理学療法士や作業療法士は、機能障害にアプローチをすることで能力を改善し、社会的不利を緩和していく。
この大原則が現在崩壊しつつある。
機能障害を見つけることができず、漫然と基本動作やADL練習のみをするセラピストが増えていると実感する(下図)。
筆者がコンサルティング先のセラピストや学会の演題者に、「この症例の機能障害、すなわち、心身機能における問題点は何ですか?」と質問すると、「機能障害は不明確ですが・・歩けないので歩く経験を増やして運動学習をしています」などの返答が返ってくる。
近年、活動量の増加や運動学習の重要性が明らかになっていることから、「運動そのもの」の量を増やす場面を散見するがこのことは全く否定するものではない。
しかし、理学療法士、作業療法士が機能障害を不明確にしたまま、動作練習を繰り返すのは、理学療法士、作業療法士という専門性を放棄していると言っても良い。
機能障害の同定を放棄するという行為は、医師が病巣の発見をあきらめて、とりえず手術や投薬をするということと同じである。
近年、回復期リハビリテーション病棟ではFIM利得がアウトカムとして求められるようになっている。
FIMでは、ある動作ができるか?できないか?ということが判定材料となっている。
そのため、動作の質ではなく、動作が出来るかどうか?が重要視される風潮が高まっている。
理学療法士、作業療法士が機能障害への評価や治療せず、基本動作やADL練習そのもに傾倒するようになれば、それは医学や科学を学んだ国家資格者として大変恥ずかしいことである。
ADL訓練反復士か
機能障害を治療して、活動、参加を促せる理学療法士、作業療法士か
あなたはどっちを目指していますか?
株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授
理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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