まず、管理職は自立と自律の獲得を目指せ

自立
他者からの支配・援助に頼ることなく、独立した存在であること
自律
他者からの支配・制約を受けずに自身の規範に従って行動すること

周囲の人を批判したり、自分を保身している管理職には、自立と自律の精神は宿らない。
他責している人は、「自分の人生や仕事は他人によって支配されており、自分は周囲の環境に支配されている奴隷です」と宣言をしているようなものである。

人間は、物事を自分でコントロールする力を失うと強い絶望や無力感を感じる。無力感は防衛機制を作用させ、周囲への責任転嫁を生む。周囲への責任転換は人間関係を悪化させ、さらに自立と自律が難しい状況が作られる。

他責の感情は管理職にとって最大の敵であり、課題である。他責をしたところで、状況は何も変わらず、事態も好転しない。管理職は、自立と自律の精神を持つことで、はじめて自ら状況を打開し、組織に対する責任を負うことができる。
そして、自立と自律ができるようになれば、「自分の人生の主人公を自分自身が演じられる」という感覚が得られ、人生や仕事への推進力が増していく。

管理職として何をすればよいか?と悩んでいる人は、自分自身の考え、自分のやりたいこと、自分が周囲にしてあげたいこと、自分の強みについてまず考えることである。

目の前の仕事を一生懸命にこなすことで、管理職の仕事から逃げている人を多くみる。しかし、管理職の仕事は目の前のルーティン作業を一生懸命にすることではない。管理職の仕事は、組織が多くの成果を出せるようにマネジメントを行うことである。

そのためには、組織に責任を負う姿勢を持つことが重要である。
そして、自立と自律の姿勢を持つことが組織への責任を負うことにつながる。

 

 

2040年以降に大量に余る医療・介護従事者とシニアビジネス企業

2040年代中盤に高齢者の数は減少に転ずる。
今後、日本は大きな局面を迎える。
2040年まで高齢者が増え続け、かつ、医療・介護従事者やシニアビジネス企業の市場が拡大する局面 と 2040年以降高齢者が減少し、医療・介護従事者やシニアビジネス企業の市場が狭小する局面である。

今後、十数年間は医療・介護従事者は2040年までの局面を乗り切るために、量産されていく。
資格制度の規制緩和、養成校や大学の設立や学部変更など2040年までを乗り越える施策が展開される。しかし、2040年以降に関する施策はなんら立案されていない。

現実的に大都市を除く、地方都市では1割~3割の急性期病床の削減や特別養護老人ホーム等の新設も停止している。つまり、今後は2040年以降の情勢に合わせた医療・介護政策の出口戦略も密かに始まっている。

状況はめまぐるしく変化する。一年ごとで、規制緩和、制度改訂が行われ、不要と判断されたビジネスの淘汰が始まる。現在、参入障壁が低いヘルスケアビジネスもどんどん新しい企業が参入し、そして、どんどん淘汰されていく。ヘルスケアビジネスが、安定した市場であると勘違いしている企業が参入しているのが現状である。市場があっても、生き残れるかは別問題である。多くの企業は2040年以降、狭小するシニアビジネス市場を冷静に把握できていない。

現状の市場モデルでは医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士・・・などの医療・介護従事者が確実に余る時代が迫っている。2040年に確実に引退し、悠々自適に生活できる資産家以外はこの問題を真剣に考えなければならない。

今後は、2040年までを乗り越える地域包括ケアシステムの構築と2040年以降の市場拡大を得るための職域拡大という状況に我々は対峙しなければならない。

所有している知識と技術を100%発揮できる人は少数派である

医師・看護師・理学療法士・作業療法士等の専門職は、文字通り専門分野を有する職能人である。したがって、特定の分野に関する知識や技術を高めることが重要であることに疑問の余地はない。実際に特定の分野に造詣の深い医師や理学療法士、作業療法士が存在する。

