株式会社WorkShift創立10周年!!この10年間を振り返ります!!

2024年12月1日をもって、株式会社WorkShiftは創立10周年を迎えることが出来ました!

これも、偏に、お客様、ビジネスパートナー、諸先輩方、戦友、家族のご支援・ご指導のおかげでございます。

本当にありがとうございます。

このブログでは、株式会社WorkShiftおよび高木綾一の10年間を振り返ります。

2014年12月1日 株式会社WorkShiftは創業しました。

創業時の理念は以下に示すものとなります。

現在も、当時と同じ理念を貫いています。

起業する前に勤めていた医療法人では、理学療法士としてのリハビリテーションの臨床、リハビリテーション部門の運営、医療介護施設の経営管理、新規事業の立案・促進、管理職の育成、マーケティング、リハビリテーション職種や医師等の採用など様々な仕事を経験させていただきました。

仕事をしていく中で、次のようなことをヒシヒシと感じてました。
①医療・介護従事者やリハビリテーション職種ではキャリアデザインの考えが全く浸透していない
②医療・介護業界ではマネジメントが脆弱で専門職のポテンシャルが十分に発揮されていない

これらの課題を解決すれば、日本の医療・介護はもっと質の高いサービスが提供できるようになり、さらに現場で働く人たちはもっと幸せになるのではないかと考えるようになりました。

しかし、医療法人に勤めている状況では、仕事内容に制約があり、この想いを実現することは難しい状況でした。

そこで、起業しかないと一念発起をいたしました。

次に創業から今日までに生じた出来事についてまとめたいと思います。

2014年~2016年
創業当初は、顧客がゼロの状況でしたので、とにかくマーケティングの勉強と実践を繰り返していました。

特に意識していたのはWEBサイトとSNSにおける情報発信と同業者との情報交換でした。

創業当初は初期投資が一番かかる時期ですが、小規模事業者持続化補助金を活用して、WEBサイトなどを構築しました。

この時期最も経費が掛かったのは、同業者との情報交換や起業に関する勉強会の費用だったと思います。

愚直にマーケティングをしていると、医療法人や介護事業所の経営者や管理職の方よりお仕事のご依頼を頂くようになりました。

また、セミナー事業も軌道に乗り、多くのリハビリテーション職種の方に参加を頂けるようになりました。

さらに、2016年6月に国家資格キャリアコンサルタントの資格認定を受け、医療・介護業界におけるキャリアデザインの支援に本格的に取り組むことになりました。

2017年から2019年
この時期は会社経営が第2フェーズに入りました。

コンサルティングやセミナーを提供する企業としてより質の高いサービスを提供するために、大阪市淀川区に自社のセミナールームを2017年6月22日に開設をいたしました。

自社セミナールームを保有したことで、高頻度にセミナーやイベントを開催することができ、多くのお客様と出会うことができました。

自社セミナールームには多くの方にご来店を頂きました!

また、私自身も2017年4月に関西学院大学大学院ビジネススクールに入学し、マネジメントをイチから学び、大変刺激的な日々を送っていました。

さらに、2017年9月には、初めての著書である「リハビリテーション職種のキャリア・デザイン」を発刊し、多くの読者の方から反響を頂きました。

この時期は、本当に様々な案件を頂き、順調な企業活動が出来ていたのですが、人生の転機となる出来事が生じました。

2017年の秋に父が突如として、病に倒れ、余命数ヶ月の宣告を受けることになりました。

まさに、青天の霹靂でした。

様々な治療に取り組む父を家族全員で支えましたが、2018年1月13日に父は逝去しました。


闘病中の父とツーショット写真です!

