毎年2万人近く増えるPT・OT・STの雇用を医療保険・介護保険分野で生むことはできない

PT・OT・STが毎年2万人。

10年で20万人

20年で40万人

今より増えることになる。

一方で、直近の医療・介護分野においては
回復期リハビリテーション病棟数の鈍化
回復期リハビリテーション病棟の取得単位数制限
地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション料の包括化
訪問看護ステーションからのセラピストの訪問を反対する勢力の存在
要支援者の日常生活支援総合事業への移行
通所リハビリテーション利用日数制限への流れ
などのセラピストの雇用が制限される制度改定や議論が行われている。

また、社会保障費は増える一方であり、リハビリテーションに関する費用の圧縮も当然検討される。

つまり、増え続けるセラピストの雇用の場が安定的に供給される状況が未来にはないことが容易に想像される。

今後は潜在理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が大量に生まれる可能性が高い。

資格者数が増えると潜在資格保有者が増える。

これは歴史が語っている。

潜在看護師は71万人
潜在歯科衛生士は15万人
潜在薬剤師は9万人

アウトカム志向が強くなる
年収の増加が期待できない
仕事内容が高度化してくる
女性の就業率が高くなる
などの状況と資格保有者増加が重なれば、必ず潜在資格保有者は増える。

しかも、2042年に高齢者の数はピークを迎え、その後、高齢者は減っていく。

国内市場の医療・介護の市場は縮小していくことが目に見えている。

このような状況を認識したうえで、PT・OT・STは自らのキャリアを発展させなければならない。

しかし、残念ながら多くのPT・OT・STは自身に降りかかる環境の変化さえ知らない。

病院の院長
介護施設の経営者
養成校の教員
リハビリテーション部門の管理者
はPT・OT・STの雇用が大変厳しくなる現実を学生・従業員にしっかりと伝えるべきである。

高い給料がもらえる、将来に渡り安泰であるという根拠のない甘い言葉で、セラピストのモチベーションを高めるのは詐欺行為である。

今こそ、現実を直視し、セラピストは自らのキャリアをデザインする時期である。