リハビリテーションの未来は明るいという根拠のないリップサービスはキャリアデザインには何の役にも立たない

2019年3月17日に開催された千葉県理学療法学会の特別講演に講師としてご招待をいただきました。

私が話したテーマは「これからの理学療法士のキャリア・デザイン」でした。

会場には300名を超す参加者の方がおられ、キャリア・デザインに関する関心の高さを感じました。

この特別講演で伝えたかったことは、日頃、キャリアコンサルタントとして活動している中で一番感じるキャリア・デザインの問題点である「キャリア・デザインに対するモチベーションの継続」でした(下図 当日資料スライド)。

キャリア・デザインに目覚めて行動を開始するが、徐々にその行動量が低下して、結局、今までと同じ生活・仕事のリズムに戻る方が90%以上であるという印象です。

すなわち、10%、10人に1人しか、キャリア・デザインを完遂することができないことになります。

それでは、なぜ、キャリア・デザインを継続的に行うことが難しいか?

これは、結局のところ危機感が乏しいからだと感じています。

経営と同じで、危機感を感じていない人にどれだけアドバイスやハウツーをお伝えしても、実践することはありません。

危機感が乏しいと、現状維持で良いという価値観が生まれやすい。

そのため、キャリア・デザインが尻つぼみになる。

このままではご飯を食べていけない、このままでは役割がなくなる・・・という危機感を心底感じなければ、人間の持つ生存本能が惹起されなくなる。

私は、危機を煽ることはしませんが、危機を正確に理解することは推奨しています。

危機を正確に理解すれば必ず、打開策が見えてくるからです。

リハビリテーションの未来は明るいという根拠のないリップサービスはキャリアデザインには何の役にも立ちません。

今一度、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が直面している危機を学ばれてはいかがでしょうか?

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 助教