リハビリテーション部門の改革は価値観の統一が肝である

リハビリテーション部門の戦略を見直します
リハビリテーション部門に人事考課制度を導入します
リハビリテーション部門の組織図を見直しました

などの話を理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の責任者より聞くことが多い。

しかし、
リハビリテーション部門の理念やビジョンを見直しました
リハビリテーション部門のリハビリテーション技術に関する方針を定めました
などの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の価値観を見直した話はほとんど聞かない。

しかし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の価値観を変えずに、戦略・制度・組織を変化させたとしてもその実効性は乏しい。

価値観は組織力の源泉である。

価値観は全ての従業員の行動を制御するものであり、価値観の変更なくして戦略・制度・組織の変更には何の意味も持たない。

価値観に基づく、戦略・制度・組織を設計しなければ、すぐにそれらは形骸化する。

別の言い方をすれば、戦略・制度・組織は価値観(理念・ビジョン)を実現するために存在するのである。

戦略・制度・組織は管理者の一存で決めやすいものである。

これらは書類の上で、構築でいることから、ついつい戦略・制度・組織をいじってみたくなる。

一方で、価値観の設定や普及は非常に労力のかかるものである。

この数年間で何度も戦略・制度・組織をいじっているリハビリテーション部門は注意である。

価値観の浸透なき、戦略・制度・組織の変更はなんの意味がないことを知って欲しい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

権限を与えずに責任を取らせる経営者や管理者はマネジメントのド素人

医療機関や介護事業所は一般企業と異なりマネジメントの作用が乏しい。

そのため、役割分担が曖昧となっている組織も多い。

また、院長や事務長などの経営層は経費削減の理由から、できるだけ多くの役割を特定の個人に依頼する傾向がある。

その方が、役職手当を削減できるからである。

しかし、このやり方には相当な問題がある(図1)。


(図1)無断転載禁止

組織設計の原則の一つに権限責任一致の原則というものがある。

役割に与えられる権限の大きさは、責任と同じ量でなくてはいけないというものである。

図の事例の漫画では、OT部門を統括する権限がないのに、OTの人材育成という責任が生じている。

つまり、権限<責任という状況である。

責任を果たすために十分な権限がないため、取り組む前から「あきらめ」が生まれる可能性が高い。

また、権限がない状況でOT部門にPTが介入するとOTからの反発が当然予想される。

そのため、PTとOT双方に不満が生じ、従業員満足度も著しく低下するだろう。

「権限も与えずに責任を持て」という発言は、組織設計を全く知らないマネジメントのド素人である。

権限を持っていない人に責任を負わせる行為は、上司の自己満足であり、担当者のやる気を軽視するという悪魔の所業である。

したがって、権限と責任を一致させるというのは大切なことである。

あなたの職場はいかがでしょうか?

権限と責任が一致しているでしょうか?

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
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リハビリテーション部門コンサルタント
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関西医療大学保健医療学部 客員准教授

イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
問い合わせ先
Facebook https://www.facebook.com/Masaki.Fukuyama.PT
メール  big.tree.of.truth@gmail.com
Twitter  https://twitter.com/PT_Fukuyama
Instagram https://www.instagram.com/masaki.fukuyama

整形外科外来リハビリテーションの役割は寝たきり予備群を救うことである

2019年より外来リハビリテーションでは要介護認定者が算定上限日数を超えてリハビリテーションを受けることが禁止され、算定上限日数を超えた場合は、原則、介護保険リハビリテーションに移行することになった。

そのため、外来リハビリテーションを生業の中心としている整形外科クリニックでは、ビジネスモデルの転換が必要とされている。

患者層の若返り
通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションの新設
フィットネスクラブなどの運動サービスの提供
など様々な取り組みを行う整形外科クリニックが増えてきた。

しかし、本来の整形外科クリニックの役割を見失ってはいけない。

来院してくる高齢者の寝たきりの伏線となる関節痛や活動性の低下を防ぐことは整形外科クリニックの重要な役割である。

整形外科クリニックに来院してくる患者の多くが、変形性膝関節症、肩関節周囲炎を罹患している(下図)。


(無断転載禁止)