しかし、知識や技術の高さと仕事の生産性や社会貢献度は正比例しない。
なぜならば、知識や技術はコミュニケーションやマーケティングにより、発揮されるものである。知識や技術を相手に伝えるコミュニケーション能力や知識や技術が活かせる市場や場所を選定するマーケティング能力が低ければ、どれだけ博学でも仕事の生産性は低い。

つまり、100の知識や技術を持っていても上記した能力が低下していると、20の知識や技術しか市場で発揮できない人もいれば、50の知識や技術しか持っていなくても、高いコミュニケーション能力やマーケティング能力で50発揮できる人もいる。このケースでは後者のほうが市場価値が高いことになる。

医療・介護の市場は地域包括ケア、ロボットテクノロジー、脳科学、バイオメカニクス・・・などの知見が混在している。よって、博学な知識や高い技術スキルに加え、コミュニケーション能力、マーケティング能力を高めなければ、市場で生き残りにくい状況になっており、今後もこの状況はさらに続く。

高いレベルの知識・技術・コミュニケーション・マーケティングの獲得では容易ではない。そのため、所有している知識と技術を100%発揮できる人は少数派である。しかし、少数派だからこそ、市場から高評価が得られるのである。したがって、今後の人材育成においては、100%の知識と技術を発揮できるための教育的介入がますます重要となる。

 

自分の実力のピークを見極めろ

組織や特定の領域で、長期間、働いていると
誰しも最も、輝いて働いている時期がある
実力がピークとなっているその時期は、組織からの吸引力も強く居心地が良い

しかし、市場の変化と人間が持つバイオリズムにより
実力のピークは緩やかに低下していく

本人の能力が低下せずとも
外部環境が変化するため
実力のピークで働ける期間はわずかな間である

しかし、自分の能力を過信し
居心地のよい状況から抜け出せない人は多い

そして
いつの間にか茹で蛙になり
会社や社会より見放されていく

セルフマーケティングを怠らない人は常に
自分の実力のピークを見定めている
そして、自分の商品価値が劣化し始めると
それをいち早く感知して、新しい商品価値の創造を行う

起業家で成功している人の多くは
「最も会社でピークの実力」を持っていた時に
退職をして、起業している

その人の周囲にいる人は、「最も実力がある時に
退職すること」を不思議に思っている
そのポジションにそのままいれば
良い待遇があるのに、もったいない・・・・と周りの人は思う

しかし、セルフマーケティング能力がある人間は
「自分の実力のピーク」を見極めており
次の新しい商品価値創造の段階にいち早く取り組む

したがって、退職と起業のタイミングが「実力のピーク時」に重なることが多い

今は、不確実な時代に突入し
個人の人生を社会や会社が守ってくれる時代ではない

よって、自らの能力や技術を社会に買ってもらう
セルフマーケティングが必要な時代となった

したがって、自分の能力、すなわち商品価値を
常に自己監査する必要性がある時代になったと言える

 

時間を作るためには、生産性の低い集団から離脱し、さらに、愚痴をやめること

忙しく時間がないと言っている人は多い
時間がなくて
仕事ができない
家庭サービスができない
プライベートな時間が取れない
という悩みを持つ人は多い

しかし、時間を生み出す方法はそれほど難しくない
自分にとって生産性が低い集団から離脱することで
驚く程の時間が生み出される

生産性の低い集団で行動することによるデメリットは非常に多い
自分の意志とは違う方針に行動が左右される
自分の行動のスピードではなく、集団のスピードに合わせなければならない

また、愚痴をやめることも時間を増やす有効な方法である
愚痴は、創造的な活動を生み出さない
つまり、愚痴を言っている間、生産性がない時間を過ごしていることになる

時間は万人に一日24時間しか与えられていない
したがって、時間を増やすためには、集団から離脱することや愚痴を言わない
という不要なことをやめてしまうことが最も有効である

付き合い残業
付き合い勉強会
嫌われるのが嫌だから参加している飲み会
居酒屋での愚痴
SNSを使った愚痴

これらは膨大な時間を無駄にする

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リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護経営コンサルタント
ワークシフトプロデューサー
高木綾一
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