キャリアデザインの本質は「自己決定」である。
自分自身の価値観に基づき、自分自身で行動を決定する。
自己決定ではない、他者決定のキャリアデザインはモチベーションが継続せず、いつしか、「環境の奴隷」と化してく。
よって、自己決定の精神でキャリアデザインを進めることは最重要課題であると言える。
しかし、一点、留意しなければならないことがある。
それは、「自身のキャリアは他者に影響を与える」という視点である。
人間は一人では生きていけない。
社会的なコミュニティー中で生きている。
よって、自分の行動は他者に影響を与える。
その影響は、良い影響もあれば悪い影響もある。
したがって、自己決定だけでなく、他者の配慮もキャリアデザインには必要である。
図1は自己決定が周囲に与える影響の違いを示している。
キャリアデザインは自己決定が原則であるが、自己決定に至るまでに自分自身の興味・関心・価値観を自身と利害関係のある人たちに自己開示することが大切である。
興味・関心・価値観を自己開示することで、周囲の人たちは「この人はこんな夢があるんだ」「この人はしっかりした考えを持っている」と感じるようになる。
その結果、新たな行動を決断した時に、周りの人からの応援を得やすくなる。
しかし、日頃から利害関係のある人たちとコミュニケーションをとらず、自身の想いを語らなければ、周りの人は「あの人は何を考えているのかわからない」と感じる。
その結果、新たな行動を決断した時に、あまりに唐突な行動に周囲は驚き、唖然として、最終的には批判される可能性もある。
人生において新しい選択をした時は、それなりの困難を伴う。
その困難を乗り越えるためには、自分の能力だけではなく、友人、知人などの支援が必要である。
しかし、支援をしてもらうためには、「応援されるキャリアデザイン」が必要となる。
「あいつの夢を応援してやろう」、「あの人が困っているなら助けてあげよう」と思われることが重要である。
そのためには、常に自分の興味・関心・価値観を周囲の関係者に語るといったオープンマインドな姿勢を持つことが重要となる。
投稿者
高木綾一
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授