「仕事の依頼を待ってます」とアピールする人は、自らの実力不足をアピールしている

最近は、自称フリーランス、自称起業家、自称パラレルキャリアを謳っているセラピストが多い。

しかし、実態は偽フリーランス・偽起業家・偽パラレルキャリアであり、決して、本物の実力者ではないことが多い。

Facebook、ブログ、Twitter、セミナーなどの情報発信ツールを用いて、「仕事の依頼を待っています」とか、「次もセミナーに呼んでください」とか、「自分は今この曜日が空いているので仕事を受けることが出来ますよ」などをアピールしているが、これは「自分は自分で仕事を発生させる実力がないので世間の皆様から仕事のおこぼれをもらう程度の人間です」と言っているようなものである。

フリーランス・起業家・パラレルキャリア実践者に「暇」は絶対に存在しない。

仕事を創り出すためのマーケティングやブランディングを実践するのが本物の独立事業家である。

「暇なんで仕事くださーい」と言っている時点で、もはや、アントレプレナーシップの気概が1グラムもないヘタレ事業家である。

仕事はもらうものでなく、創るものである。

創るという作業を忘れている人間は、口が裂けてもフリーランス・起業家などと言ってはいけない。

仕事を自ら創造し、それを他者に評価してもらってこそ仕事の依頼は入ってくる。

「仕事をください」と言えば言うほど、仕事が評価されていないのが丸出しである。

本気でフリーランス・起業家・パラレルキャリアを求めるなら、自らの仕事のイノベーションを実現する知識と経験を積まなくてはならない。

マネジメント、ファイナンス、マーケティング、ブランディング、アントレプレナーに関する勉強を誠心誠意するものだけが、仕事を創造できる。

その覚悟がないなら、独立なんかしない方が良い。

 

年功序列制度は悪いことなのか?

成果主義や目標管理制度が浸透しつつある日本において、年功序列制度は「悪」として考えられている。

年功序列制度とは
勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のシステム
である。

日本経済が上昇の一途を辿っていた1965年から1990年代において、企業における年功序列制度は一般化し、日本の社会における一種の文化となった。

その後、年功序列制度は実力のない人が高い賃金を得られる、実力があっても若い人が評価されない、企業にとって優秀な人が評価しにくいなどの理由から、徐々に衰退の一途を辿っている。

しかし、年功序列制度は人材育成の本質を実践する制度として、近年見直されている。

「年齢を重ねた人が高い給与をもらう」と言うのが今までの年功序列制度の解釈である。

しかし、次のような解釈がこれからの年功序列制度の在り方である。

「年齢を重ねるごとに、知識や経験が豊富になり、それにより企業価値を高めることが出来るようなった人が高い給与をもらう」

年功とは

年と共に生じる功

である。

年功序列制度が問題になる企業の問題の本質は、人材育成が出来ていないことである。

人間は年を重ねれば知識や経験が増えるのが普通である。

そんな普通のことが実現できない企業の人材育成の在り方が、年功序列制度における本質的な問題である。

皆さんの組織に40代・50代で大した企業への貢献もしていないのに高い給与をもらっている人いないだろうか?

その人の給与を下げる方法は、企業への貢献を中心にした人事考課制度を導入することである。

人材育成や人事考課を適切に行えば、必然的に「年と共に生じる功」が実現し、年功序列となる。

皆さんの組織の年功序列制度は、組織への貢献がない人も高い給与がもらえる制度か?それとも、「年と共に生じる功」を実現する制度か?

今一度、自社の年功序列の在り方を考えていただきたい。

 

 

大量に行動した人にしかタイムマネジメントは身につかない

キャリアコンサルタントとしてセラピストと接していると、成功している人は、一様に「タイムマネジメント」の方法を確立していることに気づかされる。

タイムマネジメント、つまり、時間管理の方法を確立している人は、仕事の生産性を飛躍的に向上させている。

学会発表や論文発表を絶やさないセラピスト
様々なプロジェクトに関わり、複数の事業所から必要とされるセラピスト
セミナー講師として全国を渡り歩ているセラピスト
医療機関や株式会社の要職についているセラピスト
起業し、新しいリハビリテーションサービスを打ち出しているセラピスト

など世間には、非常に高い生産力をもつ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が存在する。

そんな彼らは、生まれながらにしてタイムマネジメントに関して特別な能力を持っている人なのだろうか?

