ユニコーン企業とは、急速に事業が拡大し、従業員の増大とともに売上高が急増している企業のことを言う。
日本ではDDM.com、メルカリ、ツタヤ、楽天などが代表例である。
急成長企業であることから、イノベーティブな会社として認識されることが一般的で、素晴らしい企業であるとの印象が強い。
しかし、ユニコーン企業の大企業は早晩厳しい局面が待っている。
なぜならば、大企業は最大30年程度しか寿命がないことがわかっている(図1)。
つまりユニコーン企業のように急成長し、従業員をたくさん抱える大企業になれば、いつしか企業としての寿命を迎えることになる。
リハビリテーション部門にもユニコーン型の発展を遂げたところも多い。
セラピストが50人以上所属するリハビリテーション部門は今や珍しくない。
そのようなリハビリテーション部門は、業務内容の硬直化、人材が育たない、環境変化についていけない、マニュアル重視で発想が乏しい、働く目的を失った従業員が多いなどの問題を抱えていることが多い。
なぜ、このようなことになるのだろうか?
それは偏に大企業病にかかっているからである。
セラピストの数が多くなり、組織が分化し、管理しなければならない範囲が増加すると沢山のルールが生まれてくる。
つまり、ルールを重視する「官僚主義」が拡大することになる。
組織の人数が増えてくると、リーダーの思い通りの運営は難しくなってくる。
コミュケーションも難しくなり、採用数が増えるので能力の低い人も組織に入ってくる。
そのような、状況では「ルール」を用いて人や組織を管理することが効率的である。
仕事の進め方
報告の仕方
インシデントへの対応
などのルールが設定される。
このようなルールは、強制的に人や組織を動かすことには有効であるが、働く人の創造性ややる気を阻害することにもなる。
これが大企業病を発祥させる原因である。
さらに、リハビリテーション部門の難しい課題は、従業員が職人気質のセラピストであるということである。
職人気質はルールを嫌い、ルールを無視する傾向がある。
そのため、官僚主義を入れても、それに従わない人も一定数いるため、官僚主義も通じにくい。
大企業病と職人気質が入り混じると言ったカオスがユニコーン型リハビリテーション部門には蔓延っている。
ユニコーン型リハビリテーション部門の方は、組織寿命を保つためにマネジメントへの一層の努力が必要とされる。