医療機関・介護事業所の企業寿命が短くなっている現代ではPT・OT・STのセルフマーケティングが必要である

日本企業の寿命は平均23年と言われている。

一方で日本人が働く期間は50年前後と言われている。

つまり、働く期間より企業寿命の方が短い。

さらに、診療報酬改定・介護報酬改定が厳しくなっている現代では、医療機関・介護事業所の企業寿命は徐々に短くなっており、加えて2019年以降新型コロナウイルスの蔓延により小規模の医療機関や介護事業所の倒産や買収が増加している。

これらのことから言えることは、これからの時代において「所属先企業に依存した働きは明らかに危険である」と言うことである。

自分の能力を高めずに、所属先企業に依存した働き方をしていると、突然の倒産や買収などが生じた時に、転職等の対応を円滑に行うことが出来ず、厳しい労働環境に追い込まれる可能性が高い。

所属先に依存しない働き方を実現する手段として、セルフマーケティングが有効である。

セルフマーケティングとは、「自分の価値を構築し、市場と取引する能力」である。

簡単に言えば、「誰に何を供給するか?」と言うことである。

この場合、「誰」というのは、企業、個人、地域、自社組織、行政等である。

これらの対象者はニーズやウォンツを顕在的にも潜在的にも有している。

ニーズとは、不足している状態から渇望される欲求である。

ウォンツとは、ニーズから渇望された欲求を満たすものである。

つまり、セルフマーケティングを実施するためには「企業、個人、地域、自社組織、行政等がどのようなニーズやウォンツを有しているのかを知る」意識が絶対条件である。

ニーズやウォンツを知ることが出来れば、そこに提供するべき「サービス」があるはずである。

その「サービス」を、無形・有形として生み出すことを「価値」と言う。

「自分の価値を構築し、市場と取引する能力」を磨くことによって、個人の市場価値が向上し、組織や市場から必要とされる能力(エンプロイアビリティー)が格段に高まり、転職が容易となる。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療系の国家資格を有する人には、国家資格を取得することで「市場からの価値が得られたと勘違いする人」が多い。

毎年、国家資格の有資格者が大量に出現する現代では、国家資格自体の価値は低下している。

現に、理学療法士、作業療法士の年収はこの20年間、上がっていない。

今の時代ほど「セルフマーケティングが必要な時代はない」と言えよう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

 

キャリアデザインの重大課題!行動できない症候群!

医療・介護の職種にキャリアデザインの必要性が叫ばれて久しい。

診療報酬や介護報酬にて優遇されにくい分野や過剰供給が予測される分野で働く職種は戦略的なキャリアデザインが必要である。

特に、上記の理由から理学療法士、作業療法士、准看護師、放射線技師等の職種は今後、キャリアデザインは必須と言えよう。

しかし、キャリアデザインが必要性を頭ではわかっていても、行動に移せない人は非常に多い。

それでは、なぜ、行動に移すことができないのだろうか?

筆者の数多くのキャリアカウンセリングの経験から、行動に移せない人の特徴は以下のようなものがあると感じている。

①非常に優秀な人であるため、自分の行動の結果を先読みし、少しでもリスクがあると行動に移さない。

②失敗を悪と捉え、一度失敗すると立ち直れないと勘違いをしている。

③キャリアデザインの重要性を心底理解していないため、結果的に行動が中途半端になる。

簡単に言うと以下のような方が行動に移せない人である。
①はインテリの方
②は失敗したらどうしようが先立つ方
③自分の人生に向き合わない方

筆者はキャリアカウンセリングにおいてはこのようなクライアントに次のようなアドバイスを実施している。

インテリの方
リスクを取らないことの方がリスクになることが多い。
人生では正解だけを求めて行動すると不正解に出会った時の対処法を学ぶことができない。
リスクがある場合、リスクを管理しながら人生を前に進める方が前向きな人生になり、人生も好転しやすい。

失敗したらどうしようが先立つ方
そもそも、失敗しない人間に成功はない。
失敗しないと成功の方法が理解できない。
人生はトライ&エラーであり、トライしない人間にエラーはないし、エラーのない人間に成功はない。

自分の人生に向き合わない方
あなたはいつまで他人の人生の脇役を演じるかの?
自分の人生の主役は自分である。
自分の興味、関心、価値観を満たさない人生では永遠に環境の奴隷になる。
本当にそんな生き方でいいのか?

キャリアデザインには様々な理論があるが、上記のような問題がある人にどれだけキャリア理論を提供しても行動に移すことはない。

まずは、行動に移すため前提条件としてのキャリアデザインに必要な価値観を確立する必要があるだろう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

魅力がない臨床実習指導者問題

 

理学療法士・作業療法士の臨床実習指導者の要件は以下のように定められている。

実習指導者は、理学療法、作業療法に関し相当の経験を有する理学療法士、作業療法士とし、免許を受けた後5年以上業務に従事した者であり、かつ、厚生労働省が指定した臨床実習指導者講習会等を修了した者とする。

