PT・OT・STあるある 認定資格=生き残れるという勘違い

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の一定数は、キャリア形成において様々な資格を取得する。

近年は、理学療法士協会や作業療法士協会などが協会独自の認定資格を発行するようになっており、認定資格を目指す人が増えている。

認定資格を取得するためには必要な座学を一定数受講し、筆記試験を受け、試験に合格するというプロセスを完遂しなければならない。

そのため、それなりに汗をかくプロセスを経験しなければ認定は取得できない。

したがって、「これだけ努力したのだからなんらかの形で報われないとおかしい」という心理が認定者には生じる。

また、「認定資格を持っていれば将来的に業界で生き残れるかもしれない」と思う人も散見する。

しかし、これらの考え方は完全に間違っている。

認定資格はなんら理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の生活を保障するものではない。

そもそも、認定資格の試験要綱に「あなたの生活を保障する資格です」など一切記載されていない。

「認定資格を取得するするプロセスで得た知識や経験を臨床場面で活かすことによって、組織や地域に対して「価値」を提供すること」が、認定資格を取得する本質な意味である。

したがって、認定資格は「価値創出のためのキッカケ」を与えるツールである。

きついことを言えば、世の中の患者さんやステークホルダーは「問題解決をしてくれるか否か」に興味があって「認定資格を持っているか否か」などどうでも良いのである。

認定資格や学位は学びのプロセスのキッカケを与える程度のものである。

その認識に立ち、資格取得ではなく、価値創出にこだわったキャリアデザインが望まれる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授