介護報酬改定は益々残酷なものとなり、市場原理が作用しやすい介護業界に加速している。
簡単に言うと経営努力が乏しい、介護事業所は淘汰され、事業からの撤退を余儀なくされる時代である。
そのため、介護事業所はマーケティング活動を通じて、市場の優位性を確保する必要がある。
マーケティングの第一歩は「市場調査」となる。
自社がどの市場を狙っているかを考えることからマーケティングは始まる。
市場調査は次の3つに分類される。
①市場の性格
利用者の特徴
市場の成長性
市場の寿命
例
要支援の高齢者は比較的活動性が高く、自身の趣味や仕事への希望もある。
人口動態から考えると段階のジュニアが要支援者である2045年ぐらいまで要支援者に対する事業は成長すると考えられる。
②競争相手の状況
どんなライバルがいるか?
異業種からの参入はあるのか?
ライバルのサービスはどのようなものか?
ライバル社の市場戦略はどんなものか?
例
要支援の健康増進・介護予防ビジネスには大手A会社が参入している。A社はIT会社を子会社として持っており、インターネットを通じた介護予防支援も得意としている。スマートホンユーザーが多い50代から60代を取り込もうとする戦略を進めている。
③自社の状況
自社の規模・実績
市場における強みと弱み
自社サービスの特徴はどのようなものか?
例
自社は地域で軽度者向けの通所介護を4件展開しているが、すべての事業所の稼働率は70%であり、十分に顧客を獲得できていない。利用者のリピート率は高いが新規利用者の獲得が弱く、利用者との接点が不十分と考えられる。専門職による直接的な指導をサービスを強みとしているが、専門職の人材育成が追い付いていない。
まず、これら3つの項目について整理し、自社の事業が進むべき方向性を決定するための材料を揃えることがマーケティングの第一歩である。
介護事業所をつくれば、儲かる時代は完全に終了している。
経営努力=マーケティングである。