筆者はキャリアコンサルティングを生業にしているが、その中でも相談が多いのは「転職」に関する相談である。
「転職」をしたいと考える動機は概ね以下の理由が多い。
①今の職場にやりがいを感じない
②拘束時間が長い
③キャリアップが望めない
④給与が安い
⑤人間関係が悪い
これらの理由から今の職場から他の職場へ変更したいという動機が生まれている。
問題は、転職をすれば人生が好転すると考えている人が多いことである。
いわゆる、隣の芝生は青く見えるということである。
なぜ、隣の芝生は青く見えるのだろうか?
それは、今の自分の置かれている環境と他の職場の環境を比較して、自分の会社にないものが他の会社にあると感じてしまうことが発端である。
簡単に言えば「ないものねだり」の感情が強くなっているのである。
しかし、この「ないものねだり」の感情だけでは転職が成功する可能性は低い。
なぜならば、仕事とは自分の価値を社会や組織に提供することで対価を得ることが本質だからである。
「ないものねだり」は受動的な姿勢であり、「仕事を通じた価値創出」は能動的な姿勢と言える。
「仕事を通じた価値創出」を意識せずに「ないものねだり」で転職すると確実に後悔するだろう。
「仕事を通じた価値創出」をしなければ、組織からは一向に評価を受けることができない。
そのため、「職場環境が悪化している」と感じてくる。
そうなると、まさに負のループで再び「隣の芝生は青く見える」現象が起こる。
今、転職を考えている人はぜひ「転職とは価値創出である」ということを考えていただきたい。
「次の職場で自分はどんな価値を出せるか?」を真剣に考え、悩むことが転職成功への第一歩である!
執筆者
高木綾一 株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術)(経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授