変形性膝関節症が悪化すると、立ち上がり、歩行能力が低下し、屋外の移動が減少してくる。

また、肩関節周囲炎が悪化すると、掃除、洗濯、調理などが出来なくなり、訪問介護サービスなどを利用するようになる。

すなわち、整形外科疾患は大きく活動性の低下につながる。

活動性の低下は、社会参加への頻度も低下させ、引きこもりや寝たきりを誘因する。

そのため、整形外科クリニックで外来リハビリテーションを担当するセラピストは変形性膝関節症と肩関節周囲炎に対するリハビリテーション技術を高めなければ高齢者の寝たきりを予防することはできないと言っても過言ではない。

整形外科クリニックのは様々なビジネスモデルを模索するだけでなく、本来の役割である「患者様の運動器疾患を治して早く動けるように支援すること」をまずは実現するべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
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福山真樹

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リハビリテーション部門管理職の皆さん、部下を守っていますか?

私は起業する前は、大阪府内の大手医療法人にて法人本部長とリハビリテーション部部長として勤務していた。

リハビリテーション部門には多くのセラピストが所属しており、セラピストは医局、看護部、介護部、その他様々な部門との連携業務も沢山担っていた。

そんな状況であれば、当然、他職種と意見が衝突し、軋轢が生じることもしばしばあり、その中には医師よりセラピストが指導されたり、叱責をされることもあった。

しかし、時に度が過ぎる指導、叱責が医師からセラピストに行われることもあった。

所謂、パワハラに近い行為と言える。

このようなことは、他の医療法人でもよく生じているのではないだろうか。

その時、リハビリテーション部門の管理職の皆さんはどのような対応をしているだろうか?

当時、私は部下のセラピストに対するパワハラが生じたとき、医局に突撃し、その医師に対して、「私の部下にパワハラをすることは許さない」と強く抗議した。

先日、そのパワハラを受けていた部下を久しぶりに会った時にこう言われた。

「あの時に、医師に強く抗議をしてくれたことでこの職場で頑張ろうと思いました。部下を守ってくれる上司の下で働けたことを誇りに思っています。」

部下は常に上司の行動を観察している。

上司は組織や部下を守るために動いているだろうか?

上司は自らの身分を守るために保身をしていないだろうか?

貴方の部下が退職を申し出た時にはもう既に遅しである。

「部下を守る」という意識の重要性を今一度認識して欲しい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

誰のために事業を行っているかを見失っている医療機関・介護事業所は多い

筆者がコンサルティングをしているとこのような医療機関・介護事業所と出会う。

とにかく稼働率を上げるためにどんな利用者でも入院を受け取る

医療・介護技術が乏しいまま、難易度の高い利用者のサービスを行う

理念やビジョンは不明確だが、売り上げを上げる意思だけは明確である

このような事業所に共通しているのは、「誰のために事業をしているのか?」が全く理解できていないことである。

どんなに優れた医療機関や介護事業所でも世の中の全ての患者や利用者に対応できるわけではない。

ビジネスにおけるマーケティングの基本として「顧客ターゲットを決める」と言うものがある。

顧客ターゲットを絞ることで以下のようなメリットが生まれる。

自分たちの価値を伝えたい顧客を明確にすることで、顧客の反応が得やすくなる。

ターゲットとする顧客にニーズに答えることで自社の知識や技術などのノウハウが蓄積される。

ターゲットが明確なのでプロモーション活動が効率的に行える。

このようなメリットがあるにもかかわらず世の中には、
どような利用者でも受け入れる老人保健施設、通所介護、リハビリテーションクリニックが存在する。

このような医療機関・介護事業所は結局、自社の特徴を形成することができず、長期的なブランディングに失敗している。

ブランディングがうまくいかなければ、継続的な顧客の獲得は困難となる。

どんな利用者でもいい!という発想は今すぐに捨てるべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
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