「動作分析はできませんが、活動・参加は促せます」は詭弁

理学療法士の専門性は基本的動作能力の改善

作業療法士の専門性は応用的動作能力の改善

これは法律で定められていることである。

2015年度介護報酬改定にて、利用者の活動・参加の推進が強くなって以来、活動・参加に尽力するセラピストが増えている。

これは素晴らしいことであり、本来のリハビリテーションのあるべき姿である。

しかし、一方で、心身機能と活動・参加の介入のバランスが偏っているセラピストがいるのも実情である。

まずもって、理学療法士・作業療法士は基本的動作能力、応用的動作動作能力の分析ができなければ、本末転倒である。

しかし、動作分析が全くできず、利用者のポテンシャルを引き出せないセラピストが急増している(下図)。


(無断転載禁止)

動作に対する評価や治療は、活動・参加を推進する土台である。

動作分析をもろくにせず、ただ、活動・参加を促すのでは、活動・参加が心身機能を改善させることもないだろう。

動作を構成するのは各関節運動である。

そして、各関節も大関節から小関節で構成されている。

したがって、理学療法士・作業療法士は、活動・参加、そして、動作、関節運動を包括的に見れる能力が必要であり、それが他のライセンスとの差異であろう。

動作分析ができる人が活動・参加に取り組む。

活動・参加ができる人が動作分析に取り組む。

こんなことが当たり前になる時代にならなければ、セラピストに未来はない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

イラスト提供
福山真樹
理学療法士×イラストレーター

医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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