PT・OT・STが知っておきたい介護保険の財政構造

介護保険の財源構造のポイントは以下4点となる。

1)介護保険の財源は保険料5割・公費5割である
介護費用から利用者負担分を除いた介護給付費と地域支援事業の費用は、保険料と公費で賄われている(下図)。 ddeaare

2)1号保険料と2号保険料の負担割合は人口比と同じ
保険料の負担割合は、人口比に応じ、一人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるように定められている。
したがって、地域ごとに一人当たりが納める介護保険料は異なるため、保険料の差は社会問題となりつつある。
下記の事例は京都府内の介護保険料の違いを示すものである
(2015年4月29日 京都新聞より一部抜粋)。
第二号被保険者の負担割合は、3年ごと政令により改定され、一律のものとなるが、第一号被保険者の負担割合は調整交付金の率により異なる。 7415bb879e786d1289313b5311f472c5

3)市町村の財政力格差のため調整交付金が交付される
介護給付と総合事業の国の負担のうち、5%程度は市町村の財政力の格差を是正するための調整交付金として支給される。
普通調整交付金と特別調整交付金の二種類がある。
普通調整交付金
第1号被保険者のうち75歳以上である者の割合(後期高齢者加入割合)及び所得段階別被保険者割合の全国平均との格差により生ずる保険料基準額の格差調整のために交付されるものである。
特別調整交付金
災害等の特別な事情がある場合に交付されるものであり、普通調整交付金の残額が特別調整交付金の総額となる。

4)財政安定化基金は市町村に資金の貸付・交付を行う
見込みを上回る給付費増や保険料収納不足により、市町村の介護保険特別会計に赤字が出ることとなった場合に、一般財源から財政補填をする必要のないよう、市町村に対して資金の交付・貸付を行うものである。
設置主体は各都道府県(原資は、国:都道府県:市町村(保険料)が1/3ずつを負担)。
交付:3年ごと(事業運営期間最終年度)に、財政不足額のうち、原則として保険料収納不足額の1/2を交付する。
貸付:毎年、原則として保険料収納不足及び給付費増による財政不足額の全額(交付があるときは交付額を除いた額)を貸付する。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

PT・OT・STのキャリアデザインのコツ 知識・経験は形にしよう!

キャリアコンサルティングを行っていると様々な人と出会う。

その中でも、キャリアコンサルタントの私が驚くほどの知識と経験を持つ人がいる。

リハビリテーション分野における知識や経験値が素晴らしく、その実績があればどこにでも引っ張りだこになれる人である。

しかし、残念ながら、実際には引っ張りだこになるどころか、転職活動もままならない状況である。

それはなぜか?

知識や経験を具体的な形にしていないため、取引相手に自身をマーケティングすることが難しいためである。

学会発表
論文発表
学位取得
研修会講師
プロジェクト成果
ブログやSNSによる情報発信
などが乏しいため素晴らしい知識や経験を可視化できないのである。

採用担当者は、リハビリテーション分野の専門的知識は持ち合わせていないため、面接で求職者の話を聞いてもその人の実力を推し量ることが難しい。

よって、実力を簡単に確認することができる「形」が重要性を増す。

知識や経験が宝の持ち腐れにならないためには、それらを活かして得たアウトカムを明確にする働き方が重要である。

そして、転職とはマーケティングであるということを理解することも重要である。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が資格だけを振りかざせば高待遇で転職ができる時代は完全に終焉している。

採用者という取引相手に自分を購入してもらえるだけの材料を作る必要性が高い時代になったと肝に銘じるべきである。

投稿者
高木綾一

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PT・OT・STが知っておきたいサービス担当者会議の基礎知識

居宅サービス計画書は、保健、医療、福祉などの分野の専門職が導き出した方針に基づいて作成しなければならない。

そのため、介護支援専門員は、サービス担当者会議を開催する必要がある。

会議の参加者は
利用者
家族
医師
看護師
ホームヘルパー
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
介護支援専門員
である。

