キャリアを変えたいPT・OT・ST 必読 クランボルツのプランドハプスタンスセオリー

変化の激しい時代では、計画したキャリアに固執することは避けたほうが良い。

なぜならば、自分のしたいことに固執をしてしまうと、時代の変化によって生じる様々な可能性を見捨てることになる。

したがって、自分のしたいことだけでなく、行動の幅を大きく持ち、様々なことにチャレンジすることにより生じる様々な可能性に出会うことが大切である。

これはスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授は提唱したプランドハプスタンスセオリーの考え方である。

この理論の中核をなす考え方は、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」というものである。

自分の人生における出会いや出来事の中に自分の仕事や人生に大きな影響を与えるものを見つけて、それをキャリアに積極的に活かしていくという考え方である。

しかし、意味のある出会いや出来事は待っていても発生しない。 転機となる出会いや出来事と遭遇するためには、積極的に行動する必要がある。

例えば、研修会、交流会に参加することや、新しい資格を取得すること、新しい仕事に携わるなどの行動は、自分の人生に意味のある出会いや出来事を発生させる可能性が高い。

そこで、出会った人や生じた出来事は、偶然に発生したものであるが、自分が行動したことによって生じたものである。

そういう理由からこの理論は、プランドハプスタンス理論、すなわち、計画された偶発性理論と呼ばれる。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として、目標が不明確なまま悶々と働いていても、キャリアの突破口は開けない。

そういった時は、とにかく、動くこと大切である。

図書館に行ってもいい
アルバイトをしてもいい

自然をみてもいい
昔の友人にあってもいい
研修会に参加してもいい 1f2c65945d36631f8457c0651180b114_s 日頃の生活では、感じることが少ない感情の動きを起こす必要がある。

そうすることで、沸々と新しい意欲がわいてくる可能性がある。

プランドハプスタンスセオリーは、キャリアを発展させるためには「とにかく動くこと」が重要であることを示している。

今の仕事が面白くない やりたいことがみつからない 特に夢がない などと思っていても状況は少しも変わらない。

とにかく、「動く」。

これに尽きる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

転職PT・OT・STは要注意!出羽の守スタイルは評価されない

出羽の守(でわのかみ)とは
以前の職場では・・・・
〇〇病院では・・・
〇〇治療では・・・
というように、自分が知っている別の世界の価値観や物事を一般的な標準として唱える人である。

知識があり、物事を知っているように感じさせるが、ただ単に外部にある情報を披露しているだけあり、物事の本質は捉えていない。

本人が自分の意見や問題の分析を交えて語っているならまだしも、単に外部の情報を伝えるだけでは、何の解決にもならない。

転職した人は要注意である。
転職先の仕事内容やマネジメントに不満を持つと、すぐに以前の職場や他施設のことを引き合いに出し、「・・・・では、こんなことはしていません」「・・・・では、このようにしてました」と発言をしてしまう人が多い。
以前の職場と他施設のことを引き合いに出されても、所属長や上司は困るというのが本音だろう。 question_mark_guy_2_400 なぜならば、以前の職場や他施設とは様々な環境が異なるからである。
世の中には全く同じという職場は一つもない。
各職場に固有の課題が存在する。
転職先の状況を俯瞰的にとらえた上で、課題解決の意見を述べなければならない。
ただ、外部の物事と所属した組織を比較することなら、だれでもできる。
組織内に存在する課題を客観的に捉え、外部との比較の上で改善策を提案するスタイルが求められる。
決して、組織は「出羽の守」PT・OT・STを評価することはない。

投稿者
高木綾一

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関西医療大学 客員准教授

ヒューマンスキルの欠落はPT・OT・STの致命傷となる時代

「ヒューマンスキル」とは他者との良好な人間関係を構築・維持するために必要な能力や技術であり、業種・職種に関係なく、誰でも仕事を遂行する上で求められる普遍的なスキルである。

特にPT・OT・STは多職種連携や自分より年齢が高い患者、家族と接することが多いことから、ヒューマンスキルの欠落は、仕事をする上での致命傷になる可能性が高い。

ヒューマンスキルは以下の5つに類型される。

1.ビジネスマナー
あいさつ、態度、身だしなみ、言葉づかいなどを時と場所に合わせて行うことができる能力

2.ロジカルシンキング
物事を筋道立てて、論理的に考え、わかりやすく物事を伝える能力

3.自己管理能力
感情をコントロール、タイムマネジメント、セルフケアマネジメントなど自身で物事を管理する能力

4.コミュニケーション能力
信頼関係を築くことができるコミュニケーションを展開する能力

5.キャリアプランニング
自分の人生や仕事を自分自身の力により能動的に変化させていく能力 411039 PT・OT・STの教育では臨床技術に関する内容が大勢を占めているが、実際の医療・介護の現場では、上記したヒューマンスキルの欠落により業務上の支障が出ることの方が多い。

