個人のキャリアにもBCPが必要である

BCPとは事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字を取った言葉である。

事業継続計画とは、災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画である。

近年は、新型コロナウイルス感染拡大、台風、地震などの災害により企業経営の継続が困難となる事例がふえていることから、BCPは注目されている。

2021年介護報酬改定では全介護事業所・施設にBCPの策定が必要とされる予定である。

しかし、このBCPは企業経営だけに必要なものではない。

個人のキャリア戦略においても重要である。

人生には転機がある。

職場をやめたい
病気になった
やりたいことが見つかった
経済的に厳しい
失業した
親の介護をしなければならない
など・・・

人生には想定外のことが起こる。

想定外のことが起こった時に「何の判断もせずに、何もしない」とどんどん状況が悪化してく。

したがって、「転機を乗り越える能力」は人間にとって大変重要なものである。

転機を乗り越えるための理論はいくつか存在しているが、最もシンプルな方法は「自分自身のコンテンツを明確にしておく」・「信頼関係のある仲間を増やしておく」ことである。

この二つの要件を満たしている人はキャリアにおけるBCPを備えている。

自分自身にコンテンツがある人は自分自身の商品価値を他者や市場に理解させやすいため、市場や人脈からのアクセスが増えやすい。

また、信頼関係が醸成されている人はあなた自身を他者・他社に紹介してくれる可能性が高くなる。

また、信頼関係のある人は
情報の提供
行動への後押し
直接的な支援
を提供してくれる可能性があり、これらがあるとないでは大きく行動が異なってしまう。

平たく言えば、人生の困難な時に周囲の支援が得られる状況を作っているほうが円滑に困難を乗り越えることができるということである。

自分のキャリアの継続性を高めるためのBCPの要件は二つである。

コンテンツの確立
信頼できる仲間

不透明な世の中ではこれらの要件が益々重要となる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授