三流リハビリ部門・看護部門・介護部門によくある人事と切り離された教育は戯言である

教育と人事のプロセスは一つのことを成し遂げるために、存在している。

それは、「法人の理念を実行できる人材を輩出する」ことである。

教育というのは、様々な分野に関しての知識と経験を教授し、一人の専門職として医療や介護の現場で、理念に沿って自立して行動できるように働きかけるものである。

教育は、医療・介護事業において最も重要な資源である人材をより有効な資源に変化させるための最強のツールである。

しかし、その最強のツールが最弱のツールに変化することがある。

それは、教育と人事が切り離されている場合で生じる。

人事は、企業や組織における採用活動、昇進、出向、人事制度運用、報酬・福利厚生、労務を行う業務である。

採用は、理念や組織の方針に共感した人材を採用する最大のチャンスである。

採用機能が弱い事業所では、理念や方針に共感していない人が沢山入社している。

理念や方針に共感していない人をいくら濃厚に教育したところで、法人の理念を実行する人材にはならない。

どんな人でも採用してから、教育すれば何とかなるではないの?と多くの方から声が聞こえてくるが、それは戯言である。

お金儲けが目的の事業所
離職率が高い事業所
理念の本質が理解できない経営者が運営している事業所

このような事業所では、採用機能が脆弱になっており、組織の理念も方針が完全に形骸化し、理念に適合しないどうしようもない人材が多く事業所内で働いていることが多い。

昇進は、理念を実現するために適材適所に有能な人材を配置することである。

しかし、昇進をくだらない判断で行っている事業所も多い。

前任者が辞めたから、この人を昇進させよう
数字責任を負わせたいから、役職者を設けよう
指示命令系統を明確にしたいので誰でもよいから役職者にしよう

このような事業所では、管理職は使い捨てであり、会社の歯車としてだけ動くことが要求される。

三流組織

世の中の三流医療・介護事業所では、人事と教育は切り離されて運用されている。

どれだけ教育を充実させても、人事機能が乏しければ教育の効果は表れない。

しかし、人事と教育が切り離されている三流医療・介護事業所は、人が育たないのは現場の教育が悪いからだと現場に責任を問う。

人事と教育は、統合されたものでなければならない。

一体的な採用・教育・昇進の取り組みが機能する医療・介護事業所は、二流、一流の組織になることができる。

ぜひ、リハビリテーション部門、看護部門、介護部門は教育だけでなく、どうか採用と昇進に関する人事権も掌握していただきたい。

採用と昇進の人事権を移譲してくれない法人や会社であるならば、もう、それ以上の発展はなく、永遠に三流の医療・介護事業所になることを覚悟しなければならない。