院長や経営者が会社のことなんかわかるはずがない。
会社を変えることが出来るのは中間管理職である。

筆者が全国でコンサルティング事業・セミナー講師をなどを行っていると次のような質問(愚痴?)を受けることがある。

うちの院長は会社のことなんか何も知りません
うちの経営者は現場のこと理解せずにどんどん指示を出してきます
経営者は現場の仕事を知らないくせに、偉そうにしてます
など、など・・・・

大変、生産性の低い質問と思いながら私は毎回同じ事を答えている。

実は、この質問(愚痴?)に対する答えは明瞭である。

「院長や経営者が会社のことをわかっていないのは、当然じゃないですか。特に現場業務なんかわかるわけないですよ。全ての現場を経験している訳でもないし、院長や経営者にのご自身のしなければならない別の現場があるのですから」

院長や経営者が会社こと、現場のことを知らないのは当たり前である。

例えば、中小病院で介護事業も行っている院長を想像してみよう。

週3日程度、外来を担当し、午後からは経営会議や銀行や業者との折衝をし、さらに、夜は医師会の集まりに行っている院長がどうやって、各病棟の状況や各介護事業の現場の状況を知ることができるのか?

また、介護事業所の経営者は異業種の事業をしていることや、自身が介護支援専門員だったりと自分自身も忙しい。

そんな人が現場のことを知っている訳がない。

だからこそ、組織には中間管理職が配置されているのである。

院長や経営者は、中間管理職からの情報でしか現場の状況を確認することが出来ない。

言い換えれば、「中間管理職がどれだけ有用な情報を上げて、院長や経営者の意思決定や行動に影響を与えることができる」かが、組織運営にとって重要である。

したがって、院長が現場のことを知らない、経営者は何も知らないと言って批判している人は、院長や経営者とのコミュニケーションが不十分であり、また、自分が院長や経営者を操れる立場にいることを認識していないと言える。

また、院長や経営者は会社経営を辞めたとしても生活に困らない人が多い。

他の事業を持っていたり、資産を持っていたりする。

しかし、会社で勤めている社員はその会社が倒産すれば、困るのは自分たちである。

だからこそ、中間管理職は現場の状況を経営者に伝え、論理的な対策について語る必要がある。

中間管理職のあなたは院長や経営者に有用な情報を日々上げていますか?