やるやる詐欺への対応は言葉ではなく行動の評価である

部下の成長に悩んでいる経営者、管理職は多い。

その中でも、以下のような問題社員は多い。

面談すると「頑張ります」「やる気はあります」とモチベーションがあるように感じるが、実際の仕事ぶりは全く期待に届かない。

みなさんの周りにはこのような人はいないだろうか?

指導をすると、がんばります、やります、改善しますと言うが、実際の業務では一向に改善されない。

私はこのような現象を「やるやる詐欺」と呼んでいる。

言葉では「やる」と言っても行動では「やっていない」が継続している状態が「やるやる詐欺」である。

それでは、なぜ、このような現象が組織内では頻回に生じてしまうのだろうか?

それは、経営者や管理職が従業員の「言葉」を評価して「行動」を評価していないことに尽きる。

人間は言葉に弱い。

前向きなことを言われたら「一度信じてみよう」「前向きになったな」など改善するのではないか?という期待を簡単に抱く。

つまり、簡単に経営者や管理職は従業員に言葉でだまされるのである。

従業員にだまされる経営者や管理職がいる組織では「やるやる詐欺」が常態化されやすい。

人を簡単に信用する人は、その人の「言葉」を評価する傾向が強く、実際の「行動」を評価することが苦手であることが多い。

なぜならば、実際の行動を評価するためには、「求める行動の水準」を明確にしなければならないからである。

「求める行動の水準」を明確にして、組織内や従業員にその考えを浸透させるためには経営者や管理職のぶれない理念や信念が必要となる。

人材不足
人員基準
理念や信念を貫く熱量
など様々な要因によって人は簡単に「求める行動の水準」を変更してしまう。

そのため、従業員の「行動」を評価することを軽視し、業務上の問題が生じると面談を繰り返し、そして、また、「言葉」を信じてしまう。

やるやる詐欺を防止するには、「行動」の評価である。

厳しい言い方をすれば、「行動」の信賞必罰が出来ない経営者、管理職、組織であるならば、やるやる詐欺を防ぐごとは不可能である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授