セラピストの独立志望者必読!起業家と企業家の違いは何か?

起業家と企業家の違いはどこにあるのだろうか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の独立志望者が増えている。

しかし、起業することは難しくない。

税務署に行って、個人事業主の登録をするだけで起業家になれる。

しかし、起業家にはなれても企業家になれる人は少ない。

ピーター・ドラッガーは、企業家になることの難しさをトーマス・エジソンの事例を挙げて説明している。

トーマス・エジソンは優れた発明家であり、自身が発明した成果物を活用して経営者になることを目標にしていた。

しかしながら、彼の創立した企業すべてにおいて経営は失敗し、最終的に経営から手を引くことになった。

多くのハイテク企業も同じような経過をたどっていると解説されている。

このような企業は社会においてイノベーションを担うことはできず、ある商品やサービスを発明したに過ぎないと言える。

つまり、真の企業家は、製品や商品の発明にとどまらず、社会のイノベーションを実現しなければならないと言える。

ピーター・ドラッガーは、そのイノベーションを実現するためには「異なる知識と技術をもつ複数の人間を組織化するためのノウハウ」である「経営管理」が必要と述べている。

また、企業家として成功するためには、アイデアのひらめきを待っているだけでは不可能であり、企業家たるものは、主体的に行動しなければならないと述べている。

また、企業家は次のようなイノベーションの機会を利用していると述べている。

  • 予期せざるものの存在
  • 調和せざるものの存在
  • プロセス上のニーズの存在
  • 産業や市場の構造変化
  • 人口構成の変化
  • 価値観の変化
  • 新しい知識の獲得

これらを活用しイノベーションを起こせる者が真の企業家になれると考えられる。

しかし、残念ながら理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「経営管理」を学んでもいないし、実践した経験も少ない。

そのため、起業家になれても企業家になることは難しいと言える。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の知識や経験を起業を通じて真に社会に貢献させるためには、起業家ではなく企業家を目指す必要がある。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

ハンバーガーショップを起業するものは企業家と言えるか?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業する事例が増えているが、起業すれば全員が「企業家」になれるのだろうか?

そもそも「企業家」とは何か?

ピーター・ドラッカー曰く、「企業家」とは、「真の企業家は経営管理のという技術を用いて社会のイノベーションを実現する者」である。

ハンバーガーショップの起業家の事例を用いて説明する。

結論から言えば、ハンバーガーショップを起業する者は企業家とは言えない。

ハンバーガーショップを起業することで、当事者は食事を提供するというサービスは行っているが、これだけでは、企業家と呼ぶことはできない。

しかし、同じハンバーガーショップでもマクドナルドは企業家と呼ぶにふさわしい。

マクドナルドでは、顧客の満足を満たすための商品を決定し、その商品を安定的に生産するための生産工程を確立させている。

生産から顧客への販売のプロセスにおいては、サービスの早さ、清潔性、接遇などに配慮している。

また、それらを実現するための、人材育成や給与体系を整備している。

このような総合的な取り組みを行うことで、利益の最大化を実現している。

マクドナルドは画期的な商品やサービスを発明しているわけでないが、利益を最大化するための経営管理と言う技術を有している。

したがって、ハンバーガーショップを開設するだけでは、企業家の要件を満たすことはできない。

経営管理という技術を軸にした事業を展開することが企業家の条件だからである。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が起業しても、果たして「企業家」になれるだろうか?

通所介護
訪問看護
ネットショップ
予防事業
自費リハビリ
コンサルタント
などは誰でも起業できる。

起業家になれても企業家になれる人は一握りである。

起業家なら、企業家になれる努力を怠ってはならない。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

 

リーダーシップは信頼性に宿る

筆者はクライアントより「部下のリーダーシップが乏しい」「管理職が現場スタッフを引っ張っていくことができない」というリーダーシップに関する相談を受けることが多い。

リーダーシップに関する理論は様々な報告がなされている。

リーダーシップは性格的素因の影響を受ける。
リーダーシップの影響を与える相手によってリーダーシップの内容は異なる。
現場のスタッフを支える貢献型のリーダーシップが効果的である。
など様々なリーダーシップ理論が存在している。

その中でも、今回は信頼蓄積理論を紹介したい。

信頼蓄積理論とはエリック・ホランダーが提唱したもので「リーダーシップとは生まれ持った資質ではなく、日常的な信頼の蓄積により決まる」という理論である。

つまり、リーダーが過去、どんな言動をしてきたのかという過去の信頼の蓄積がリーダーシップに影響を与えるということである。

信頼されているリーダーだからこそ、部下はリーダーに従って、モチベーションを高く保ち、行動することができるが、信頼されていなければ、部下はリーダーに魅力を感じることはなく、リーダーに貢献する意欲が低下する。

