セラピストあるある テクニック信奉者は病理や生活を軽視したリハビリテーションを展開する

セラピスト業界には、ハンズオン技術に長けている人が多い。

手つきが非常に繊細で、見ていても非常に「見栄え」のする治療シーンが展開される。

このようなセラピストは、セラピストからもある種の憧れを持たれることがある。

しかし、残念ながらテクニックだけに傾倒する「テクニック信奉者」がいる。

「テクニック信奉者」は、ハンズオンのテクニックには長けているが、患者の病理、疾患、生活パターンなどに興味を示さないため、結果として、非常に質の低いリハビリテーションを提供することになる(下図)。

痛みや関節可動域の可動域の改善にばかり目が向いて、患者の日常生活動作の改善や病気にあわせた生活指導などを軽視してるセラピストが典型的な事例である。

ベッドの上で瞬間的に痛みや可動域が改善しても、日常生活でのQOLが低下している状況はリハビリテーションが成功しているとは言えない。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の中には、生理学、病理学、薬理学、手術、生活パターンなどに対して興味を示さない者がいるが、そのような者が真のリハビリテーションを展開することはできない。

患者や利用者の生活や人生を支援する仕事が理学療法士・作業療法士・言語聴覚士である。

ハンズオンテクニックのみでベッド上だけのQOLだけに拘る「テクニック信奉者」はこれからの時代には通用しないセラピストである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
問い合わせ先
ホームページ https://fukunoe.com/
Facebook https://www.facebook.com/Masaki.Fukuyama.PT
メール  big.tree.of.truth@gmail.com
Twitter  https://twitter.com/PT_Fukuyama
Instagram https://www.instagram.com/masaki.fukuyama