自分より能力の高い人と交流が少ない人は多い。
正確に言うと、自分より能力が高い人との交流がしたくない人が多い。
なぜならば、
自分より能力の高い人と交流すれば、その人との能力の差を感じ、その能力の差が、自分自身を傷つけることになるからだ。
よって、傷つくことを恐れて、自分より能力の低い人との交流を選ぶ人が多い。
自分より能力の低い人と交流すれば、自分が傷つくことはないし、時に、相手から認められ、優越感を感じることもある。
しかし、そのような環境に身を置くと、将来のキャリアにおいて取り返しのつかない事態を招く。
これからの社会においては、自分の能力を高めていくことは、益々、重要となってくる。
日本の終身雇用制は完全に崩壊しており、働く人の価値の高低が雇用の有無を決める最大の条件となってきた。
しかし、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師・薬剤師等の医療従事者は、自分が提供できる価値よりも、国家資格を振りかざして働いている人が多い。
そのような人は、資格に依存したキャリアを歩んでいる。
もし、近い将来、資格だけでなく、その人の価値に重きが置かれる時代になったとすれば、資格を振りかざした人たちは労働市場から総スカンを喰らうだろう。
たしかに、自分より能力の低い人たちと交流を持つことは、精神的には楽である。
しかし、そのようなことをしていると、全く自分の能力の棚卸ができず、能力の向上に必要な「能力の現状把握」が困難となる。
最も悲惨な状況は、自分の現状把握もできていないことに加えて、「自分はしっかりと価値提供ができている」と勘違いしまうことである。
これは、自分の能力の比較対象が自分より能力の低い人となっているために、生じる現象である。
自分の能力を伸ばしていくための、比較対象は、「自分より能力の高い人」や、「昨日までの自分」でなければならない。
付き合う人で人生は変わる。
キャリア開発をする上で、付き合う人は極めて重要である。