父の看取りを経験して、患者家族としての当事者としての様々な価値観が生まれてきました。

医療機関と在宅の連携の不備が多いこと
在宅復帰はできるが在宅療養生活の継続が難しいこと
介護者である家族は様々な不安を抱えていること
在宅におけるリハビリテーションが確立されていないこと

これらのことを父の看取りにより痛感しました。

そこで、2018年に実際の戸建て住宅の中でリハビリテーションを学ぶことができる「在宅リハビリテーション・ケアスクール」を開設いたしました。

父の看取りを通じて感じた疑問を事業という形で解決したいと言う一心でした。

戸建て住宅を借りて、住宅の中で在宅リハビリテーションやケアに関する技術を学ぶ形態は大きな反響を生み、北海道から沖縄まで全国各地からセミナーにご参加を頂きました。

戸建て住宅で行うセミナーは大盛況でした

また、2018年9月には二冊目の著書である「リハビリテーション職種のマネジメント」をイラストレターで理学療法士の福山真樹先生のご協力を頂き、発刊することが出来ました。

2019年3月には関西学院大学大学院ビジネススクールを修了することが来ました。

在学中はマネジメント全般を学び、マネジメントの奥深さを感じました。

また、修士論文では「理学療法士・作業療法士の起業プロセス分析と起業支援の展望」を執筆し、リハビリテーション職種の起業に至るプロセスを定性的に分析いたしました。

MBA(経営管理学修士)を取得するプロセスを通じて、私のこれまでのマネジメントの経験が、理論体系としてまとめることができ、コンサルタントとして一皮むけることが出来ました。


関西学院大学キャンパス 大学院卒業式 息子とのツーショット!

2020年~2024年
2020年は年始から社会に激震が走りました。

中国本土で発生した新型コロナウイルスが全世界に蔓延しました。

未知のウイルスに対する日本国政府の対応は、大変厳しく、対人交流を禁止する政策が加速的に実施されました。

そのため、弊社が実施している対面と原則とするセミナー事業やコンサルティング事業は休業命令の対象となり、事業の継続が困難となりました。

また、セミナー事業を実施している弊社や高木に対しても誹謗中傷が行われるようになりました。

新型コロナウイルスに関しての対応に関してはそれぞれ違う価値観がありますが、この頃は、対面サービス業を実施ている者は悪者であるというレッテルが貼られました。

ただ、一方で弊社のセミナー事業を応援してくれる協力者やお客様もおられ、本当に救われた気持ちになりました。

何とかセミナー事業やコンサルティング事業を続けたいという想いで、「小規模事業者持続化補助金新型コロナウイルス枠」に挑戦し、無事に補助金を得ることが出来ました。

2020年12月に補助金事業としてワークシフトオンラインをリリースいたしました。

ワークシフトオンライン
セミナー事業・コンサルティング事業・イラスト販売事業を包括的に実施するオンラインサービス

この事業により、全国各地のお客様とオンラインにて繋がることができ、新型コロナウイルスが蔓延している状況でも弊社の事業を継続することが出来ました。

一方で、全く対面セミナーが出来なくなった背景から2020年5月にワークシフトセミナールーム、2021年1月に戸建て住宅セミナールームを閉鎖することになりました。

対面セミナーの再開が先行き不透明であったため、苦渋の決断をいたしました。

新型コロナウイルスが、二類感染症扱いになっている2020年から2023年の間は、創業以来、最大の危機でした。

しかし、事業整理や補助金採択などの行動を起こしたことで乗り切ることが出来ました。

何でも、行動が必要なんだな・・・と改めて感じることが出来ました。

また、2020年9月には「リハビリテーション職種の在宅リハビリ・ケア」を在宅リハビリテーション・ケアスクールの講師の先生方と共に共著出版をすることが出来ました。

2020年以降はオンラインでセミナーやコンサルティングを実施することが多かったのですが、新型コロナウイルスが5類感染症に移行した2023年からは対面での業務も増えてきました。

オンラインセミナーは遠隔でお客様にサービスが提供できると言うメリットはありますが、人との繋がりを強化したり、リハビリテーション技術を伝達することは難しいというデメリットもあります。

