自分の名前で仕事をできますか?

リハビリテーション専門職の就業の流動性がどんどん高まっている。

回復期リハビリテーション病棟の単位数削減

地域包括ケア病棟のリハビリテーションの包括化

在宅リハビリテーションの推進

都心部ではリハビリテーション職の過剰供給

これらの問題により、以前と比較すると転職の機会がセラピストに増えており、生涯の転職が3回以上が当たり前になる時代になっている。

転職すると言うことは、自分が背負っていた勤め先の看板を入れ替えることである。

多くの人は、勤め先の看板でご飯を食べている。

セラピストが自身のマーケティングを通じて患者や利用者を増やすことはない。

医師や介護支援専門員からの依頼で仕事をいただいているだけである。

したがって、勤め先の看板がなければ仕事を成立しにくいと言っても過言ではない。

勤め先を変わると言うことは、勤め先の看板に甘えることにもなる。

しかし、それでは勤め先が支払える給与以上の対価を得ることは不可能に近い。

勤め先の看板を入れ替える機会が多いこれからの時代では、自分自身の名前でご飯が食べられるか?という視点が必要である。

みなさんも有名な理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を思い出してほしい。

その人の所属先でそのセラピストの能力を判断していることはないだろう。

その人の名前でその人の価値を想像しているだろう。

自分の名前で、相手に何を想像させることができるか?

あなたの名前は何を語ることができますか?

リハビリテーションのカタチは無数である~製品・製品戦略とは何か~

日本にリハビリテーションが生まれて50年が経過した。

2025年問題が顕在化する今、様々な形でリハビリテーションが注目されている。

リハビリテーションとは、手足を動かしたり、歩行やトイレの練習をすることではない。

一言でいえば、全人間的復権に資することが全てリハビリテーションになるが、マーケティングの視点で考えてみるとリハビリテーションのカタチが見えてくる。

マーケティングの大家であるP・コトラーは製品は10種類存在すると述べている。

10種類の製品
有形財
サービス
経験
イベント

場所
資産
組織
情報
アイデア

つまり、製品と言うと有形財のみを想像するが、マーケティングでは製品のカタチは様々なモノやコトと捉える。

理学療法・作業療法・言語聴覚療法はサービスとして提供することが多いので、リハビリテーションはサービスであると捉えがちであるが、自主トレーニングの機器、脳卒中患者の集い、リハビリテーションに関する情報を発信しているWebサイト、地域リハビリテーションを推進する組織などは全て、リハビリテーションに関する製品と言える。

しかし、現在、働いている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はサービスを提供するための教育しか受けていないと言っても過言ではない。

2025年問題はリハビリテーションの様々なカタチが求められる時代になっており、その市場規模も大きくなっている。

無論、理学療法・作業療法・言語聴覚療法のサービスが一定水準以上できることは有資格者として義務である。

だが、一方でサービスのみを提供していても2025年問題の解決は難しいのも実情である。

今後リハビリテーションに求められるものは「サービス・ミックス」である。

「サービス・ミックス」とは形のある製品と形のないサービスが様々な形で融合し、顧客に対する価値を発生させることである。

理学療法サービスとWebサイトからの自主トレに関する情報発信を混ぜ合わせて行うのは「サービス・ミックス」の代表例である。

「サービス・ミックス」を行うことで、顧客満足度はより高まり、また、価格設定も上乗せしやすくなる。

これは利用者もセラピストの双方の利益に寄与する。

理学療法・作業療法・言語聴覚療法を最低水準できるようになったら、次は新しいリハビリテーションのカタチに挑戦してみてはいかがだろうか?

 

 

良いものが売れるのではなく、売れたものが良いものであるを理解できないセラピストはキャリアップ地獄に陥る

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がキャリアップを行う環境は、ひと昔前と比較すると遥かに充実している。

セラピスト向けの大学院
各協会や団体が行っている認定資格
様々な技術が学べるセミナー
など、キャリアップを図るための環境は非常に充実している。

そのため、「非常に熱心に知識や技術の研鑽をしているセラピスト」が増えている。

話せば知識は多いし、提供できる治療手技も多い。

しかし、非常に熱心なセラピストが世の中から支持されないという現実がある。

知識が豊富で
技術も長けて
自己研鑽に非情に熱心でも
市場から評価されない。

なぜか?

