リハビリテーション業界にはびこる「あの人が辞めるからあなたが次の管理職になってください」が組織を崩壊させる件

突然の上司の退職
そして
突然の管理職への任命

これがリハビリテーション業界で頻発する「消去法的出世」である。

このような状況に立たされたセラピストは、上司の退職を憎み、管理職業務への不安を覚え、臨床以外の業務が増えることに対する不満を抱く。

もはや、このような心理状態になったセラピストは、仕事へのモチベーションをあげることができず、数か月から数年以内の退職を考えるようになる。

しかし、経営者や上司は「管理職手当がついたから大丈夫だろう」「給料をもらっているのだから、法人の指示に従うのは当然だろう」という考えを持っているため、管理職になったセラピストに対して援助的な姿勢ではなく、冷徹な姿勢で臨むことが多い。

このような状況で組織が良くなっていくことはない。

なぜならば、経営者や上司は決定的な誤りをしているからだ。

それは、管理職に就く者が、「管理業務」にコミットしていないことである。

セラピストは当然、リハビリテーションサービスを提供することを前提にリハビリテーション業界に飛び込んできている。

そのため、管理職をするという事に抵抗があるのは当然である。

抵抗がある限り、管理業務の質が向上することは望めないし、その結果、組織が良くなる可能性は低い。

したがって、経営者や上司がするべきことは、管理職に就く者が「管理業務」にコミットするための支援を行うことが極めて重要である。

消去法的出世という非常に情けない人材マネジメントから脱却し、計画的に人材を採用し、育成プログラムを実行しなければ、未来永劫、消去法的出世が繰り返される。

貴法人は大丈夫だろうか?

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授