今後の診療報酬改定・介護報酬改定に関するトレンドを箇条書きにした

2020年度診療報酬改定、2021年度介護報酬改定におけるトレンドや今後のヘルスケアビジネスの方向性を箇条書きにしました。

  • 急性期病棟  在宅(自宅)への移行率
    入退院支援加算・退院前訪問指導料・退院時共同指導料など急性期病院と在宅サービスの連携を強化する動きにより急性期から在宅(自宅)への復帰が推進される
  • 回復期リハビリ病棟 包括化&在宅支援
    7単位以上のレセプト請求が返戻・査定されていることやFIM実績指数を満たさないことによる単位数の包括化の流れから今後、回復リハビリ病棟そのものの包括化が検討される。
  • 老人保健施設 超強化型を超える施設基準
    現在、5類型の老人保健施設の下位レベルである「その他」「基本型」が廃止され在宅復帰が標準化される可能性が高い。
  • 疾患別リハビリ  施設基準に応じた算定基準日数
    リハビリテーション医療費の削減策として、脳血管及び運動器リハビリの算定制限が検討される。例:施設基準に応じた算定日数の設定・外来リハアウトカムの検討
  • 通所リハビリ  在宅回復期に応じた報酬&利用日数
    リハマネ加算Ⅱ以上や社会参加支援加算の算定内容に応じたアウトカム評価や短期集中リハビリの新類型などが検討され、通所リハビリの在宅回復期としての役割が期待される
  • 訪問看護  重度化対応の評価推進
    理学療法士等の訪問を中心とする事業所へのペナルティー(加算不可等)が生じ、訪問看護の重度化路線が強化される。
    一方、機能強化型訪問看護は条件緩和され、重度化への取り組みを促す。
  • 通所介護  ADL改善&栄養改善&重度化対応
    要介護者の最後の砦としての機能が期待される。具体的にはADLと栄養状態を維持向上させ、特別養護老人ホーム等への入所を抑制することが期待される。
    重度者対応型の通所介護が評価される傾向が強くなり、リハビリ特化型通所介護は斜陽となるため、経営上の対応が必要となる。
  • 外来リハビリ  外来リハアウトカム
    入院医療だけにアウトカムがあることが不公平であるとの意見があり、外来リハのアウトカムが検討されているが実施をするのは限定的になる可能性が高い。
  • 公的災害保険  地震・台風等の甚大な災害時の保険
    災害が多い日本において被災後の生活支援のために医療的・社会的リハビリテーションが必要であり、今後公的災害保険が検討される可能性がある。
  • 混合介護  介護保険サービス時に他のサービス実施
    介護保険サービス中に介護保険外サービスを提供することが解禁される可能性がある。東京都豊島区における混合介護モデル事業も大きな問題ないと言われている。ただし、混合サービスの導入においては介護支援専門員のマネジメントが必要とされる可能性が高い。
  • 保険外リハビリ  完全自費のリハビリテーションサービス
    地域包括ケアシステムでは、民間のサービスの活用も促しておりリハビリテーションも例外ではない。健康増進、疾患予防という観点では自費サービスは法律上問題ないため、今後も自費リハビリテーション市場は拡大していく。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授