ハンバーガーショップを起業するものは企業家と言えるか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業する事例が増えているが、起業すれば全員が「企業家」になれるのだろうか?

そもそも「企業家」とは何か?

ピーター・ドラッカー曰く、「企業家」とは、「真の企業家は経営管理のという技術を用いて社会のイノベーションを実現する者」である。

ハンバーガーショップの起業家の事例を用いて説明する。

結論から言えば、ハンバーガーショップを起業する者は企業家とは言えない。

ハンバーガーショップを起業することで、当事者は食事を提供するというサービスは行っているが、これだけでは、企業家と呼ぶことはできない。

しかし、同じハンバーガーショップでもマクドナルドは企業家と呼ぶにふさわしい。

マクドナルドでは、顧客の満足を満たすための商品を決定し、その商品を安定的に生産するための生産工程を確立させている。

生産から顧客への販売のプロセスにおいては、サービスの早さ、清潔性、接遇などに配慮している。

また、それらを実現するための、人材育成や給与体系を整備している。

このような総合的な取り組みを行うことで、利益の最大化を実現している。

マクドナルドは画期的な商品やサービスを発明しているわけでないが、利益を最大化するための経営管理と言う技術を有している。

したがって、ハンバーガーショップを開設するだけでは、企業家の要件を満たすことはできない。

経営管理という技術を軸にした事業を展開することが企業家の条件だからである。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業しても、果たして「企業家」になれるだろうか?

通所介護
訪問看護
ネットショップ
予防事業
自費リハビリ
コンサルタント
などは誰でも起業できる。

起業家になれても企業家になれる人は一握りである。

起業家なら、企業家になれる努力を怠ってはならない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

 

テレワークとテクノロジードリブンの社会は決して華やかな世界ではない件

新型コロナウイルスによるテレワークの推進やテクノロジーの進展により、社会構造は大きく変わろうとしている。

テレワークとは何か?

情報通信技術を活用し時間や場所の制約を受けずに働くこと
「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語であり、日本では在宅勤務、リモートワークと呼ばれることが多い。

テレワークでは、人と人が顔を合わせることが少ないため、アナログなコミュケーションが乏しくなり、ITなどを利用したデジタル情報に基づくコミュニケーションが多くなる。

そのため、人間性の評価より、仕事の成果を評価する局面が増えていく。

同じ職場であれば、人当たり、優しさ、チームワークなど様々な人の情意面を感じることができるが、テレワークだとデジタル情報の交換が中心であるため情意面の情報が乏しくなる。

そうなると、人の評価は「成果」が中心とならざるを得ない。

また、AI、アプリ、ロボットなどのテクノロジーが進展すれば人間の仕事内容はより高度化が求められるようになる。

単純作業はテクノロジーが担い、より創造的で生産的な仕事を人間が担うことが期待されるようになる。

身近な事例を挙げると、Google社が提供しているGoogleフォームがある。

Googleフォームを用いれば、顧客が入力した様々なデータを簡単にデータ化し、グラフも作成してくれる。

つまり、人間が手作業でする手間を省いてくれているのだ。

テクノロジーが発展すればするほど単純作業から人間が解放されるが、その反面、人間の知識、技術、創造性の向上が必須となる。

オンラインや在宅勤務の進展が進めば進むほど、人間は高度化されたスキルが求められる上に、さらに、成果で判断されることになる。

このような状況にうまく適応できる人にとっては、テレワークやテクノロジードリブンの社会は幸せかもしれないが、適応できない人にとってはストレスが増加するだろう。

医療や介護でも在宅勤務やオンラインによる業務が増加していることが好ましいと思われがちだが、決してそうではない面もあることを認識するべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

 

 

 

 

キャリアデザインには「自己決定」と「相互依存」が重要である

仕事内容に魅力がなくなった
仕事へのモチベーションが下がった
人事異動があり、職場が変わった
結婚をして子供が生まれた
新しいプロジェクトの関与を命じられた
体調を崩し病気になった
など・・・人生には様々な節目がある。