このような背景もあり、弊社は2023年以降はオンラインとオフラインのハイブリッドなサービスに徐々に移行しています。

また、2022年には二冊の著書を弊社のセミナー講師の先生方と発刊することが出来ました。

外来リハ・通所リハ・通所介護のリハビリテーション~組織マネジメントと高齢者リハビリ編~

外来リハ・通所リハ・通所介護のリハビリテーション~運動器疾患編~

また、私のプライベートでは最愛の息子が目標としていた夏の全国高校野球選手権で甲子園球場での登板を実現してくれるという出来事がありました。

私たち両親と息子の祖母(私の母)や亡くなった祖父(私の父)は、息子の野球を心底応援しておりましたので、息子の目標達成を本当にうれしく思いました。

同時に、息子から「努力することの大切さ」を親として教えられました。

甲子園でMAX147㎞を投げて、鮮烈な全国デビューをしてくれました

2023年から2024年にかけては、対面セミナーや対面コンサルティングの機会も増えました。

宮崎県、島根県、兵庫県、福岡県、東京都など遠方でのお仕事もさせていただきました。

また、理学療法士養成校における理学療法管理学の担当の機会も、沢山、ご依頼を頂きました。

さらに、2024年には「リハビリテーション職種のマネジメント 結果を出せる組織づくり編 」を発刊させていただき、多くの読者の方より反響を頂きました。

紆余曲折の10年間でしたが、多くの方のご支援、ご協力のおかげで株式会社WorkShiftは存続することが出来ました。

本当に、ステークホルダーの皆様には感謝しかございません。

私自身、40歳後半になってから色々と健康面でトラブルもありますので、とにかく、健康に留意をして、経営者として邁進をしていきたいと思います。

天国にいる私の父親も自営業をしておりました。

親父に褒めてもらえるような経営者になるために引き続き尽力をいたします。

皆様、何卒、次の10年も何卒宜しくお願い致します。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

 

 

中途採用ばかりのリハビリテーション部門は課題だらけ!どうするべきか!!

採用者の大半が中途採用であるリハビリテーション部門は多い。

中途採用には「即戦力のリハビリ職種を獲得できる」というメリットがあるが、多くの場合、デメリットの影響が生じている。

中途採用のデメリットは次に示すようなものがある。

①新卒より採用コストがかかる
②職員の高年齢化が進む
③採用職員と企業の価値観が合わないため、企業文化が崩れる
④過去の職場の価値観にとらわれ、チームビルディングが困難になる(図1)
⑤一度、転職すると次の転職のハードルが低くなるため転職による退職リスクが高い

図1 中途採用のリハビリ職が多いとチームビルディングが難しくなる

中途採用のデメリットが多いにも関わらず、多くのリハビリ部門は中途採用の採用形態を変えることが出来ない。

なぜなのか?

筆者の経験上
新人を採用する採用マーケティングがわからない、出来ない
新人を採用した後の新人教育の仕組みがない
が主たる理由で中途採用ばかりの採用形態に依存しているリハビリテーション部門が多い。

しかし、中途採用では前述したようなデメリットが多いため、リハビリ部門のトラブルの要因となっている。

基本的には中途採用の比率を少なくして、新卒や経験3年目ぐらいまでの若手の比率を高めることが組織管理では重要である。

そのためには、新卒を採用するためのマーケティングや教育制度の整備が必須となる。

また、中途採用が多いリハビリテーション部門のマネジメントで留意したい点を次に示す。

①中途採用を多なう場合は、管理職などの何らかの責任を与える立場にする
責任が生じる役割、職位を与えることで、リハビリテーション部門の事柄が他人事でなくなり、自分事になる。

②リハビリテーション部門の理念・価値観と合う人材を採用する
面接・課題などを通じて、自社の理念・価値観と合うかどうかを厳密に審査をする。
採用フローを簡便にしすぎると、リハビリテーション部門の理念・価値観に合わない人が入職し、トラブルを勃発させる。

