なんちゃって医療機関・介護事業所のベンチマークをクリアせよ

7:1急性期病床の削減や地域医療構想の具現化に向けた制度設計が進んでいる。入院医療から脱却し、医療の外来シフト・在宅シフトを実現することは、財務省と厚生労働省の一丁目一番地の政策である。すなわち、改革の対象は、7:1急性期病床を維持したい急性病院や今後の方向性を決めかねている中小病院・診療所・介護事業所である。

もう少し、わかりやすい表現を使うと、「なんちゃって急性期」となんちゃって「地域医療をしている医療機関や介護事業所」が改革の対象と言える。

数年に一回行われる診療報酬改定・介護報酬改定は、「なんちゃって」の定義の更新作業であると行っても過言ではない。現在、「なんちゃって」の定義に該当する可能性が高いものとして以下のものが考えられる

7:1病床なのに重症患者を診ていない
7:1病床なのに病床稼働率が高くない
7:1病床なのに在院日数が20日を超える人がぞろぞろいる
7:1病床なのに専門特化した医療分野が乏しい
回復期リハビリ病床なのに、6単位以上のリハビリをしていない
回復期リハビリ病床なのに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がバランスよく配置されていない
回復期リハビリ病床なのに、家屋調査をしていない
回復期リハビリ病床なのに、廃用症候群の患者ばかり
地域包括ケア病床なのに地域との医療・介護連携が不十分である
地域包括ケア病床なのに若年の元気な方が入院している
老人保健施設なのに在宅復帰の取り組みをしていない
老人保健施設なのにリハビリテーションに力を入れていない
通所リハビリテーションなのにリハマネ加算を算定していない
リハビリ特化型デイサービスなのに、筋トレ特化型デイサービスになっている
訪問看護ステーションなのに重症患者・24時間対応ができない
診療所なのに、walk in 患者対象の外来に執着し、地域密着医療を行っていない
診療所なのに、在宅医療や介護事業に興味を持たない
医療法人が在宅医療・老人保健施設・通所リハビリ・通所介護を副業感覚でやっている
・・・・・・・・・その他、沢山のなんちゃって。

これらのなんちゃってをどのようにして、解決していくのか。
それを考えることこそが、医療・介護経営の醍醐味であり最大の壁である。
すでに、国からメッセージは出ている。

危険信号が灯っている医療機関・介護事業所は今すぐに行動をするべきだ。