マネジメントなき医療・介護専門家集団は烏合の衆

医療・介護職の多くは専門家である。

専門家は自身の分野には長けているが、他の分野には長けていない。

多くの医療・介護事業所は専門家を雇用し、専門家の専門家による専門家のための業務を容認している。

この現状を経営者は「権限移譲」という言葉で誤魔化している。

これは「権限移譲」ではなく、ただの「マネジメントの放棄」である。

マネジメントを放棄した組織の典型例は、組織内で何か問題があると「専門家である職員が悪い」という結論が導き出される組織である。

「専門家である職員が悪い」のではなく、「専門家である職員が悪いという結論が、安易に導き出される組織」が悪いのである。

くしくも、時代は地域医療連携、地域包括ケアシステム、ワークライフバランスの時代。

さまざまな組織の経営資源を統合し、有効活用しなければならない時代である。

専門家の能力をどのように組織の価値創造に寄与させるのか?

この命題に立ち向かえる医療・介護事業所だけが2025年以降も生き残ることができる。

医療・介護職や事業所は「情報共有が大切です」と述べることが多いが「理念の共有が大切です」と述べることは少ない。

情報は共有しても実は大して意味がない

その情報をどのように活用するのかについての行動指針となる理念がはるかに大切である。

会議の場で、情報を共有しても反対意見ばかりが飛び交う、否定的な反応が多い、建設的な意見がでないことは多くないだろうか?

これは、情報をどのように活用するかについての理念が理解されていないことが原因である。

規律や自律がなく、「ただ集まっただけの群衆」を烏合の衆と呼ぶ。

皆さんの事業所は理念を共有した組織か?はたまた、ただの烏合の衆か?

診療報酬改定・介護報酬改定・医療制度改革は烏合の衆の大掃除を狙っている。