日本にリハビリテーションが生まれて50年が経過した。
2025年問題が顕在化する今、様々な形でリハビリテーションが注目されている。
リハビリテーションとは、手足を動かしたり、歩行やトイレの練習をすることではない。
一言でいえば、全人間的復権に資することが全てリハビリテーションになるが、マーケティングの視点で考えてみるとリハビリテーションのカタチが見えてくる。
マーケティングの大家であるP・コトラーは製品は10種類存在すると述べている。
10種類の製品
有形財
サービス
経験
イベント
人
場所
資産
組織
情報
アイデア
つまり、製品と言うと有形財のみを想像するが、マーケティングでは製品のカタチは様々なモノやコトと捉える。
理学療法・作業療法・言語聴覚療法はサービスとして提供することが多いので、リハビリテーションはサービスであると捉えがちであるが、自主トレーニングの機器、脳卒中患者の集い、リハビリテーションに関する情報を発信しているWebサイト、地域リハビリテーションを推進する組織などは全て、リハビリテーションに関する製品と言える。
しかし、現在、働いている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はサービスを提供するための教育しか受けていないと言っても過言ではない。
2025年問題はリハビリテーションの様々なカタチが求められる時代になっており、その市場規模も大きくなっている。
無論、理学療法・作業療法・言語聴覚療法のサービスが一定水準以上できることは有資格者として義務である。
だが、一方でサービスのみを提供していても2025年問題の解決は難しいのも実情である。
今後リハビリテーションに求められるものは「サービス・ミックス」である。
「サービス・ミックス」とは形のある製品と形のないサービスが様々な形で融合し、顧客に対する価値を発生させることである。
理学療法サービスとWebサイトからの自主トレに関する情報発信を混ぜ合わせて行うのは「サービス・ミックス」の代表例である。
「サービス・ミックス」を行うことで、顧客満足度はより高まり、また、価格設定も上乗せしやすくなる。
これは利用者もセラピストの双方の利益に寄与する。
理学療法・作業療法・言語聴覚療法を最低水準できるようになったら、次は新しいリハビリテーションのカタチに挑戦してみてはいかがだろうか?