神秘的なテクニックで新人や学生を煙に巻くイリュージョンセラピストが痛い件

特殊で
斬新で
インパクトのある治療をやたら、学生や新人にご披露するセラピストがいる。

その姿はまさに、引田天功ばりのイリュージョンである。

なんとなく、患者の状態は良くなったが、なぜ良くなったのかよく分からない・・・

そして、説明を何度聞いてもよく分からない・・・

こんなセラピストは周りにいないだろうか?

他人は理解できない技術を展開し自分満足度の高いイリュージョンセラピストは組織では非常にややこしい。

なぜならば、他のセラピストと共通言語を持っていないからだ。

共通言語がなければ当然、連携など不可能である。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、養成校時代に解剖学、運動学、生理学という共通言語を習っている。

それにも関わらず、臨床に出たとたんにイリュージョン化してくる。

しかし、このイリュージョンセラピストは基礎を大切にする基本に忠実系のセラピストに恐怖を感じている(図)。

(無断転載禁止)

基本に忠実系セラピストはどんどん運動学、解剖学、生理学に関する質問をしてくる。

しかし、イリュージョンセラピストは基礎知識を疎かにしているので全く回答でいない・・・。

こんなセラピストになってはいけない。

基礎知識を疎かにしていることがばれたら、取り返しのつかないほどの信頼を失墜する。

どんなにベテランセラピストになっても基礎知識の学び治しが重要である。

イリュージョンセラピストになってはいけない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 助教

イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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通所リハビリテーションに医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がいる意味

2015年度介護報酬改定では、通所リハビリテーションにリハビリテーションマネジメント加算Ⅱや生活行為向上リハビリテーション実施加算が導入された。

この二つの加算は、リハビリテーションの進捗をマネジメントし、具体的な生活行為を獲得することを推進しているものである。

この二つの加算の算定率が向上すれば、通所リハビリテーションの収入は大幅に増加するが、算定要件を満たすための労力は大きい。

当該加算を算定するためには、 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリハビリテーションの評価・計画立案・実践の能力 医師のリハビリテーションへの関わり が重要である。

言い換えると、通所リハビリテーションにおいて、この二つの要素がうまく機能していなかったと言える。

これら二つの要素は、回復期リハビリテーション病棟と同様の仕組みである。

「多職種が共同によりリハビリテーションプログラムが立案され、医師が責任をもってリハビリテーションを遂行する」という回復期リハビリテーション病棟ではスタンダードな内容が、通所リハビリテーションに導入されたと言える。 117889 通所リハビリテーションでは、回復期リハビリテーション病棟と同様のマネジメントができる人材の育成が急務となっている。

2015年度介護報酬改定は、通所リハビリテーションにおける医師やセラピストに今まで以上の役割を求めてきた。

このことから、厚生労働省の通所リハビリテーションと通所介護の機能的な差別化を明確にしたいという思惑が感じ取れる。

通所介護の機能訓練指導員による機能訓練と通所リハビリテーションの医療専門職が行うリハビリテーションに違いはあるのか?

この命題に答えを出すことが、今の通所リハビリテーションと通所介護には求められている。

2018年度介護報酬改定では、通所リハビリテーションと通所介護の役割がさらに明確化される。

療専門職を配置している通所リハビリテーションは、自らの価値を社会にアピールできるかという真価が問われている。

投稿者
高木綾一

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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

PT・OT・STのキャリアデザインに有効な一点突破・全面展開

一点突破・全面展開という言葉がある。

これは古代中国の思想家孫子が、伝えた兵法の一つである。

この兵法は、現代の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のキャリアデザインに有効である。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は自身のキャリアに関して、「何を勉強すれば良いかわからない」と悩んでいる人が多い。

「すべての分野に関して基礎的なことから勉強をやり直すことが良いか?」、それとも、「自分が興味あることを勉強すれば良いか?」という二択で悩んでいるセラピストは多い。