医療機関や介護事業所の先輩職員でさえヒューマンスキルが欠落しているため、新人や新入職者が正しいヒューマンスキルを学ぶことが困難である。

したがって、今の時代に生きるPT・OT・STは自ら能動的にヒューマンスキルについて学ぶ必要があるといえる。

ヒューマンスキルが学べるセミナーや資格取得により、基礎的な知識や経験を磨き、現場で積極的にヒューマンスキルを試していく人材がこれからの時代では、活躍していく可能性は高い。

 

投稿者
高木綾一

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関西医療大学 客員准教授

市町村介護保険事業計画を読んでいますか?

市町村介護保険事業計画とは、国の基本指針に従い3年に1回定められる「介護保険に関する事業計画書」である。

市町村は、計画の作成や変更においては、被保険者や都道府県の意見を反映させなければならない。

また、市町村は、作成した介護保険事業計画を都道府県知事に提出しなければならない。

介護保険事業計画書に定められる項目として、以下のものがある。

1)認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の必要利用定員総数
2)地域支援事業の量の見込み
3)必要利用定員総数やその他介護給付対象サービスの見込み量を確保するための方策
4)介護保険サービス別の量・費用・保険料の水準
5)指定居宅サービス事業者間の連携確保に関する事業
6)認知症の被保険者への自立支援
7)医療との連携
8)高齢者の居住にかかわる施策と連携

4b789e014fa224aac9fa936dac10f498_s 介護保険の保険者は市町村であることから、介護保険事業計画の内容を確認することは介護事業所にとって重要である。

地域における要介護者の状況、市町村の施策などから求められるサービスの形態や質、介護保険マーケティングの在り方などを考えることができる。

特に、介護保険事業計画からは「地域における実情」を知ることができる。

地域における介護に関する問題点
地域に不足しているサービス
地域で期待されるサービス
市町村独自の考え
など介護事業に必要な情報が記載されている。

介護事業にかかわる経営者や管理者は必読と言える資料であろう。

介護保険事業計画書は、各市町村のホームページに掲載されているので、ぜひ、一度、ご確認をいただきたい。

投稿者
高木綾一

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セラピストの独立志望者必読!起業家と企業家の違いは何か?

起業家と企業家の違いはどこにあるのだろうか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の独立志望者が増えている。

しかし、起業することは難しくない。

税務署に行って、個人事業主の登録をするだけで起業家になれる。

しかし、起業家にはなれても企業家になれる人は少ない。

ピーター・ドラッガーは、企業家になることの難しさをトーマス・エジソンの事例を挙げて説明している。

トーマス・エジソンは優れた発明家であり、自身が発明した成果物を活用して経営者になることを目標にしていた。

しかしながら、彼の創立した企業すべてにおいて経営は失敗し、最終的に経営から手を引くことになった。

多くのハイテク企業も同じような経過をたどっていると解説されている。

このような企業は社会においてイノベーションを担うことはできず、ある商品やサービスを発明したに過ぎないと言える。

つまり、真の企業家は、製品や商品の発明にとどまらず、社会のイノベーションを実現しなければならないと言える。

ピーター・ドラッガーは、そのイノベーションを実現するためには「異なる知識と技術をもつ複数の人間を組織化するためのノウハウ」である「経営管理」が必要と述べている。

また、企業家として成功するためには、アイデアのひらめきを待っているだけでは不可能であり、企業家たるものは、主体的に行動しなければならないと述べている。

また、企業家は次のようなイノベーションの機会を利用していると述べている。

  • 予期せざるものの存在
  • 調和せざるものの存在
  • プロセス上のニーズの存在
  • 産業や市場の構造変化
  • 人口構成の変化
  • 価値観の変化
  • 新しい知識の獲得

これらを活用しイノベーションを起こせる者が真の企業家になれると考えられる。

しかし、残念ながら理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「経営管理」を学んでもいないし、実践した経験も少ない。

そのため、起業家になれても企業家になることは難しいと言える。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の知識や経験を起業を通じて真に社会に貢献させるためには、起業家ではなく企業家を目指す必要がある。

投稿者
高木綾一

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