仕事を辞めるか、続けるかの判断基準

誰しも仕事を辞めたいと思うことがある。

しかし、辞めたいと思うことと実際に辞めることは、まったく異なる次元の問題である。

仕事を辞めたいと思ったときに、やめるか、やめないかをどのように判断するかについての明確な論理的枠組みを持っている人は少ない。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士でも、仕事を辞めたいと思っているが、具体的な行動を起こせずに、ずるずると、不満や不安を抱えたまま仕事をしている人は多い。

そういう人は、周囲にも自分にも「働きたくないが働いています」という嘘をついている。

仕事をやめるか、やめないか?ということについて、明確な判断材料を持たずに過ごしていると、有限である人生の時間を無駄に過ごすことになりかねない。

多くの人は仕事を辞めることが正しいのか?正しくないのか?という予言者しかわからないようなことに悩んでいる。

しかし、悩んでも状況が打開されることはない。

仕事を続けるか?続けないか?の二択を、どのような視点をもって考えるべきか?

それは、仕事を続けること、辞めることのどちらが今の自分を肯定的に捉えることができるか?という視点である。

仕事を辞めることで自己嫌悪に陥ったり、自己否定をするならば、その退職は人生においてネガティブな出来事になってしまう。

しかし、仕事を辞めても自分を肯定的に捉えることができて、活き活きと次の仕事に取り組めるならその退職はポジティブな出来事だったと言える。

人は自分の価値観を自分の人生で満たすことができた時に、自分が自分の人生の主人公であることを実感できる。 e233fe3c3e536416799be83af4055c7e_s 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士という資格は同じであっても、有資格者の数だけ人生の価値観は存在する。

人生の価値観をどのように仕事において満たしていくか?を強く意識することによって、仕事を続ける、続けないかの判断を円滑に行うことができるだろう。

自分自身の価値観を否定していては、どのような場所で働いても精神的に疲れてくる。

つまり、働く場所が問題ではなく、自分自身の価値観が仕事においては重要であると言える。

自分の価値観を追及していれば、仕事を続ける、辞めるということは実はたいした問題ではない。

仕事を辞めても、自分の価値観を大切にして生きていれば、仕事を辞めたことに負い目を感じることなく、むしろ辞めた自分を誇りに思うことができる。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は病院のタイプや業務内容で就職先を決める傾向が強い。

そのような内容で、働く先を決めていると早晩辞めるか、辞めないかの悩みに襲われる。

自分の価値観を大切にする働き方をもう一度考えてみてはいかがだろうか?

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授