収入を上げるために転職を繰り返すPT・OT・STは井の中の蛙セラピスト

医療・介護業界は転職が多い業界である。

特に、薬剤師・看護師・理学療法士・作業療法士は転職が多いことで有名である。

現代はインターネットが高度に発達しているため求人情報に簡単にアクセスできる。

また、医療・介護職は同職種間での情報網が発達しており、人材の引き抜きも日常的に行われている。

転職の理由は①待遇面②環境面③人間関係の悪化が多い。

こういった理由から転職を繰り返す人も多い。

後期高齢者の増加や要介護者の増加などにより、医療・介護関係の有効求人倍率が高いため多くの医療機関や介護事業所が慢性的な人手不足に陥っている。

その状況を利用して、転職を繰り返し、収入を増加させる人も多い。

しかし、転職 イコール キャリアデザイン ではない。

就職先の人手不足で転職した場合、マンパワーとしての労働力が評価されただけであって、個別の技術や能力が評価されたわけではない。

技術や知識の向上が伴わない転職で収入を増加させることに慣れてしまっている人は、キャリアデザインの重要性を感じることは難しい。

人手不足が解消されたとき、キャリアデザインを怠っていた人たちは一気に、落ち目になる。

今後の医療制度改革・社会保障制度の激変を視野に入れ、今からキャリアデザインを行っている人の将来は明るい。 877c8b7a18cc956b901260168feb9e18_s

「井の中の蛙」という言葉がある。

見聞・視野の狭いこと 昔の習慣・基準のみとらわれいること 外の世界を知らない ことを指す言葉である。

収入を上げるために転職を繰り返す理学療法士や作業療法士は、残念ながら井の中の蛙セラピストである。

キャリアデザインを伴わない転職は決して将来への投資にはならない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

新人セラピストの安易な就職先の選択はセラピスト人生の致命傷になる可能性がある

家からの通勤圏内で探しています
給料が少しでも良いところを探しています
大きな医療法人を希望しています
両親が○○病院に就職しろと言います

これらは、新人セラピストが就職先を選択する理由として実際にあるものである。

新人セラピストの最初の三年間は大きな意味を持つ。

最初の三年間は臨床現場で様々な課題にぶち当たる時期にであり、この時期に実践を通じて自身の専門職としての知識や技術を深めていく。

そして、何よりも
リハビリテーションとは何か?
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士とは何か?
ということを肌で感じる時期である。

このような大切な時期を漫然と過ごすと取り返しのつかないことになるかもしれない。

尊敬できる先輩セラピストがいない
評価から治療の展開を体系的に学ぶ機会がない
リハビリテーションに関する倫理感が低い
売上優先でロボットのように働く
人間関係が悪く、利用者中心で物事が進まない

このような医療機関や介護事業所に就職すると、もっともリハビリテーションに関して大切なことを学ばなければならない時期に無駄に過ごすことになる。

時間は有限。

失った時間は戻ってこない。

ライバルの新人セラピスト達は「目先の利益だけでなく、将来の利益のために就職先を選択」したかもしれない。

セラピストとしての競争は学生時代から始まっていることを自覚しなければならない。

既卒セラピストでも同様に目先の利益で転職をしないことが重要である。

目先の利益に飛びつくととんでもないしっぺ返しに会うことになるだろう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

リスク・テイキングができないセラピストはキャリア形成が難しい!?

プランドハプスタンスセオリーがキャリア形成には重要である。

本稿では本理論をよりキャリア形成で活かしていくための方法について説明する。

本理論は、 偶発的な出来事を意図的に生み出すように積極的に行動することで、キャリアを形成する機会に恵まれる と主張する。

「偶発的な出来事を意図的に生み出す」という意味は一見矛盾するように聞こえる。

「偶発的な出来事」とは、予期せぬ出来事、予期せぬ出会い、予期せぬチャンス、予期せぬリスク、予期せぬクレーム、予期せぬ依頼・・・・・など、自分が当初思い描いていない出来事が発生することである。

