ワークライフバランス・ダイバーシティー時代におけるリハビリテーション部門の教育の在り方

筆者が理学療法士になった20年ほど前(2000年当初)の若かりし頃は、通常業務が終わった後の症例検討会や研修会への参加、土日祝の研修会参加、深夜までの研究データの測定など当たり前であった。

おそらく、年間の残業時間は1000時間ぐらいはあったのではないだろうか?(笑)。

しかし、時代は変わり、ワークライフバランスや働き方改革の推進されていることから、全国のリハビリテーション部門における就業前・就業後社内研修が困難となってきている

また、セラピストの仕事に対する価値観も多様化しており、固定化された働き方への理解は厳しい状況となってる。

ワークライフバランスやダイバーシティの概念が一般化された社会では、筆者が経験した昔のような体育会系の教育方法は不可能である。

それではこのような時代ではリハビリテーション部門における教育はどうあるべきであろうか?

時代は変わろうとも、理念→ビジョン→教育を明確にした上で、セラピストの教育方針を決定することが重要である。

理念やビジョンのない組織にはそもそも教育が存在しない。

なぜならば、目指すべき姿がなければ、教育の方向性が定まらないからだ。

また、教育方法に関しては就業時間内OJT・OFFJTを活用しながらも、外部の教育事業者のリソース(オンラインセミナー・対面セミナー)などへの外注も考える必要性がある。

残業時間抑制のため就業時間内での研修や内部人材の活用が難しい状況では、外部の研修やオンラインセミナーを活用することも教育方法としては価値がある。

さらに、個人のダイバーシティー化に対応するためのキャリアマネジメントの導入は必須と言える。

個人の仕事に対する価値観が多様化するため、組織によるキャリアマネジメントがない場合、個人の仕事に対する方向性がばらつき、その結果、組織力は低下していく。

個人の価値観を把握し、その価値観を組織に活かしていくためには積極的に個人のキャリア支援を行い、組織への貢献力を高めることが重要である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授