こういった節目では、「今後の生き方」や「仕事に対する気持ち」について考えるようになる。

キャリアデザインにおいて、「節目」は非常に大切なイベントであり、大きく人生や働き方を変える契機となる。

節目で自身のキャリアを決めるのは、会社、上司、友人ではなく、人生の主人公である「あなた」でなければならない。

すなわち、自己決定こそが自身の人生を切り開く第一歩目となる。

だた、その自己決定には様々なものが影響する。

会社、上司、友人、恩師、組織、所属するネットワーク、家族、両親、妻、子供・・・。

こういった人たちからの意見や思いを大切にした自己決定である必要がある。

つまり、自己決定の裏には相互依存が存在するということである。 %e9%85%8d%e6%85%ae 「自身の生き方を貫く」ことが、キャリアデザインであるという風潮や意見があるが、自己決定と相互依存を意識することが真のキャリアデザインである。

自己決定が多くの人を幸せにしない可能性や社会に悪影響を与える可能性がある。

他者に対する配慮を取りながらの自己決定をしていく姿こそ、キャリアデザインでは重要である。

起業したい 転職したい 大学院に進学したい 退職したい などの決定をする時は、その決定により影響を受ける人に事前に説明し、理解をしてもらう努力が必要である。

自己決定の裏に相互依存がある。 これがキャリアデザインの本質である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

出来ることを増やすことでキャリアの選択肢が圧倒的に増える

自分のやりたいことが見つからない
将来の見通しがつかない
何をすればよいのかわからない

このようなことで悩んでいる理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は多い。

特に、近年はリハビリテーション職の有効求人倍率や給与水準の低下などが進んでいることから、リハビリテーション職に対する魅力が低下している人も少なくない。

では、「自分のやりたいことが見つかる」ことや「見通しが明るい」などの状況はどのようにすれば作れるだろうか?

それには、出来る(能力)→興味がある(関心)→やりたい(価値観)というステージを循環させることが大切である。

人間は出来ることにしか興味が出ない。

興味があることがいつしか自分の人生の大切な価値観に変わる。

例えば キャッチボールが出来るようになった→野球に興味を持った→野球と言うスポーツが自分の生活の一部になった ということは多くの野球少年が経験しているだろう。

脳卒中患者への臨床を生きがいにしているセラピストであれば、次のような経験をしている。

脳卒中患者のリハビリテーションがうまくできた→脳卒中に興味が沸いた→脳卒中の臨床が自分自身のアイデンティの一部になる

つまり、出来ないことは価値観にはならないし、価値観にないものは人生や仕事の目標にはならない。

したがって、出来ることを一つでも増やすことが、キャリアの選択肢を増やすことに繋がるのだ。 change 自分のやりたいことが見つからない・将来の見通しがつかない・何をすればよいのかわからないと言っている人は、「出来ることが一つもない」と言っていると同じである。

目の前の課題、目の前の臨床に出来ることのヒントは沢山転がっている。

目の前のことを一生懸命できない人は、永遠にしたいことはみつからないと言っても過言ではない。

まずは、出来ることを増やす。

これが、キャリア開発には重要である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
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国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
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関西医療大学 客員准教授

2020年1月24日(金)に岐阜県理学療法士協会主催のイベントにて高木綾一がセラピスト向けのキャリアデザインセミナーの講師を担当いたしました

2020年1月24日(金)に岐阜県理学療法士協会主催のイベントにて株式会社Work Shift代表取締役 高木綾一がセラピスト向けのキャリアデザインセミナーの講師を担当いたしました。

会場には100名近くの参加者をいただきました。

このセミナーでは
セラピストになぜキャリアデザインが必要であるのか?
キャリアデザインの原理原則
キャリアデザインの実践方法
などを実例を交えながらご解説をさせていただきました。

このセミナーが終わった後には多くの参加者よりセミナーに関する感想やキャリアに関する悩みのメールをいただきました。

また、セミナーに参加した現在、高校生の方からもメールをいただきました。

この高校生は今年4月より大学に進学し理学療法を専攻するとのことで、大学に入学する前に心構えを知りたかったとのことでした。

とてつもなく意識の高い高校生がいると感心いたしました。

本セミナーを通じてセラピストのキャリアデザインは喫緊の課題であることを改め認識いたしました。

今後も、キャリアデザインに関する良質なコンテンツを提供できるよう精進してまいります。

キャリアデザインや組織マネジメントに関するセミナー講師の依頼は随時受け付けております。

弊社ホームページよりお気軽にお問い合わせください。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
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医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授