経営者と従業員では組織に所属している理由が根本的に異なる。
経営者は会社を大きくすることで利益を向上させ、自らの所得を高めていくことが目的である。
すなわち、経営者にとっては会社をより良くすることが、自分をより良くすることにつながる。
経営者は会社の利益があがれば、経営者の所得は大幅に上げることが可能である。
たとえ、税金対策で所得を上げなくとも、会社の経費をより使うことができる。
そのため、経営者は会社への思い入れが強い。
一方で従業員はどうだろうか?
従業員にとって最も重要なのは自らの生活を守ることである。
そのため、「安定をした給与を獲得すること」が重要となる。
誤解を恐れずに言えば、安定をした給与をもらうことがさえできれば、必ずしも今の職場にこだわる理由があまりないということである。
また、経営者と従業員の決定的な違いは会社の利益の増加による所得の向上の幅が同じではないことである。
しかし、これは致し方がないことである。
そもそも、経営者と従業員では背負っているリスクが違いすぎる。
経営者は財務的なリスクを背負いながら企業経営をしているから当然、従業員より所得が高くなる。
しかし、経営者が背負っているリスクを理解する従業員は少数派である。
それほど、経営者と従業員が置かれている立場は違うのである(下図)。
経営者と従業員が置かれている立場が違うことを前提とすれば、「経営者目線で働いてほしい」という従業員へのメッセージがどれほど恐ろしいものかわかるだろうか?
「安定した給与を獲得する」ことが目的の従業員にとって、会社の利益が大きく個人の利益に反映する経営者のように会社の利益や問題に感度を高めて仕事をすることは、ストレス以外何物でもない。
つまり、従業員にとって経営者目線という言葉は受け入れがたいものであるということだ。
では、どのようなメッセージを従業員に伝えることが重要だろうか?
それは、従業員一人一人の価値観を満たすことができるような働き方の支援のほかならない。
従業員の価値観を満たすことができる職場になれば、その職場は従業員にとって「なくてはならない職場」となる。
つまり、経営者目線ではなく、従業員目線が重要なのである。
皆さんの組織は経営者目線の指示が多いですか?
それとも、従業員目線の支援が多いですか?
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授
理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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