現在、臨床実習指導者を担当する場合は、臨床実習指導者講習会を修了しなければならない。

臨床実習指導者講習会では、実習に必要な各種要素(教育論、人間関係論、コンプライアンス、ハラスメント、治療プログラム、学生評価)について座学で学ぶ。

確かに、これらの各種要素は学生教育に有益なものであり、臨床実習指導者講習会は一定の効果があると考えられる。

しかし、臨床実習指導者講習会を受ければ臨床実習指導者として一人前と言えるわけではない。

特に学生は、臨床実習指導者の人間性を評価する傾向がある。

知識や技術がどれだけ長けていても、人間性に問題がある場合は臨床実習指導者として尊敬されず、ひいては理学療法士や作業療法士の魅力の低下にもつながる。

臨床実習指導者が否定的な言葉を学生にすることがあるが、これは最悪のケースである。

臨床実習指導者は理学療法や作業療法の専門性を伝授する立場ではあるが、一方でこれからのリハビリテーション業界を支える学生に理学療法士・作業療法士の魅力や可能性を伝える立場でもある。

つまり、臨床実習指導者は学生と接することで、学生の将来の仕事へのモチベーション向上やキャリアビジョンの構築に寄与する役割もあると言える。

理学療法士・作業療法士の過剰供給時代になり、給与面という物質的な欲を満たせる環境が少なくなる社会だからこそ、やりがいや生きがいなどの精神的な要素を学生に伝える必要がある。

臨床実習指導者はぜひ、リハビリテーション業界の魅力や理学療法士・作業療法士の可能性を語れるようになって欲しい。

投稿者
高木綾一

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イラスト提供
福山真樹
メディカルアナトミーイラストレーター

医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
福之画
https://fukunoe.com/
リハアート
https://workshift-online.com/rehaart/

 

 

組織や上司に不満を持っている人は自らの存在感を高めることが重要だ!

医療機関や介護事業所で働いている方の中には、経営者や上司より能力が高い方が多い。

物事を論理的に考えられる
利用者目線である
組織の発展を考えている
従業員の気持ちを理解している
などの特性を持つ人は総じて上司より能力が高い。

そのような人は、組織や上司の問題点に気づいてしまうため、組織や上司に対して不満を持ちやすい。

不満が高まれば当然、その組織で仕事を継続することがストレスとなり、退職の原因にもなる。

このような場合はどのような対処が可能なのだろうか?

自身にとって組織や上司は指示命令系統の上位に位置するため、当然、組織や上司に問題点の改善を指示することは出来ない。

そのため、組織や上司の問題点の改善を促すためには以下の2つの方法が有効となる。

①自らが出世することで、上司より上の立場になることである。ただし、上司を飛び越えて出世するのは、年功序列や保守的な考えが浸透している組織では実現が難しい

②組織内の課題解決に向けてリーダーシップを発揮し、周囲からの支持を集め、次世代リーダーとして組織内で認知されることである。次世代リーダーには支持者であるフォロアーが数多くいることから、組織も上司も次世代リーダーを軽視することは出来ず、次世代リーダーの意見を聞かざる得なくなる。

以上の2点に共通するのは、「自身の存在感を組織内で高める」ことである。

組織内で影響力を持つことにより、様々な意見に重みが出てくる。

愚策なのは「組織や上司の悪口や誹謗中傷を流布することで、状況を変えよう」とすることである。

このようなことをすれば、服務規程違反として組織からペナルティーを与えられる可能性が高い。

ただし、存在感を高め組織に対して貢献することが、最も組織や上司を変える方法であるが、もし、存在感を高めても組織や上司があなたを邪険に扱うならば、その組織は退職するに値する組織だと考えられる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

リハビリ部門人材育成では組織と個人のパートナーシップが重要である

人材育成は組織側の視点で行われることが多い。

人事考課制度などはその典型例であり、組織が求める人材のスペックを評価するものである。

しかし、セラピスト個人の視点から見ると、人材育成は「キャリアデザイン」のほかならない。

セラピストが、日頃の業務や教育研修などを通じてリハビリテーション専門職として価値を高めていく過程を「組織と個人」がどのようにデザインをしていくのか?がキャリアデザインの大きなポイントとなる。

リハビリ部門においてセラピストのキャリアデザインを推進していくためには、リハビリ部門で働くセラピストとのパートナーシップが重要となる。

それではリハビリ部門とセラピストのパートナーシップはどのように形成すればよいのだろうか?

まず、リハビリ部門は組織の目標を達成するためのセラピストに仕事を与えセラピストのキャリアを発展させる機会を提供する。

そして、セラピストは与えられた仕事の機会を通じて自身の価値を向上させる努力をする。

このように説明すると簡単に思われるが、この組織と個人の関係を継続するためには組織が個人を育てる意思、個人が組織に貢献する医師のすり合わせが極めて重要となる。

つまり、「組織と個人の方向性を整える作業」が組織と個人の双方に求められる。

しかし、多くのリハビリ部門では「組織と個人の方向性を整える作業」を怠ることが多い。

組織がセラピストの成長を考えずにロボットにように働かせる。

個人は自分がやりたい臨床だけをする。

このような関係では組織と個人の間にはパートナーシップは存在していない。

ぜひ、みなさんのリハビリ部門においてはセラピストと綿密にコミュニケーションをとっていただき、セラピストとのパートナーシップの形成をして頂きたい。

パートナーシップが形成されていない中において教育・研修を行ってもその効果は限定的なものとなる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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