セラピストも学び直しが必要な時代

セラピストの過剰供給
社会保障費の圧縮
医療機関や介護事業所の飽和
などにより、セラピストの労働市場はどんどん厳しくなっている。

そのため、セラピストには労働市場を生き抜くだけの知性や能力が必要となっている。

現在、政府は社会人の学びなおしに関する支援を強化している。

そもそも日本人は、一度、社会人になると専門学校や大学などの教育機関で「学び直し」を受ける習慣がない(図1)。

「学び直し」が習慣化されていない理由は次のようなことが考えられる。

終身雇用の神話を信じている人が多い
国家資格取得者は永遠に雇用があると信じている
好きなことを仕事にしていくと言うマインドが少ない
我慢して仕事をすることを美徳と考えている

これらの理由から、あえて違う世界に飛び出して勉強をするインセンティブが作用しないと考えられる。

学び直し図1 2018年7月30日 日本経済新聞より抜粋

しかし、現実は次の通りである。

既に終身雇用制は崩壊している
国家資格取得者も余りつつある
我慢して仕事をしていると鬱になる

よって、セラピストの学び直しの必要性は高い。

大学院でより専門性を高める勉強を行う
専門学校で他の医療資格を取得する
社会福祉士や臨床心理士などのリハビリテーションと関連する資格を取得する
財務会計やマネジメントに関する学びを深める
などは、現実的な学び直しの選択肢である。

日本人の働き方改革は、学び方改革の一面を持つ。

働きながら自分を成長させ、どんどん新しい自分になるために、どんどん学びを深めていく。

そんな時代に突入している。

執筆者
高木綾一 セミナー講師 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士 修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科