営業に行け!!!としか言えない経営者が残念な件

訪問リハビリの利用者が増えない
病棟の稼働率が上がらない
通所介護への紹介が少ない
だから・・・・

営業に行ってこい!!!!

という経営者は多い。

しかし、残念ながら、営業に行っても利用者は増えない。

なぜか?

営業の効果が極めて限定的であるからだ。

営業が単体でできることは、せいぜい、「事業所のわずかな認知度の向上」程度である。

しかも、営業は時として諸刃の剣となる

皆さんも、色々な商品やサービスの営業担当者から営業行為を受けたときに不快な気持ちになったことはないだろうか?

実は、営業が成功するための条件として、「信頼」が存在する。

信頼できる人や事業所の営業は、不快にならない。

むしろ、もっと話を聞きたいと思う。

しかし、売り込み臭の漂う信頼のない人からの営業は、極めて不快である。

したがって、営業を行う前に、信頼関係の構築が重要である。

信頼関係は日々のサービスや情報発信により獲得されていくものである。

信頼関係構築のための地道な作業をせずに、営業さえすれば利用者が獲得できると考えている経営者は、とにかく残念な人である。

医療や介護サービスは信頼関係に基づくソーシャルキャピタルである。

ソーシャルキャピタルは信頼関係で機能する資本である。

営業に行く前に質の高いサービスの提供が重要である。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

優秀な人材ばかりだと組織は滅ぶ。人材の組み合わせが組織活性化の鍵。

良い人材を採用しているのに組織が前に進まない

みんな、優秀な人なのに組織がまとまらない

という愚痴は筆者のクライアントの口からよく出てくる。

良い人材、優秀な人の定義は難しいが、一つだけ言えることは良い人材や優秀な人の多い、少ないが組織の活性化を決める訳ではないということだ。

例えば、専門職で、知的能力や分析能力が高く、物事に慎重を進める優秀な人材が多い職場だとしよう。

このような職場だと、診療報酬改定や介護報酬改定のダイナミックな変化が求められるときに、物事を決断して、事業を前に進めにくい傾向がある。

冷静に分析する姿勢は、変化が求められる時節では組織にとってはマイナスな力となりやすい。

しかし、数字やエビデンスの裏付けが必要な医学的な決断が必要な時は、冷静に分析する人物が必要である。

つまり、組織を取り巻く環境に応じた柔軟な運営を実現するためには、多様な能力の人材の組み合わせが必要であると言える。

冷静で分析肌の人
実践主義でイケイケの人
組織をまとめ、情熱にあふれる人
周囲との調和に合わせて物事を進める人
などの人がバランスよく組織に所属していることが組織活性化に結び付く。

医療や介護の面接では、組織活性化まで考えて人材を採用していない。

資格を持っていればよい
一見、優秀な感じがする
などの非常にハードルの低い採用となっている。

医療機関や介護事業所が増加する現代では、組織活性力が持続的な競争優位性を保つ。

あなたの組織は、優秀な人であれば無条件で採用していませんか?

それを繰り返していると、組織活性化がどんどん低下するかもしれない。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

医療・介護における法令順守と言う魔物

日本では企業倫理はコンプライアンスであるという認識が強い。

コンプライアンスは日本語で法令順守と訳されていることから、法律を守ることが企業倫理であるという認識が根強い。

しかし、筆者が事業をおこなっている医療介護分野では、法令順守のみを追求し、顧客満足や社会貢献の意識の希薄な医療機関や事業所が多い。

医療や介護は規制ビジネスであることから、国より定められたルールが存在する。

診療報酬や介護報酬を請求するためには、決められた手順でサービスを行い、決められた書類を作成することが求められている。

短期的利益を追求する医療機関や介護事業所では、高い報酬を得るために法律上必要な最低限の行為(サービス・書類作成)だけに着目した運営をしており、患者や利用者の満足度や社会保障費の削減と言った社会貢献には全く興味を示さないことが多い。

しかし、このような医療機関や介護事業所は、患者や地域からの評判が悪くなり、長期的な経営が困難となり経営破たんを迎えることが多いのが実情である。

医療や介護のような公共事業的要素が強いビジネスでは、法令順守が最も要求される。

しかし、法令順守が厳しいことが、「法令順守さえしていれば大丈夫だろう」と言う文化を根付かせている側面があり、医療機関や介護事業所の本来の使命である質の高い医療や介護の提供が置き去りにされることが多い。

したがって、医療や介護の業界においては、企業倫理を法令順守としてだけ捉えるのではなく、社会的責任や社会貢献として認識することが、長期的な企業の成長には欠かせない。

あなたの事業所は法令順守だけをしていませんか?

