作業療法士という仕事

作業療法士の定義
1965年に定められた「理学療法士及び作業療法士法」により定められたリハビリテーション専門職の一つである。

法律上の定義は「厚生労働大臣の免許を受けて、「作業療法士」の名称を用いて、医師の指示の下に、「作業療法」を行うことを業とする者をいう。」となっている。

また、法律では『「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。 』となっている。

作業療法士の仕事場
上記の作業療法士の法律上の定義より、医師の指示を受けて作業療法を行うことが原理原則となっていることから、病院、診療所、老人保健施設などの医師が勤務しているところで働くことが一般的になっている。

介護保険分野で働く作業療法士が増えてきたのは、2010年前後からである。

特に、訪問リハビリテーションや老人保健施設に勤務する作業療法士が増加している。

作業療法士の仕事内容
作業療法士の仕事は一般的に以下の3つのステージに分けられる。

急性期
救急機能をもつ病院や大学病院などで、重症な患者に対して救急治療や濃厚な治療を行う時期である。術前・術後にリハビリテーションを開始する。病院によっては、集中治療室(ICU)でリ ハビリテーションを行うこともあり、高度な医療知識やリスク管理が求められる。作業療法士は急性期から自立した生活にむけたセルフケアや日常生活動作の獲得を支援する。

回復期
病状が落ち着き本格的に身体機能の回復と在宅や職場復帰のために環境調整を行う時期である。日常生活動作や日常生活関連動作の回復を図りつつ、住環境の調整を行うなどの取り組みを行う。在宅や職場で自立した生活が行えるように日常生活動作の指導や自助具などの使用方法についても検討する。

生活期
在宅生活や施設で生活をしている人への身体機能や活動性の維持・向上に関する支援を行う時期である。また、近年では重症な人や看取り期の人も在宅で生活をしていることから、急性期に関する知識やターミナルケアに関する知識が必要である。さらに、長い生活期では状態変化に応じた介助方法や日常生活動作に関して家族や介護者への支援も作業療法士の仕事である。 作業療法士の特徴として、以下に示す分野での就労がある。

精神科病院・デイケア
精神科作業療法を用いて、精神障害の方へリハビリテーションを提供する。個別あるいは集団療法により、症状の回復、安定を図る。また、環境整備や様々な体験を通じて、自己効力感の回復、生活技能の獲得を促進する。個別評価に基づき心理療法やレクレーションなど様々なアプローチを行う。

就業継続支援
通常の会社や企業に雇用されることが困難な障害者に対して,就労の機会を提供するとともに,就業に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業所。

作業療法士の数 理学療法士と同様に、作業療法士の数も急増している。 作業療法士人数

出典元:厚生労働省 2015年12発表 作業療法士従事者数

投稿者
高木綾一先生

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科