整形外科クリニックが院内でリハビリテーションだけを提供していればよい時代は終わった

整形外科クリニックの勝ち組と負け組の二極化が止まらない。

2000年前後から2010年ぐらいまでは、リハビリテーションの施設基準を取得し、理学療法士によるリハビリテーションを提供することが整形外科クリニックの差別化戦略として有効であった。

しかし、このブログを作成している2016年では、リハビリテーションを提供している整形外科クリニックは山とあり、リハビリテーションの提供の有無が整形外科クリニックの差別化に繋がらない状況である。

筆者がコンサルティングをしていると、「どこもかしこもリハビリテーションをしているから、これからの時代はなかなか患者が集まらなくなった」とか、「これからの整形外科クリニックはじり貧ですね」などの声が、院長、経営幹部から聞こえてくる。

果たしてそうだろうか?

今の時代においても、患者が沢山集まり、収益が増加している整形外科クリニックは沢山存在する。

結局のところ、勝ち組の整形外科クリニックが存在する以上、「時代の流れ」は全く関係がない。

整形外科クリニックは時代の流れに身を任せるのではなく、新しい市場やニーズに対してマーケティングができなければ、経営の再構築は難しい。

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整形外科クリニックを取り囲む状況は急速に変化している。

環境変化の事例としては
1)医療の在宅シフトが急速に進んでおり、在宅患者のフォローが求められている
2)デイサービスが急増し、運動器疾患を持つ方のリハビリテーションサービスが行われている
3)整骨院が急増し、運動器疾患の初診患者が整骨院に流れている
4)予防に対する意識が高まっており、医療と運動を組み合わせた民間サービスが増えている
5)維持期患者の介護保険リハビリテーションへの移行が進んでいる
などが上げられる。

これらの環境変化に対して、なんらかの行動を起こさなければ間違いなく「ジリ貧」になっていく。

また、当然、整形外科クリニックの専門性も重要である。

画像診断、日帰り手術、病院との連携など医療の本質の部分の強化を忘れてはならない。

さらに、見込み患者や既存患者へのマーケティング活動も怠ってはならない。

地域へのアピール
Webを通じた情報発信
新規患者の導線確保
などのマーケティング活動が安定的な患者増加には欠かせない。

院内で理学療法士によるリハビリテーションだけを提供していれば、整形外科クリニックとして安定的な経営ができる時代は終焉した。

リハビリテーションを活用した新たな価値の提供が、これからの整形外科クリニックには必須である。