかし、残念なことにその資格や学位を取得することがゴールになっており、取得後のキャリアプランが計画できていない人が圧倒的多数である。

特に、近年、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の大学院への進学が増加している。

学術的な研鑽を積み、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の学位を取得することで、自身の専門性を高めることが目的と考えられる。

だが、修士や博士の学位を取得しただけで人生や仕事は変わらないのが現実である。

修士や博士と言うのは、一定の知識を持っていることを証明しているだけにすぎず、それを活かすも殺すもその人のキャリアプラン次第である。

修士や博士を取得しただけで、給料が上がる、昇進に優位になる、転職がしやすい、社会から注目されるというのはすべて幻想である。 7df36022a469e3b1c9cf83b310bbfd08_s それでは、どうすれば組織や社会から評価されるのだろうか?

資格や学位の取得を通じて獲得した知識を組織や社会の問題解決のために役立てる行動やその結果に対して、組織や社会は評価を与えるのである。

つまり、具体的な問題解決のために資格や学位は存在しているのである。

ましてや、1000を超える資格が日本にはある中で、複数の資格を持つ人自体も全く珍しい存在ではない。

解を恐れずに言えば、資格自体に価値はない時代に突入している。

経済環境や少子高齢化が進む日本では、具体的に問題を解決できる人材が評価される。

資格や学位を取得すれば、キャリアがアップする。

この考えは早急に捨てるほうが良い。

逆に言えば、資格や学位の取得などしなくても、組織や社会の課題を解決できる人物になれば組織や社会からの評価は得られる。

あなたは、何のために資格や学位を取得するのか?

今一度、考えて診てほしい。

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

「起業」をしたいという言葉を、安直に語ってはいけない

世の中の働いている人全員が、「起業」をしたい訳ではない。

むしろ、日本では「起業」は一般的なことではなく、「起業」をしたいという人の方が、マイノリティーだ。

国際的に見ても、日本の起業率は低い(下図)。 起業率

岡田悟:我が国における起業活動の現状と政策対応,レファレンス,2013

日本の起業率が少ないのは様々な原因が指摘されている。

出る杭は叩く文化
滅私奉公の社風

金儲けが悪という風潮
お金に関する教育が乏しい

正社員の既得権益が強い
などが、日本における起業率が低い原因とされ、日本は「起業」がしにくい国あることは明白だろう。

それでも、起業をしたい人は何が何でも起業をする。

起業家の「起業に対するモチベーション」はどこから生まれるのだろうか?

エドガー・シャインが定めたキャリア・アンカーの一つである「起業家的独創性」が起業に対する大きなモチベーションである。

キャリア・アンカーとは、「仕事をする上でどうしても譲ることができない価値観」である。

起業家的創造性
このタイプの人は、独立、起業することを好み、何か新しいこと(事業や作品など)を生み出すことに価値を置いている。

単に自立・自律の精神で仕事をするだけでなく、新サービスや商品の発明や普及に大きな関心を抱いているタイプと言える。

つまり、 お金儲けをしたい 目立ちたい 今の会社が不満だ などの理由で起業をしても、起業に対するモチベーションが継続させるのは難しい。

昨今、業務内容や給料の不満から「起業」という言葉を安易に使う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も多い。

しかし、起業家的独創性のキャリア・アンカーを持ち合わせていなければ、起業への思いは一過性となり、起業そのものが成功しにくい。

そもそも、日本は起業に対する視線が厳しい国である。

そのうえで、起業をするのなら起業に対する動機は、安直なものであってはならない。

起業を考えている人は、「起業でなければ自分の価値観は満たされないのか?」という質問を自問自答してほしい。

そのうえで、起業の決断を行うことをお勧めする。

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授