③リハビリテーション部門のルールを遵守させる。
中途入職者は前職での経験をもとに効率的に業務を進めようとする傾向が強いため、過去の自身のやり方を重視する。
そのため、チームビルディングを阻害する可能性が高い。
入職後に研修やOJTを実施し、既存ルールの理解を徹底させることが重要である。

このように中途採用しには厳しく関わることが求められるが
残念ながら
リハビリテーションの業界には
新人に厳しく
中堅・ベテランに緩い
という文化がある。

中堅・ベテランになると馴れ合い関係が構築される背景には
軋轢を生みたくない
人間関係を崩したくない
という保身がある。

しかし、リハビリテーション部門の責任者や管理者が保身の気持ちを持てば持つほど、中途採用者への関りは少なくなり、組織内に問題が起こりやすくなる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

なぜ、リハビリ部門にやらされ管理職は多いのか!?

経営者から院長に言われたから管理職を引き受けました。
給料が上がるから管理職を引き受けました。
管理職を引き受けなければ、その組織に居ることが出来ないと思い引き受けました。

このような理由で、リハビリ部門の管理職を引き受けている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がいるが、はっきり言って「管理職を舐めすぎ」である。

管理職は
リハビリテーション部門やそこで働く従業員の生活や命を守る職位である。

時に、職員を厳しく指導し
時に、経営者や院長に対して苦言を呈し
リハビリテーション部門の経営を健全化させる全責任を担っているのがリハビリテーション部門の管理職である。

本心では管理職をやりたくないのに、管理職を引き受けてしまった人を「やらされ管理職」と言う(図1)。

図1 やらされ管理職

やらされ管理職の人は、管理職を拝命した後に管理職を引き受けたことを後悔することが多い。

管理職を前向きに取り組む動機づけが乏しいので経営者や上司からの要求、組織内における人間関係の調整、リハビリテーション部門としての売り上げの確保などに強いストレスを感じるようになる。

その結果、管理職を辞めたい、ひいては、会社を退職したいという気持ちが高まり、退職に至ることが多い。

管理職が退職すれば、一時的に組織は混乱状態となる。

「管理職をやりたくない」のに「管理職を引き受ける」ことは、職業人としての判断が甘すぎると言わざる得ない。

しかし、一方で「管理職をやりたくない人」に「管理職に就かせようとする」会社側も、管理職を舐めすぎである。

このような会社は
管理職の位置づけが低い
管理職の育成を放置している
管理職を年功序列で就かせる
管理職の任命基準はない
管理職の離職率が高い
などの状況が多い。

管理職とは大きな責務と権限を担う職位である。

その職位を軽んじるような考えを持つ組織や個人がいると、組織は常に崩壊の危機に瀕する。

「やらされ管理職」を防止するためには次のような方策がある。
①職能基準書を作成し、管理職の役割、権限を明確にする。
②入職段階から人材育成を進め、管理職の適性の有無を判断する。
③管理職枠の採用を進め、管理職希望者を確保する。
④管理職の役割、権限に見合った給与等の条件を整える。

上記のような取り組みをしていない組織は、常に行き当たりばったりで管理職を抜擢する傾向がある。

皆さんの組織には「やらされ管理職」はいないだろうか?

もし「やらされ管理職」がいるのであれば、組織に根深い問題が存在していると思ってよいだろう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

医療法人様で三年目リハビリテーション職種を対象としたキャリアデザインセミナーを行いました!

