セラピストの職域拡大の鍵は、「企業との連携」にある

理学療法士等のセラピストの過剰供給が顕在化している。

既存の医療・介護分野の事業モデルでは、毎年、1万人以上のペースで増え続ける理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の雇用を継続的に維持することは困難である。

65歳以上の高齢者の数は、2042年でピークを迎え、その後急速に減少していくと予想されている。

また、2040年以降の日本国全体の人口減少も著しくなる。

つまり、これからの未来では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の雇用の場はジリ貧となる。

したがって、現状の医療・介護分野の事業モデルだけでなく、セラピストが活躍できる「場」を作って行かなければ、セラピストの雇用の絶対数は減少する。

そのため、現在、セラピストの各種職能団体より、「新たなセラピストの活動の場」が提案されている。

しかし、現実的には、「新たなセラピストの活動の場」を現場の「イチ理学療法士」・「イチ作業療法士」・「イチ言語聴覚士」が開拓することは極めて難しい。

新しい職域を開拓するためには、優秀なマーケティング能力が必要である。

しかし、マーケティングに関してセラピストは学ぶ機会は皆無であり、そもそもマーケティングの意味さえもわからない人がほとんどである。

 

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そのような状況で、「新たなセラピストの活躍の場」を作るには、どのようにすれば良いか?

それは、「企業と連携してセラピストの能力を社会に活かす」ということである。

企業は、資金力・販促ルート・既存顧客・人脈などを持っている。

その企業にセラピストの能力を活用してもらい新たなサービスや商品を作り出すことが、最も効率の良い方法である。

また、セラピストが新しい取り組みをした場合、様々なところから「イチャモン」がつく。

そのような「イチャモン」が発生しても、企業の場合は顧問弁護士などを通じて法的な立場から対応をしてもらえるというメリットがある。

セラピストの能力が活かせる業界との接点を持つためには、企業展示会、異業種交流イベント、ヘルスケア関連の学会などに参加すると良い。

セラピストが企業と連携をする。

そんな時代が10年後には常識になる前に、今から行動することをオススメする。