セラピストにとって認知症ケアのスキルは必須である

日本の高齢化は世界でもNo1の水準である。

そのため、リハビリテーションの対象となる高齢者が以前に増して年齢の水準が上がっている。

高齢者になれば高齢者特有の心身機能の問題が出現する。

その一つが認知症である。

政府の推計では2025年には65歳以上の5人に一人が認知症といわれている(図1)。

図1 認知症患者の推計(内閣府資料)

認知症が進行している人のリハビリテーションでは、口頭支持が入らないことや、リハビリテーションが拒否されることなどがしばしばである(図2)。

認知症患者とコミュニケーションがうまくいかないことや、拒否されることで患者に対して何をしてよいのかわからず混乱しているセラピストも多くみられる。

しかし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は認知症に対する対応、すなわち、認知症ケアに関するスキルを養成校時代や卒後就職先で取得することは稀である。


図2 認知症に対応できないセラピスト
(無断転載禁止)

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の中には、認知症の症状や原因すら理解をしていない人もいる。

このような状態では、認知症患者へのリハビリテーションなどうまくいくわけがない。

そのため、今後、医療機関や介護事業所は認知症ケアはセラピストにとって必須となるため、早急に認知症ケアの研修や実践の体制を整える必要がるといえるだろう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

イラスト提供
福山真樹
理学療法士×イラストレーター

医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
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