2024年10月に兵庫県の某医療機関様にて株式会社WorkShiftの高木綾一がキャリアデザインセミナーの講師を担当させていただきました。

対象は三年目リハビリテーション職種の方でございました。

リハビリ職種の三年目の悩みとして多いのは次のようなものがあります。

①臨床業務が忙しく、一日が忙殺されあっという間に一日過ぎて、自分の仕事や人生を振り返る時間がない。

②リハビリ職種になる目標は叶えたが、次の目標が特に見つからない。

③特にやりたいことが見つからず、キャリアをどう展開してよいかわからない。

また、一方で医療機関やリハビリテーション部門としては三年目のリハビリテーション職種には現場におけるリーダーや教育者としての役割を期待したいところです。

医療機関やリハビリテーション部門が抱く期待とリハビリテーション職種が持つキャリアの不安をどのように調整してくのか?がキャリアデザインの課題となります。

ここで重要な点は、リハビリテーション部門側が実現してほしい目標を一方的にリハビリテーション職種側に強要をしてはならないことです。

なぜならば、リハビリテーション職種は一人の人間であり、それぞれの人が興味・関心・価値観を持っているからです。

人の興味・関心・価値観を完全に無視した組織側の目標設定は人のモチベーションを下げる可能性が大いにあります。

リハビリテーション部門の管理職は常に部下とのコミュニケーションを怠らず、部下の興味・関心・価値観を探っておくことが重要です。

キャリアデザインセミナーでは、年齢や経験年数別に応じたキャリアの在り方や組織が実施するキャリア開発について解説をしております。

近年はオンラインも活用して全国各地に実施することが可能となりました。

リハビリテーション部門のキャリアデザインセミナーに興味がある方はいつでも弊社にお問い合わせくださいませ。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

 

家族文化のリハビリテーション部門が陥る末路

これまで筆者は多くのリハビリテーション部門のコンサルティングを実施してきた。

ご相談内容として多いものの一つに
「リハビリテーション部門の雰囲気が緩くて、規律が守られず、人材も育っていない」というものがある。

このようなリハビリテーション部門は、いわゆる家族文化を有している。

組織文化は次の4類型に分けられる。

家族文化
和気あいあいとした空気の中でお互いを尊重することを重要視する。
仲の良さ・気遣い・一体感が求められる。

革新文化
開放的な雰囲気の中で、チャンスを求めて変化に対応する。
新規性・挑戦・革新が求められる。

官僚文化
秩序やルールを重要視し、手順を大切にする。
規律・共有・監理が求められる。

成果文化
競争意識を持ちながら、目標に向かって進むことを重要視する。
利益・採算性・効率性・アウトカムが求められる。

リハビリテーション部門は家族文化が多い傾向が一般的であるが、一方で経営難に陥っている医療機関や買収された医療機関は成果文化が多い。

家族文化のリハビリテーション部門ではドロドロした人間関係やパワーハラスメントなどはないため、一見すると良い職場に見える。

しかし、最大の欠点は「チーム全体がの調和が求められる余り、チーム全体と異なる意見を言いにくいことや、個人の突出した行動が評価されにくいため、個人が育ちにくい」ことである(図1)。

図1 家族文化を有するリハビリテーション部門

近年、リハビリテーション医療では
リハビリ職種の複数担当制
リハビリ職種の他職種連携
リハビリ部門における感染管理・安全管理
リハビリ部門の収益改善
リハビリ医療のアウトカム改善
などの重要性が増している。

これらの取り組みを成功させるためには、組織の課題に率直向き合い、リハビリ職種同士が是々非々の議論を交わす必要がある。

よって、家族文化が強いリハビリテーション部門では、様々な取り組みに失敗している事例が多い。

取り組みを推進させるためには、革新文化や成果文化が望ましい。

家族文化が強すぎることで、組織改革が上手く実行できていない場合、家族文化からの転換を図る必要がある。

筆者の経験上、家族文化が浸透しているリハビリテーション部門は理念が浸透していない場合や理念そのものの設定がなされていない場合が多い。

理念がないため、ビジョンやルールも存在しない。

そのため、特に守るべき行動規範もないために、それぞれのリハビリ職種が「好き勝手に働いている」ことが家族文化を生み出している根源と言える。

また、理念やビジョンは設定するだけでなく、リハビリテーション部門全体に浸透しなければ何の意味もない。

家族文化の打開には理念を活用したマネジメントが重要であると言える。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授