臨床系実践オタクより理屈系学術オタクを重宝するリハビリテーションセミナー会社が乱立する闇

筆者は理学療法士歴17年である。

理学療法士になる前やなった後からも様々な研修を受けてきた。

読者の皆さんと同様に研修に参加することで、学ぶことや気づかされることは多い。

理学療法士として社会人として成長するためには研修やセミナーが重要であることは間違いない。

しかし、これまで「実現困難な実技」や「理解出来ない難解な知識」を語る研修会・セミナー講師と相当数、出会ってきた。

講師の話はとても難しく、聞いているだけでなんとなく勉強になった気持ちにはなる。

だが、明日からの臨床で何をすればよいのか?についてはさっぱり分からないことが多い。

また、一方で明日から具体的に何をすれば良いか?明日から、どんな評価をすればよいか?を丁寧に教えてくれる研修会・セミナー講師も存在する。

前者は、理屈系学術オタク

後者は、臨床系実践オタク

と言ったところだろう。

受講生は、明日から利用者に何を具体的にすれば良いのかを学びに来ているのである。

当然、臨床系実践オタクの講師の方が研修・セミナー講師として適性があるだろう。

もちろん、理屈系オタク講師も世の中には必要である。

理屈系オタク講師の存在で、リハビリテーションの学術的基板は担保できているだろう。

しかし、現実的な問題の解決を望むセミナー受講生の立場に立てば、どちらの講師が重要であるかは一目瞭然だろう。

私の経営する株式会社Work Shiftのセミナーでは、理屈系学術オタクの講師は一人もいない。

今のリハビリテーション業界は学術的に有名である人が講師に呼ばれることが多い。

学術的有名は臨床能力とは全く別にもかかわらずだ。

講師も受講生も、全員が臨床家であるセミナーをこれからも開催したい。

 

執筆者
高木綾一
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科