目の前に患者や利用者がいなくなったら、看護師、療法士はご飯を食べれなくなる

病院、診療所、老健、介護事業所のすべてに共通していることは、提供したサービスに応じた介護報酬や診療報酬を原資として経営を行っているということである。

つまり、介護報酬、診療報酬がゼロになれば、経営は頓挫し、従業員に支払える給料は途絶えることになる。

看護師、療法士は専門職であり、専門的な知識や技術を人間や社会に還元することで収入を得ている。

しかし、患者や利用者がいなくなれば、専門的な知識や技術を発揮することができない。

つまり、専門職は目の前に、患者や利用者がいてはじめて、専門職としての役割を担うことができ、また、自身のアイデンティティーを高めることが出来る。

診療報酬改定、介護報酬改定により医療・介護を取り巻く環境は激しく変化している。

とりわけ、病床機能や各介護事業所の役割の改革が強く求められており、2025年までに多くの病院や介護事業所は市場環境に適応できず、経営不振になると考えられる。

今、看護師、療法士などの医療・介護従事者に求められるものは何か?

専門職としての知識や技術を高めることは当然である。

しかし、知識や技術を高めても目の前に患者や利用者がいなくなったら意味がない。

つまり、今、求められるものは「マーケット感覚」である。

自分の知識や技術、さらに、態度や考え方が、勤め先の経営に貢献し、患者、利用者の獲得に繋がっているかを、今一度考えなければならない。

自分のやりたいことと組織が期待していることが、重なっていない場合は、組織へ貢献ができていない。

雇用されている以上、組織が期待していることへの理解は義務である。

これからは、勤め先で地域に貢献できているか?を考える・・・つまり、マーケット感覚に基づく専門的知識、技能の研鑽が求められる。