それは、違う。

成功しているセラピストは、タイムマネジメントの方法を確立するまでに、大量行動を行い、非効率なことを経験し、そして、時には大失敗し、その反省を経て、タイムマネジメントの手法を確立している。

つまり、大量行動しない人にはタイムマネジメントが身につかない可能性が高いと言える。

大量に行動すると、生産性は低下する。

なぜならば、一つの仕事にかける時間が少なくなるため、時間に対応して生産性が低下するからだ。

生産性が下がると、ストレスを感じる。

優秀な人と優秀でない人の差はこのストレスへの対応で決まる。

優秀な人は、ストレスを解消するために短時間当たりの仕事量を増やす工夫や自身のライフワークに費やす時間の確保に全力を尽くす。

優秀でない人は、仕事の時間をどんどん増やしていき、自らの行動で自身を「ブラック化」していく。

どうやったら成功できるセラピストになりますか?

どうしたら、沢山の業績が残せますか?

ワークライブバランスを考えると勉強する時間が取れません。

などの情けない質問や意見を聞くたびに、空しくなる。

せめて、大量行動をしてから、愚痴を言うことはできないか。

大量行動なくしてタイムマネジメントなし。

特に若いうちは、大量に行動してほしいものである。

 

AI・ロボット・ICTに食われない理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のスキルはこれだ

現在、医療・介護分野において人工知能(AI)、ロボット、情報通信技術(ICT)の導入が進んでいる。

政府は、AI・ロボット・ICTを推進することで将来の労働者減少に対応したいと考えている。

そのため、官民一体となりAI・ロボット・ICTの開発と導入が行われている。

リハビリテーション分野でも、歩行支援ロボット、トランスファー支援ロボット、運動支援ツール、スマートフォンのアプリを用いた動作解析やリスク管理、見守り支援システムなどが導入され、徐々に市場に広がりつつある。

近い将来、リハビリテーション分野で働く大部分の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、AI・ロボット・ICTに仕事を奪われ、自らの仕事を失うのではないかとの懸念がある。

確かに今後30年や50年というスパンで考えれば、テクノロジーは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事を奪う可能性はあるだろう。

特に、現在、20代前半の若いセラピストはテクノロジーがかなり進んだ未来の世界で、仕事をすることになるため、テクノロジーに食われないスキルを磨く必要があるだろう。

それではAI・ロボット・ICTに負けないセラピストのスキルはどのようなものだろうか?

筆者は以下の5つのスキル・能力に関してはAI・ロボット・ICTがセラピストを凌駕することは難しいと考えている。

1)局所アライメントの評価技術
現在、三次元動作解析機・動作分析アプリ・歩行支援ロボットなどがリハビリテーション分野で応用されている。これらは、患者や利用者の動作分析、関節運動の補助を行うものであるが、動作分析や関節運動の補助ができるのは股関節・膝関節・足関節の大関節のみで、足部、膝関節、肩関節、脊柱、手根部などの細かい骨のアライメントを捉えたり、アライメントのコントロールすることは不可能である。
例えば、足部アーチや足関節の関節可動域制限を目的とした足根骨のアライメントを調整するような非常に複雑で緻密な評価や手技はロボットには不可能だろう。
運動学や解剖学に基づくアライメントコントロールの手技に関しては、テクノロジーが追いつくことが難しいと考える。現に、マッサージチェアーがセラピストの徒手療法を凌駕することは、未だできていない。

2)患者・利用者の個別的背景を踏まえたリハビリテーションやケアの立案
患者や利用者の生活を取り巻く背景は年々複雑化している。
老々介護、貧困世帯、介護力低下、生活保護、認知症、虐待等の問題が、複雑に交錯し、高齢者の生活の自立を困難にしている。
複雑な問題を抱える患者や利用者へのリハビリテーションの介入はAIやロボットを用いても、根本的な解決はできない。
患者や利用者の生活背景は多種多様であることに加え、リハビリテーションやケアの在り方には患者、利用者、家族の価値観も強く影響する。個別的な背景を踏まえたリハビリテーションの支援は人間的な感性が非常に要求される部分であり、論理的な計算で答えを出すことはできないものである。

