家屋評価というリハビリテーション技術が注目される理由

通所リハビリテーション・通所介護では数か月に一回の在宅訪問の評価が一部で義務づけられている。

介護保険は在宅生活を支援することが趣旨であること考えると、当然、家屋の状況を把握しなければならない。

家屋評価を通じて生活空間の問題を把握した上で、リハビリテーションを展開しなければ、リハビリテーションの効果が低減する可能性がある。

しかし、急性期病棟や回復期病棟には在宅訪問の評価は義務づけられておらず、報酬も任意努力の報酬体系となっている。

理学療法士・作業療法士は主に関節運動・動作・行為に対してアプローチをするが、環境に対するアプローチは苦手としている人が多い。

苦手な理由は簡単で、圧倒的に家屋評価などの環境面の教育が乏しいからだ。

理学療法士・作業療法士の養成校の実習でも家屋評価をしっかりと学べる機会は皆無である。

しかし、急性期病棟や回復期病棟から退院した後に、自立を予想していた方が思わぬ形で自立が困難となるケースがある(下図)。


(無断転載禁止)

それは心身機能と家屋の状況が適合していないことが原因であることが多い。

したがって、家屋評価ありきの心身機能へのリハビリテーションが必要であり、在宅復帰が当たり前のこの時代においては家屋評価は必須のリハビリテーション技術と言える。

家屋評価×心身機能=理想のセラピスト という構図は今後常識となる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

イラスト提供
福山真樹
理学療法士×イラストレーター

医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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