介護保険事業をリハビリスタッフに丸投げしてくる経営者はヤバいから気をつけろ

医療機関の経営者は本業の医業で経営が行き詰まってくると、相当な確率で「介護保険事業をしよう」と考える。

確かに医療機関と介護保険事業の親和性は高い。

在宅復帰の取り組み
在宅療養患者の増加
看護師・リハビリ職などの介護保険事業での活用
医療ー介護の連携の推進
などを理由として医療機関が介護保険事業に勝機を見出すことは一般的なことになっている。

しかし、医療機関が介護保険事業に乗り出す時に、経営者の本質が見えやすい。

特に「介護保険事業をリハビリスタッフに丸投げしてくる経営者」には皆さん本当に気をつけた方が良い(下図)。

このような経営者は
金儲けのみのために介護保険事業に乗り出そうとしている
実は介護保険の仕組みすら理解していない
介護保険事業には医師は全く関わらなくてよい
介護保険事業を行うことで従業員の満足度が上がると勘違いをしている
などの考えを持っていることが多い。

図 介護保険事業をリハビリスタッフに丸投げしてくる経営者(転載禁止)

このような経営者の下で介護保険事業を行うと
医師の取り組みが必要な加算がことごとく取れない
医師が作成しなければならない書類もすべてリハビリスタッフや看護スタッフが作成することになる
介護保険事業の集客が悪いと現場の努力が足りないと一方的に叱責する
介護保険事業のコンプライアンスを理解していないので社内で問題が多発しても全く気付かない
などのヤバい出来事が増えてくる。

介護保険事業に当事者意識のない経営者が介護保険事業に乗り出すことは、結果として、社内外に悪影響しか与えない組織が完成してしまう。

視点を変えれば、このような経営者に出会った時、セラピストとしての皆さんの本質も現れることになる。

経営者に迎合するイエスマンになるか?
経営者に意見する助言者になるか?

あなたはどっちだ?

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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