それは、「いくら商品が良くても売れるとは限らない」というマーケティングの常識で説明が出来る。

いくら良い商品であっても、きちんと売る努力をしないと売れないということを多くのセラピストは知らない。

売るための工夫のないセラピストが社会で評価されることはまずない。

売るための工夫とは
顧客ターゲットの選定
値決め
広告宣伝
売買の場所
などを整合性を保ちながらきめ細かく決定していくことだ。

若者を対象に安い牛丼を売りたい場合、若者の少ない地域での出店やおしゃれな雰囲気の店はうまくいかないだろう。

要するに、セラピストが売りたい知識や技術があったとしても、ターゲットとする人がそれを購入できるような仕組みをつくらなければならい。

これだけ知識があるのに売れないのはなぜだ?
これだけ技術あるのに誰も評価しないのはなぜだ?
と不満を言っているセラピストがいるがこれは勘違いも甚だしい。

いいモノを提供するのは当たり前である。

重要なのは、その「いいモノ」を評価してくれる段階まで顧客を誘導することだ。

理学療法・作業療法・言語聴覚療法がうまくできることと、マーケティングがうまくできることは全くの別物である。

これからの時代は、マーケティングの実践が成功の分水嶺である。

良いものが売れるのではなく!

売れたものが良いものである!

だから、売れる方法を学ぶ。

 

院長や経営者が会社のことなんかわかるはずがない。
会社を変えることが出来るのは中間管理職である。

筆者が全国でコンサルティング事業・セミナー講師をなどを行っていると次のような質問(愚痴?)を受けることがある。

うちの院長は会社のことなんか何も知りません
うちの経営者は現場のこと理解せずにどんどん指示を出してきます
経営者は現場の仕事を知らないくせに、偉そうにしてます
など、など・・・・

大変、生産性の低い質問と思いながら私は毎回同じ事を答えている。

実は、この質問(愚痴?)に対する答えは明瞭である。

「院長や経営者が会社のことをわかっていないのは、当然じゃないですか。特に現場業務なんかわかるわけないですよ。全ての現場を経験している訳でもないし、院長や経営者にのご自身のしなければならない別の現場があるのですから」

院長や経営者が会社こと、現場のことを知らないのは当たり前である。

例えば、中小病院で介護事業も行っている院長を想像してみよう。

週3日程度、外来を担当し、午後からは経営会議や銀行や業者との折衝をし、さらに、夜は医師会の集まりに行っている院長がどうやって、各病棟の状況や各介護事業の現場の状況を知ることができるのか?

また、介護事業所の経営者は異業種の事業をしていることや、自身が介護支援専門員だったりと自分自身も忙しい。

そんな人が現場のことを知っている訳がない。

だからこそ、組織には中間管理職が配置されているのである。

院長や経営者は、中間管理職からの情報でしか現場の状況を確認することが出来ない。

言い換えれば、「中間管理職がどれだけ有用な情報を上げて、院長や経営者の意思決定や行動に影響を与えることができる」かが、組織運営にとって重要である。

したがって、院長が現場のことを知らない、経営者は何も知らないと言って批判している人は、院長や経営者とのコミュニケーションが不十分であり、また、自分が院長や経営者を操れる立場にいることを認識していないと言える。

また、院長や経営者は会社経営を辞めたとしても生活に困らない人が多い。

他の事業を持っていたり、資産を持っていたりする。

しかし、会社で勤めている社員はその会社が倒産すれば、困るのは自分たちである。

だからこそ、中間管理職は現場の状況を経営者に伝え、論理的な対策について語る必要がある。

中間管理職のあなたは院長や経営者に有用な情報を日々上げていますか?

 

 

 

設備投資や人材投資は命を懸けるほど慎重かつ大胆に行う これが経営者・起業家・フリーランスの必要素養

成功している経営者には以下のような特徴がある。

設備投資の効率を考え設備の購入は慎重にすること
無価値な資産は抱えないこと
人件費などの固定の増加を警戒する
人間関係において仲の良さは求めない

などである。

筆者自身も会社経営を通じて、これらの大切さと難しさを実感している。

新しく抱えた物件や採用した人材がどれぐらいの売上を計上してくれるのかについては、経営者としては明確な判断は難しい。

しかし、自身の物件購入や人材採用という判断を「正しかったもの」にするための、日々の努力を怠らないことが重要である。

世間には、新たな資産を購入する、人材を採用するなどをすれば、勝手に売上が上がっていくと考えている経営者や管理者の方がいる。

特に医療・介護業界では、医療機器購入や看護師の採用を行えば、自動的に経営がうまくいくと考えている人が多い。

資産や人材はしっかりとした売上が計上できるようになってこそ、初めて意味を成すものである。

資産や人材を自身の人生や仕事に活かすという投資感覚のない人は決して経営者になってはいけない。

したがって、経営者は資産をお金に換えることや経営力の強化に役立てることを慎重かつ大胆に行う素養を持たねばならない。

訪問看護ステーション、デイサービス、小規模多機能型居宅介護などで起業する医療介護従事者やフリーランスとして活動するセラピストなどにもこの原理は当てはまる。

無用な資産
無用な人間関係
無用なしがらみ
で人生やビジネスはつぶされる。

人生やビジネスをつぶされないようにするためには、日々、資産・人間関係・しがらみをハンドリングできる環境を創ることが極めて大切である。

漫然と過ごしていると、あなたの人生は他者に占領され、無用なものだけがあなたの周りを取り囲む。

あなたは資産を100%活用した生き方・働き方ができているか?