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

自分の価値観を伝えないから、あなたは職場で奴隷化していく

資本主義は搾取で成立している。

労働者が稼いだ売上からできるだけ、利益を搾取することで会社は存続することができる。

会社はできるだけ多くの額を労働者から搾取することに尽力を尽くす。

搾取が会社の基本的な機能だと言っても過言ではない。

会社が搾取をしやすい人は「何も疑問を持たず、何も意見を言わず、何も反対することなく、ただ、一生懸命働いてくれる人」である。

一言で言うと、搾取に対して「いちいち反撃をしてこない人」である。

職場に対して不満を言っている人は世の中に沢山いる。

労働者の殆どが、職場に対して不満を言っている。

しかし、残念ながら、その不満は経営者の前で言わないと意味がない。

経営者の前で不満を言えば、経営者に労働環境や就業ルールを変える動機づけを与える可能性が高まる。

しかし、陰で不満や文句を言っても、その声は経営者には届かない。

したがって、永遠に職場の搾取の仕組みは変わらない。

自分の夢、自分の希望する働き方、自分のやりたいこと、自分が興味あることなどの価値観を直属の上司や経営者に伝えないと、上司や経営者は永遠にあなたを搾取対象とする。

つまり、あなた自身が不満や価値観を上司や経営者に伝えないから、あなたは奴隷化していくのだ。

奴隷化を防ぎたいなら、今すぐ、率直に自分の不満や価値観を上司や経営者に伝えること。

それが、搾取システムが加速する資本主義社会に必要なビジネススキルである。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

潜在PT・OT・STが少ないということは、能力の低い人も働けている業界ということだ

看護師不足が叫ばれて久しい。

看護師は150万人ほどいるが実に70万人が働いていない。

つまり、何らかの原因で看護師の業界から去った人が70万人もいるということだ。

各種調査によると原因は多種多様である。

仕事がきつい
職場のストレス
産休・育休後のキャリア形成が難しい
仕事のハードさの割には給与が安い
やりがいがない
などである。

誤解を恐れずに言えば、看護師の業界は「ついてこれない人」は業界から過ぎ去るシステムが機能していると言える。

もちろん、「ついてこれない人」の種類はいろいろである。

能力が低くて看護師をやめた人
能力の高低に関係なく看護師という業界以外で働くことを決断した人
など、色々な人がいるだろう。

むしろ、このようなシステムが機能している業界の方が健全である。

看護師として働くことを選択した人と選択しなかった人が明確に分かれているため、看護師の玉石混交が起こりにくい。

したがって、看護師の能力水準が明確化しやすため、看護師としての能力の高い人が評価されやすい状況と考えられる。

それに引き換え、PT、OT、STはどうか?

潜在PT・OT・STなどはまだわずかである。

言い換えると、「ついてこれない人」がいない業界であると言える。

つまり、ついてこれる業界なのである。

したがって、能力が低い人が業界から去ることはない業界であるため、セラピストとしての能力水準が明確になっていない。

したがって、能力が高くても低くても給与が同じという現象が起こってしまうのである。

このような業界は競争原理が作用しない。

そのため、あるべき理学療法士像、作業療法士像、言語聴覚士像を追求する必要がない。

しかし、後10年後にはセラピストの業界は一気に過剰供給時代となる。

今、あるべきセラピスト像を目指していない人は、過剰供給時代に一気に凋落することになるだろう。

今そこにある危機を理解していないセラピストは、否応なしに潜在セラピストになる未来が待っている。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科