キャリアデザインという観点で考えれば、「自分が興味あることを勉強すること」が重要である。

もちろん、セラピストとしての基礎的な知識が欠如している状態では、基礎的なことを学ぶ必要がある。

しかし、一定の基礎的なことが学習できているセラピストは、次のステップとして「興味があることをとことん勉強すること」が、キャリアデザインの上では有用である。

興味がある分野の学習は、継続しやすく、取り組めば取り組むほど知識や経験が増え、もっと様々なことを知りたいという欲求に駆られる。

好きなことにとことん取り組めば、新しい壁が現れる。

しかし、その壁は好きなことの延長線上にある壁なので、その壁を超えることはあまり苦にはならない。 090750 例えば、次ような事例がそれに当てはまる。

脳科学に興味を抱き、脳科学の勉強を行う→
脳科学の知識を臨床応用するために、運動療法や認知課題の評価や治療の開発に取り組む→
慢性期の脳卒中への脳科学の応用に興味が生まれ、在宅分野に転身する→
訪問リハビリテーションに取り組むようになり、在宅の環境と機能回復の在り方を考えるようになる→
環境設定が重要であることに気づき、福祉用具と心身機能の関係を考えるようになる

このように、たった一つに力を注ぐことで、他の分野に応用できる力がついてくる。

様々なことを中途半端に行うよりも、一点に集中することにより、関連する分野の知見も増幅されていくことが、一点突破・全面展開である。

興味のなかった分野でさえ、一転突破・全面展開することで、興味のある分野に変わる。

キャリアに行き詰まっているセラピストは、まずは、一転突破できる分野を考えてみてはいかがだろうか?

 

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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関西医療大学保健医療学部 客員准教授

誰のために事業を行っているかを見失っている医療機関・介護事業所は多い

筆者がコンサルティングをしているとこのような医療機関・介護事業所と出会う。

とにかく稼働率を上げるためにどんな利用者でも入院を受け取る

医療・介護技術が乏しいまま、難易度の高い利用者のサービスを行う

理念やビジョンは不明確だが、売り上げを上げる意思だけは明確である

このような事業所に共通しているのは、「誰のために事業をしているのか?」が全く理解できていないことである。

どんなに優れた医療機関や介護事業所でも世の中の全ての患者や利用者に対応できるわけではない。

ビジネスにおけるマーケティングの基本として「顧客ターゲットを決める」と言うものがある。

顧客ターゲットを絞ることで以下のようなメリットが生まれる。

自分たちの価値を伝えたい顧客を明確にすることで、顧客の反応が得やすくなる。

ターゲットとする顧客にニーズに答えることで自社の知識や技術などのノウハウが蓄積される。

ターゲットが明確なのでプロモーション活動が効率的に行える。

このようなメリットがあるにもかかわらず世の中には、
どような利用者でも受け入れる老人保健施設、通所介護、リハビリテーションクリニックが存在する。

このような医療機関・介護事業所は結局、自社の特徴を形成することができず、長期的なブランディングに失敗している。

ブランディングがうまくいかなければ、継続的な顧客の獲得は困難となる。

どんな利用者でもいい!という発想は今すぐに捨てるべきである。

投稿者
高木綾一

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関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

 

 

 

収入を上げるために転職を繰り返すPT・OT・STは井の中の蛙セラピスト

医療・介護業界は転職が多い業界である。

特に、薬剤師・看護師・理学療法士・作業療法士は転職が多いことで有名である。

現代はインターネットが高度に発達しているため求人情報に簡単にアクセスできる。

また、医療・介護職は同職種間での情報網が発達しており、人材の引き抜きも日常的に行われている。

転職の理由は①待遇面②環境面③人間関係の悪化が多い。

こういった理由から転職を繰り返す人も多い。

後期高齢者の増加や要介護者の増加などにより、医療・介護関係の有効求人倍率が高いため多くの医療機関や介護事業所が慢性的な人手不足に陥っている。

その状況を利用して、転職を繰り返し、収入を増加させる人も多い。

しかし、転職 イコール キャリアデザイン ではない。

就職先の人手不足で転職した場合、マンパワーとしての労働力が評価されただけであって、個別の技術や能力が評価されたわけではない。

技術や知識の向上が伴わない転職で収入を増加させることに慣れてしまっている人は、キャリアデザインの重要性を感じることは難しい。

人手不足が解消されたとき、キャリアデザインを怠っていた人たちは一気に、落ち目になる。

今後の医療制度改革・社会保障制度の激変を視野に入れ、今からキャリアデザインを行っている人の将来は明るい。 877c8b7a18cc956b901260168feb9e18_s

「井の中の蛙」という言葉がある。

見聞・視野の狭いこと 昔の習慣・基準のみとらわれいること 外の世界を知らない ことを指す言葉である。

収入を上げるために転職を繰り返す理学療法士や作業療法士は、残念ながら井の中の蛙セラピストである。

キャリアデザインを伴わない転職は決して将来への投資にはならない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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