各専門職から意見を求め、居宅サービス計画書の原案作成の材料とする。

サービス担当者会議を開催するタイミングは
居宅サービス計画書の新規作成時
居宅サービス計画書の内容変更時

利用者の要介護認定の更新や変更時 である。

サービス担当者会議では、利用者や家族の個人情報を用いる場合は、利用者、家族それぞれから、情報開示の同意を得ておく必要がある。

サービス担当者会議では各事業者によるサービスの実施日や時間帯まで検討することになるため、参加者はサービスの提供可能な日時などを把握しておく必要もある。

サービス担当者会議で話された記録文書は、帳票として介護支援専門員は管理・保管しなければならない(下図)。 zu4

投稿者
高木綾一

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関西医療大学 客員准教授

コロナ禍において整形外科クリニックが果たす役割は大きい

新型コロナウイルスの感染拡大により、国民生活は甚大な被害を受けている。

その中でも、高齢者の外出自粛は大きな問題となっている。

新型コロナウイルスの感染対策のため、買い物やデイサービスなどの外出を控える高齢者が増えている。

筆者の住む町の商店街においても高齢者が歩く姿はめっきり少なくなっている。

また、全国的に軽度者向けのデイサービスはキャンセルが増加しており、デイサービスの経営も苦境に立たされている。

このような高齢者の自粛は高齢者の感染を防ぐという意味は大きいが、一方で「廃用症候群の伸展」というリスクは高まっている。

実際、筆者がコンサルティングをしている整形外科クリニックでは体力が低下した、膝が痛くなった、転倒することが増えたなどの訴えで受診する高齢者の人が増えている。

このような患者は
運動器不安定症
変形性膝関節症に伴う歩行障害
などの疾患名で運動器リハビリを開始することが多い。

また、体力を低下した患者など対して、体操や筋力トレーニングなどの自主トレーニングを指導を行う整形外科クリニックも存在している。

さらに、Youtubeなどで体操などを動画配信を行う整形外科クリニックもある。

整形外科クリニックは医療機関であり、スタッフは医療専門職が占めている。

そのため、感染対策に関しては、一定の効果が期待できる。

また、整形外科クリニックは運動指導が長けた理学療法士、作業療法士が多いことから、廃用症候群の予防についても適切なアドバイスが可能である。

このような活動は長い目で見ると、「医療機関のマーケティング」にも寄与することから経営的な効果も高い。

コロナ禍で、どの医療機関の大きなダメージを受けているが、コロナ禍だからこそできる整形外科クリニックの役割がある。

今こそ、整形外科クリニックは自分たちが何をするべきかを考える時期である。

投稿者
高木綾一

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現場でよく聞かれる医療行為との線引き

在宅シフトの影響で、中重症患者が在宅で療養することが多くなっている。

そのため、訪問介護における身体介護への需要が高まっている。

身体介護とは
1.利用者の身体に直接接触して行う介助サービス
2.利用者のADLや意欲向上のために利用者とともに行う自立支援のサービス
3.専門的知識・技術をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のサービス
である。

この身体介護において、よく取り上げられるのは「医療行為との線引き」である。

身体介護では、医療行為はしてはいけない。

したがって、どこまで医療行為であるかの認識を、介護士、看護師、セラピスト、家族、患者は知っておく必要がある。

以下に、原則として医療行為ではないものを記載する。

1.水銀体温計・電子体温計による腋下の体温測定、耳式電子体温計による外耳道での体温測定

2.自動血圧測定器による血圧測定

3.新生児以外で入院治療の不要な者へのパルスオキシメータ装着

4.軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について専門的な判断や技術を必要としない処置(汚物で汚れたガーゼの交換を含む)

5.軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)

6.湿布の貼付

7.点眼薬の点眼

8.一包化された内服薬内服(舌下錠の使用も含む)

9.座薬の挿入

10.鼻腔粘膜への薬剤噴射の介助 4b3bfe17a507fa116303ef69b178d844_s なお、介護福祉士や介護職員は一定の研修を受ければ、一定の条件下で痰の吸引や経管栄養の行為が可能である。

一定の研修とは、以下のものとなっており、様々な関連団体が開催している。

第1号研修・第2号研修(不特定の者対象の研修)
複数の利用者に喀痰吸引等を実施する場合に要する研修

第3号研修(特定の者対象の研修)
在宅の重度障害者に対する喀痰吸引等のように、個別性の高い特定の対象者に対して特定の介護職員が喀痰吸引等を実施する場合に要する研修

投稿者
高木綾一

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