実は、常日頃から上司は部下から「この人は信頼できるかどうか?」と評価を受けており、部下の評価が高ければ信頼度が高まり、上司は部下にリーダーシップを発揮することができるのである。

上司が部下より信頼を得るためには
嘘をつかない
発言と行動が一致している
感情的ではない
誠実に物事に取り組む
一貫性がある
約束を守る
という人間として当たり前のことができるかどうかである。

リーダーシップに悩んでいる管理職の方
部下が自分の指示に従わないことに悩んでいる方
職員が何かと非協力的で困っている方
は一度、ご自身の信頼性について考えてみることが大切である。

 

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

テレワークとテクノロジードリブンの社会は決して華やかな世界ではない件

新型コロナウイルスによるテレワークの推進やテクノロジーの進展により、社会構造は大きく変わろうとしている。

テレワークとは何か?

情報通信技術を活用し時間や場所の制約を受けずに働くこと
「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語であり、日本では在宅勤務、リモートワークと呼ばれることが多い。

テレワークでは、人と人が顔を合わせることが少ないため、アナログなコミュケーションが乏しくなり、ITなどを利用したデジタル情報に基づくコミュニケーションが多くなる。

そのため、人間性の評価より、仕事の成果を評価する局面が増えていく。

同じ職場であれば、人当たり、優しさ、チームワークなど様々な人の情意面を感じることができるが、テレワークだとデジタル情報の交換が中心であるため情意面の情報が乏しくなる。

そうなると、人の評価は「成果」が中心とならざるを得ない。

また、AI、アプリ、ロボットなどのテクノロジーが進展すれば人間の仕事内容はより高度化が求められるようになる。

単純作業はテクノロジーが担い、より創造的で生産的な仕事を人間が担うことが期待されるようになる。

身近な事例を挙げると、Google社が提供しているGoogleフォームがある。

Googleフォームを用いれば、顧客が入力した様々なデータを簡単にデータ化し、グラフも作成してくれる。

つまり、人間が手作業でする手間を省いてくれているのだ。

テクノロジーが発展すればするほど単純作業から人間が解放されるが、その反面、人間の知識、技術、創造性の向上が必須となる。

オンラインや在宅勤務の進展が進めば進むほど、人間は高度化されたスキルが求められる上に、さらに、成果で判断されることになる。

このような状況にうまく適応できる人にとっては、テレワークやテクノロジードリブンの社会は幸せかもしれないが、適応できない人にとってはストレスが増加するだろう。

医療や介護でも在宅勤務やオンラインによる業務が増加していることが好ましいと思われがちだが、決してそうではない面もあることを認識するべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

 

 

 

 

 

新型コロナウィルスにより多くの医療機関や介護事業所では減収傾向!経営者や管理職は何をするべきか?

2020年4月に新型コロナウィルスの全国的拡大により、国より緊急事態宣言が発令され、国民の外出自粛や様々な業種に対する休業が国より要請された。

このため、全国的な経済不況が生じており、近い将来、数万件の事業者の倒産や数十万人の失業者が生まれると予想されている。

医療機関や介護事業所においても利用控えが起こっており、筆者の知る限りの整形外科クリニック、中小病院の外来、通所介護、通所リハビリなどでも2割から4割の利用者減少が起こっている。

新型コロナウィルスは、今後も地球上からなくなることはない。

また、精度の高い新型コロナウィルスのワクチンや治療薬が完成するまで1年から3年はかかると見込まれている。

また、日本はシルバー民主主義国家と言われて、高齢者の方々の世論を最重視した政治が行われる傾向が高い。

つまり、政府は常に新型コロナウィルスの感染による健康被害を受けやすい高齢者に最大限配慮した政治を行わなければならない。

したがって、総合的に考えると今後、長期間に渡り「自粛ムード」が解かれることはないと断言することができる。

そのため、今後、医療機関や介護事業所の利用者減少は大きな課題となり、倒産も現実的な話となってくる。

このような状況において、医療機関や介護事業所の経営者や管理職は何をするべきだろうか?

それは、自社のサービスを「不要不急なレベル」から「必要火急なレベル」に引き上げることが重要である。

「不要不急であれば、利用を控える」というのが、今回の新型コロナウィルスが生んだ社会的な脈絡である。

自社のサービスが本当に利用者にとって必要火急なレベルか?

質の高いリハビリテーション
高い満足度が得られる
利用者の課題解決に貢献している
利用者の人生にとって大切な一部となっている
などのレベルまで自社のサービスを引き上げていなければ、今後数年間に渡り、医療機関や介護事業所の利用者は減少したままであろう。

新型コロナウィルスというピンチをチャンスに変えるには自社のサービスの質を見直す行動が必要である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授