何かを行動に起こすことで人は、予期せぬ出来事に出会う。 これらの出来事には、プラスの内容もあれば、マイナスの内容もある。

プラスであっても、マイナスであっても自身の努力によって、その出来事を意味のあるものに変えていくことが重要である。

行動により生じる出来事を恐れていては、何にも行動は起こせない。 むしろ、生じた出来事を通じて、人間は成長する。

つまり、計画的に行動を起こすことにより、予期せぬ事態をあえて起こし、その出来事を利用して成長することが大切である。

プランドハプスタンスセオリーの実践には、以下の5つのスキルが必要である。

好奇心:新しい学習機会の模索

持続性:めげない努力

楽観性:新しい機会を「実現可能」と捉える

柔軟性:信念、概念、態度、行動を変える

リスク・テイキング:結果が不確実でも行動に移す

この5つのスキルは、保守的な人間にはハードルが高い。

特に、リスク・テイキングができないと本理論の実行は難しい。

不確実な中に確実さを探る勇気がこれからの時代では必要である。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、資格で守られた保守的な職種である。

それゆえ、リスク・テイキングという発想そのものがないセラピストも多い。

医療・介護制度が様々な変革を起こし、社会情勢が混沌としている今こそ、リスク・テキングを恐れず、行動を起こす時期である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 助教

PT・OT・STと看護師の連携は共通言語の理解が第一歩

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が看護師と連携をしなければならないシチュエーションは増えている。

特に、重症度の高い利用者や終末期対応が必要な利用者においては看護師との連携・協働は欠かせない。

しかし、連携・協働のハードルは高い。

当たり前であるが、看護師と理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は共通の教育を受けておらず、それぞれの分野で使用する言語が異なる(下図)。

また、各職種で取得している知識や技術も異なる。

そのため、連携・協働の実現には看護師と理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の双方の努力が必要である。

(無断転載禁止)

地域包括ケアシステムが伸展する社会では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はスペシャリストとして専門的な分野を追求するだけでなく、ジェネラリストとして他分野の知見を学んでいく必要がある。

ジェネラリストとして自己研鑽を積んでいなければ、イラストの事例のように看護師との実質的な連携が不可能になる局面が必ず現れる。

看護師との連携が出来ないことで最も不利益を被るのは利用者である。

地域包括ケアシステムは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の従来の在り方を大いに変節させている。

これからは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が社内研修などでも看護師や介護職などの他分野の学習をする機会を設け、看護師との共通言語を一つでも多く増やすべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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関西医療大学保健医療学部 助教

イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
問い合わせ先
Facebook https://www.facebook.com/Masaki.Fukuyama.PT
メール  big.tree.of.truth@gmail.com
Twitter  https://twitter.com/PT_Fukuyama
Instagram https://www.instagram.com/masaki.fukuyama

 

失業より怖いのはアイデンティティの喪失である 

失業は怖い。

失業をすれば生活困窮者となる可能性がある。

だから、失業は誰だって怖い。

しかし、本当に失業というものは、それほど怖いものなのか?

失業より怖いものは何か?

れはアイデンティティの喪失である。

アイデンティティとは 人が時や場面を越えて一個の人格として存在し、自己を自己として確信する自我の統一を持っていること である。

わかりやすく言うと、 「自分自身の価値観を自分自身で常に感じられ、その価値観を自我の中に取り入れている状態」 である。

よって、アイデンティティが保持できていれば、たとえ、失業しても、明確な価値観から次の人生の目標や行動規範が生まれ、前向きに人生を歩んでいくことができる。

しかし、アイデンティティを失うと、自分の価値観に基づく行動が発現されにくくなる。

特に、仕事とアイデンティティを同化させている場合、失業に伴いアイデンティティを喪失しやすい。

さらに、失業による経済的困窮が重なれば、自分の価値観の喪失と生格苦が同時に生じる。

これほどの、人生の危機はない。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士というアイデンティティがあるのではなく、自分のアイデンティティを理学療法士・作業療法士・言語聴覚士という資格を通じて、発現していく生き方が望ましい。

仕事とアイデンティティを同化させてはいけない。 アイデンティティさえ失わなければ、人生は明るい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 助教