3)事業の立ち上げや事業を運営すること
地域包括ケアシステムが推進される社会では、自助や互助の領域における様々な事業の創出が期待されている。事業の立ち上げや運営では、コンセプトの設定、人材の確保や教育、運営手順の確率、ビジネスパートナーとの提携などが必要である。これらのことは、人間にしかできない。
事業を行うためには、情熱、熱意、感動、怒りなどのきわめて情緒な感情に基づくモチベーションが必要である。よって、事業の立ち上げ、運営は決してAIにはできない。

4)AI・ロボット・ICTを使用すること
発想を変えてAI・ロボット・ICTを完全に使いこなすことができるセラピストになれば、職を奪われることはない。例えば、歩行支援ロボットといっても様々な種類があり、これからも多くのものが発売されるだろう。それぞれのロボットには、そのロボットに適した患者や身体条件があることから、患者や利用者の適正な評価を行ったうえでロボットを選定するということもセラピストの仕事として成り立つ。
また、リハビリテーションプログラムの立案するために様々なデータとAIを用いて、プログラムを決定することもセラピストの仕事になるだろう。AIが導き出したプログラムが道義的にも患者や利用者のニーズの観点からも有用性があるかについては、セラピストにしか判断できないだろう。

5)複雑で多様な動作パータンを呈する動作のリハビリテーション
更衣動作、入浴動作、調理動作、手作業などの動作は様々なバリエーションに富んでおり、また、細かい関節運動が必要なものが多い。例えば、手作業であれば手関節や手根骨などの動きが必要である。
特に、生活関連動作バリエーションが多く、かつ、小さい関節の動きが必要な動作が多いため、ロボットを用いて治療を行うことは難しいだろう。

AI・ロボット・ICTは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と対立するものではなく、共存共栄していくものである。

その共存共栄は人間にしかできない技術領域を確立することによって、達成できるだろう。

テクノロジーの進化だけでなく、セラピストの進化が同時に求められている。

 

 

 

セラピストや看護師が異業種交流会・多職種連携会にやたら顔を出しても人脈は広がらないその理由とは

理学療法士、作業療法士、看護師の働き方や生き方が多様化している。

多様化の象徴としてわかりやすいのは、異業種交流会や多職種連携会などに積極的に参加する理学療法士、作業療法士、看護師などの医療介護従事者が年々増加していることだ。

医療介護従事者が自分が働く医療や介護の現場だけでなく、外にコミュニケーションを求めるようになったのはここ10年ぐらいの出来事だろう。

異業種交流会等のイベント参加者の多くは人脈形成や仕事の依頼などを目的としている。

しかし、ほとんどの参加者は名刺ばかりが増えて、仕事の依頼ばかりか、人脈形成すらままならないのが現実だ。

実は、人脈形成や仕事の依頼にはある法則がある。

「自分のスペック以上の人脈形成や仕事の依頼は成立しない」という法則である。

簡単に言うと、職業能力や市場における価値が乏しい状況で、異業種交流会などの交流イベントに参加しても、本人が期待するような人脈形成や仕事の依頼は生じないということである。

せいぜい、自分のスペック以下の人物からのお付き合いや仕事の依頼の申し込みがあるだけである。

逆に言うと、自身のスペックが高ければ高いほど、能力の高い人と人脈を形成することができ、それが仕事につながっていく。

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自分自身の自立ができていない状況で、異業種交流会などのイベントに参加すると「自立していない人」との人脈形成が進んでいくという悲惨な結果となる。

また、異業種交流会や多職連携会などは以下のデメリットのほうが多い。

①仕事を取りに来る人の集まりなので打算的な会話が多く、長期的な実利にはつながらない
②打算的な人ばかりの集まりなので、キャリア、経営、運営について学ぶことも乏しい
③ネットワーク商法の誘いが多く、対応が面倒くさい

したがって、異業種交流会や多職種連携会を長期的に実利のあるものにするためには、まずは自分自身のスペックを上げることが重要である。

むしろ、スペックを上げていれば、異業種交流会などのイベントに参加しなくても、様々な人からお付き合いや仕事の依頼が舞い込んでくる。

いずれにしても、まずは自分のスペックを上げることが最重要である。